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2008年4月 6日 (日)

個人発明家のビジネスモデル(2)

昨日、個人発明家のビジネスモデルについて書いた続きです。

第2のビジネスモデルについては、「紙とエンピツによるアイデアだけで、試作品も作らない発明で儲けようとするのは邪道だ」という意見もあると思います。これは、米国などで、パテント・トロール(個人などから特許を買い取って大企業を相手に訴訟などをしてライセンス料をふんだくる企業)に対して、よく言われることです。日本でも、パテント・トロールが跋扈すると特許法の目的とする産業の発達に反するという意見があります。

そこで、このような意見に対して、僕の考えを述べます。

昨日述べた第1のビジネスモデルは、よく、テレビなどでも、個人の趣味の延長として、「微笑ましい」という感じで紹介されています。これに対して、第2のビジネスモデルは、大企業などから批判があります。それは、第2のビジネスモデルは大企業にとって都合が悪いという事情もあると思います。

しかし、第1のビジネスモデルも第2のビジネスモデルも、どちらも、発明をすることそのものは全く同じなのです。違うのは、(a)発明が属する技術分野、(b)発明を収益化するための方法、の2つだけです。

(a)発明の属する技術分野が違うのは、単に、発明家が興味や関心を持っている分野が、ニッチな分野(第1のビジネスモデル)か大企業と競合するメジャーな分野(第2のビジネスモデル)か、という違いから生じるものに過ぎません。しかも、発明には偶然性が大きく左右しますので、どういう分野の発明を思いつくかは、実際に、発明が生まれてみなければ、分かりません。子供だって、スポーツが得意な子か文学が好きな子かなどは、実際に生まれてみなければ分かりませんが、それと同じです。

実際、僕の発明でも、80%はメジャーな分野ですが、20%はニッチな分野です。だから、当面は第2のビジネスモデルで行こうと思いますが、資金がたまったら、ニッチな分野の発明の特許を利用して、自分で商品化・事業化するのも面白いな、と思っています。

また、(b)発明を収益化する方法が違うのは、偶然性などに基づいて生まれ落ちた発明を収益化させるためには、第1のビジネスモデルでいくか第2のビジネスモデルでいくか、どちらがより効率的かという問題に過ぎませんし、それはひとえに、その発明の特性によって決まるものです。子供でも、スポーツの分野が得意な子とか読書が好きな子とか、いろんな子がいて、親は、そういう一人一人の子供の個性をみながら、どの方向に育ててやればいいかな、と考えると思いますが、それと同じです。

以上より、第1のビジネスモデルか第2のビジネスモデルかは、発明することからみれば、本質的な違いではないと思います。

しかし、個人発明家が経済的に成功しようと思う場合は、第1のビジネスモデルか第2のビジネスモデルかを常に意識できるかどうかで、結果が大きく違ってくると思います。

つまり、個人発明家は、自分の興味や自分が得意な分野などを見極めて、その分野を中心に研究して発明をすること、そして、発明が生まれたら、その発明の特性(ニッチな分野かメジャーな分野か、自分で製造できるものかどうかなど)を見て、その発明に適した収益化の方法は何か、つまり第1のビジネスモデルでいくか第2のビジネスモデルていくかを決める、というのが経済的に成功するための道だと思います。

つまり、第1のビジネスモデルと第2のビジネスモデルとは、発明を収益化させるために必要となる知識・ノウハウなどが大きく異なります。

だから、実際のところは、個人発明家は、自分の向き不向き、すなわち、経営者が向いているかどうかなどをも考えて、自分が第1と第2のビジネスモデルのどちらが向いているかを考えて、自分の発明をニッチ分野を主体にするか、メジャーな分野を主体にするかを考えてもよいと思います。つまり、予め、自分自身の個性や得意・不得意などを考えて、第1のビジネスモデルと第2のビジネスモデルのどちらが自分に向いているかを考えて、どちらかのビジネスモデルに適した技術分野の研究・発明をしていく、というのが成功するコツではないかと思います(ただ、前述のように、予めそう考えてても、実際に生まれる発明は、自分が狙った技術分野ではなかったりすることは、多いことです)。

「大企業へのライセンスを目指す」とは、大企業と発明分野が競合している発明をするという意味です。「大企業へのライセンスを目指す発明家」にとっては、自分の発明を世の中で商品化する道として、主として大企業へのライセンスを通じて大企業に商品化してもらうことが効率的だといえますが、資金が貯まれば自分で事業化することも当然に在りえます。その意味で、「大企業へのライセンスを目指す発明家」は、通常のパテントトロールとは違うと思います。

この個人発明家のビジネスモデルについは、また、別の機会に述べたいと思います。

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