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2008年5月28日 (水)

組織力と発明力

元検察官で今は法律事務所を運営されておられる落合洋司弁護士が、ブログで、検察の組織力に対して弁護士は対抗できていないという文脈で、組織力について、次のように述べていますhttp://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080527#1211899042

上記のような「組織力の差」は、私のように、「組織」からドロップアウトしてしまうと、痛いほどよくわかります。裁判所、検察庁といった組織の中に身を置いていれば、日々、次々と新たな最先端情報が舞い込んできて、それを着実に身につけておくだけで十分仕事がこなせますが、そうではない環境においては、そもそも、情報を取ることが大変であり、常にアンテナを張り巡らせ、意識して努力するようにしないと、組織力に対抗することは相当困難です。

組織に属していると、知らぬまにいろんな情報が入ってくるし、何かあれば直ぐ隣の同僚に聞けるので、組織内の成員のレベルが自動的に上がっていきます。これに対して、一人だと、そういうことがないので、日常的な努力を意識してやらないと、とんでもない勘違いや無知や独善に陥ったり、そこまでいかなくてもレベルが落ちるということは多いと思います。

それは、発明でも同じでしょう。ただ、発明は、芸術と同様に、「組織の中」ではなく「個人の頭の中」で生まれるという特徴があります。

この点、池田信夫さんは、そのブログで、次々と革新的な製品を生み出すアップルの「スティープ・ジョブズの頭の中」について、次のように述べています。http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/ee22ecd32ef1eb7943165c11673dfc22

「科学的マーケティング」なんて神話にすぎない。ヒットをマーケティングの成果として説明するのは、ただの結果論だ。ポラニーが、科学の理論が帰納から生まれるのではなく科学者の直観から生まれるとのべたように、イノベーションを生むのも統計や分析ではなくcoolな才能だから、それを作り出すハウツー的な方法はない。しかしイノベーションは、単なる思いつきではない。それをgreat productとして実現するデザインへのジョブズの執念も尋常ではない。

「科学的マーケティング」でヒット商品が生み出されるなら、チームの力で発明をすればよいのでしょう。そして、確かに、「改善的・周辺的な発明」はチームで話し合っているときに生まれることも多いと思います(トヨタの改善活動など)。しかし、斬新で根本的な基本発明は、あくまで「個人の頭の中」で生まれるものだと思います。

そこにこそ、組織力のない個人が、巨大組織と戦うときの勝機があるのではないかと思います(以前に述べた個人発明家のビジネスモデルの第2の道、つまり、大企業が研究している分野と同じメジャーな分野で大企業の研究者と競争してより早く基本発明をして基本特許を取得しようとする場合の話です)。

なお、「大企業へのライセンスを目指す発明家」とは、大企業と発明分野が競合している発明家という意味です。「大企業へのライセンス型発明家」にとっては、自分の発明を世の中で商品化する道として、主として大企業へのライセンスを通じて大企業に商品化してもらうことが効率的だといえますが、資金が貯まれば自分で事業化することも当然に在りえます。その意味でも、「大企業へのライセンス型発明家」は、通常のパテント・トロールとは違うと思います。

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2008年5月27日 (火)

占い

占い、特に手相には、特別な思い出があります。
25歳の頃、東京で夢を追っていたとき、まあ、夢と言っても或る試験を目指して、大学を卒業しても就職しないまま勉強していたのだけど、そのうち、付き合ってた彼女には社会人にもなっていない人とは・・・と言われて振られるし、試験もななかな受からないし、ストレスもあって、毎日ひどい血便が出るなど、体を壊してしまいました(医者からは潰瘍性大腸炎という難病だろうと言われました。前の総理大臣がこれではないかと週刊誌に書かれていた難病です)。

それで、夢をあきらめて故郷に帰るかこのまま残って頑張るか、すごく迷って、相談する人も近くに居なかったので、ある日の夕方、当時は金欠病だったけどなけなしの金をもって、新宿の路上で営業している手相占い師10人に、手当たりしだい、続けざまに相談しました。

そしたら、占い師の10人が10人とも、皆、故郷に帰ったほうがいい、と言いました。今から思うと、その頃の僕は、多分ノイローゼ気味で、占い師たちは、僕の顔付きをみて、これは尋常ではない、と思ったのかもしれません。

それで、直ぐ、夢を諦めて故郷に帰って、体を直すことに専念しました。1年間、実家で、親から小遣いをもらいながらブラブラしてると、体も少しずつ、良くなりました。

その後、就職したりいろいろ有りましたが、その後も、何度か、人生の岐路になると、手相占いをみてもらったりしています。

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2008年5月21日 (水)

発明のコツ・公私混同

今週のアエラ(2008.05.26号)の17ページの糸井重里さんのコラムを見ました。

糸井さんは、このコラムで、「工業社会の時代に、労働者が自発的でない仕事に従事していたころは、・・・公私をはっきり分ける意味があった・・・。現代においては、生産と消費は混同している・・・。モノを作るとき、消費者としての『私』が充実していないと、『公』にウケる商品も生み出せない。」と言われてました。

僕の「私」は、あまり充実していないな・・・。だから、最近、あまり発明が出なくなったのか・・・。

小説や映画などのコンテンツや芸術の世界では、昔から、「私」生活と「公」である作品とは、密接に結びついていました。それが、近年の知価社会では、工業製品なども同じような傾向が出てきたのでしょう。

ただ、僕が最近思うのは、芸術の世界も変わりつつあるというか、弱体化しつつあるということです。昔の小説家は、太宰治や中原中也などみても、「破滅的で芸術的な私生活」を実践して、それを作品の肥やしにしていました。それが、最近の小説家を見ると、多くは、毎朝、サラリーマンよろしく自宅から近くのマンションなどの事務所に「出勤」して、夕方5時ごろまで執筆して帰宅するという「規則正しい生活」をしているようです(雑誌か何かで見ました)。

これは、芸術の弱体化なのか、時代がそれを要請しているのか。同じことは、将棋の世界でもそうで、昔は「飲む打つ買う」が棋士の私生活だったけど、最近はコンピュータを使ったりしてスマートになって、規則正しい生活をしているようです。まあ、今の時代、「飲む打つ買う」なんてやっていると、メタボになったりして、周りから総スカンを喰いますよね。

発明家の世界はどうなのかなあ。僕はこの15年、規則正しい生活をしています。だから、発明が出なくなったのかなあ。

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2008年5月20日 (火)

「Wiiリモコン装着用ハンドル」の発明

僕はゲームはやらないのですが、息子が買ってきたソフト「MARIO KART」に付属してたハンドルを見て、「やられた!」と思いました。

P1000016_2

写真のように、ハンドルにWiiリモコンを装着して、ゲームを開始して、ハンドルを回すと、Wiiリモコンに備わっている加速度センサ(上下左右の動きや傾きを検知できる)、ジャイロセンサ(姿勢や傾きを検知できる)、地磁気センサ(絶対方位を検知できる)などの検知データが本体に送信されて、ゲームを進められます。

このハンドルは樹脂材料による一体成形品なので、極めて安価にできるので、ソフトの付属品としてもコスト的には問題ないのでしょう。

「加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサなどの各種センサや無線通信機能を備えた棒状のリモコンを装着できる凹部を備えた、(樹脂製の)ハンドル」というような特許請求の範囲で特許出願すれば、特許は取れたのでは、と思います。

まあ、僕は全く考え付かなかったですが。任天堂が既に出願しているのかと思って調べましたが、公開公報の中には無かったようです。任天堂以外の企業が出願しているのかもしれません。任天堂の出願では、シューティングゲーム用のリモコンは、公開されていました(特開2002-346224号)。

でも、この「Wiiリモコンを装着できる凹部を備えた・・・」というアイデアは、他にも、いろいろ、有りそうですね。考えてみようかな。

P1000017

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2008年5月14日 (水)

発明家ネットワーク

埼玉県の発明家・坂本兼昭さんのブログ「発明楽園」を、最近、知りました。http://plaza.rakuten.co.jp/inv3kaneaki/ 毎回、新しい面白い発明品を紹介しています。ネタはどこからか、分かりませんが、興味深いものです。

また、僕は不勉強で知らなかったのですが、坂本さんは、特許訴訟も自分でやってて、かなりの金額の勝訴判決を得られているようです。

この発明楽園には、同じ坂本さんが管理人となっている「発明交友会」というグループのサイトがリンクされてて、初めてこういう発明家ネットワークがあるのを知りました。http://hatsumei.visithp.com/ 僕も入会しました。

まあ、今のところ、掲示板でやり取りしたり、メール交換したり、オフ会もあるのかな。でも、こういう会があったら良いなと思ってました。こういう会でいろんな発明家と知り合って、発明のこと人生のことなど話し合えたら素晴らしいですね。

実は、僕の大きな夢は、個人発明家として成功して、世界中の発明家を訪ね歩いて、発明のこと人生のことを話し合えたらいいな、と思っているのです。でも、まだまだです。

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2008年5月 7日 (水)

素人発明家の記事をみて

http://mainichi.jp/life/housing/news/20080506ddm013100012000c.html

毎日jpの記事「素人発明家:不便が発明の秘訣 生活感覚を生かし試作して」からの引用です。

「おいしいみそ汁が飲みたい・・・みそ容器に泡立て器状の器具を差し込むだけで簡単に適量を取り出せる「みそ汁上手」(1575円)。発明した東京都調布市の無職、中川仁さん(69)のアイデアの原点は、16年前の単身赴任生活だった。本格的な自炊は初めて。赴任地・大分県の豊かな食材を使い、みそ汁を作ってみたが、みその量が定まらず上手に作れなかった。定年退職後、テレビ番組で、料理研究家が泡立て器でみそを溶く姿にヒントを得て、試作品を作り始め、03年5月に特許を取得。岐阜県の企業と契約した。昨年9月までの3年間で、通信販売を中心に約9万個が売れ、月十数万円の収入がある。中川さんは「ひらめきが徐々に形になる過程にわくわくする。発明のコツは不便と感じたことを解決する気持ち」と話す。」

この中川さんの特許をIPDLで調べてみました。特許3438883号で、その特許クレームは次のとおりです。

【請求項1】取っ手(1)に計量目盛板(7)を設けその表面を自由に移動する目盛指示(2)は接続棒(3)を介して計量板(4)に接続され、この計量板(4)は泡だて器状針金枠(6)で囲まれた中に針金と交叉する形で取り付けられ上下自由に移動出来る、計量板(4)の下方と針金枠(6)とで囲む空間部分を味噌に置き換える事により味噌が計量出来、計量板(4)はみそ汁の必要量に合わせて設定出来る事を特徴とした計量目盛付き味噌溶き具。

P3438883_4

このクレームの内容も分かり難いですが、要は、上の図のようにして、味噌を計量しながら取り出せるようにした、というもののようです。

また、上記の記事からの引用です。

「川崎市宮前区の主婦、松本奈緒美さん(40)が発明したのは掃除道具「ペン先す~ぴぃ」(840円)。掃除機の吸引パイプの連結部分に、ボアが付いた「す~ぴぃ」をテープで巻きつけるだけ。柔らかな本体が狭いすき間に入り込み、ほこりをふき取りながらごみを吸引する。何回でも洗って使える。企画書を約70社に送ったが、不採用の返事ばかり。このうち改善点を添え書きしてくれた1社に、改良品を勝手に郵送したのが縁で契約し、3年前に特許を取得した。商品化まで5年かかったが、05年の発売以来、10万個売れた。「商品化のため企業を説得するのは大変だし、一蹴(いっしゅう)されることもあるが、めげないのが秘訣(ひけつ)」と松本さん。浮かんだアイデアは必ず当日試作し、これまで100種類以上作ったが、製作費は月500円程度。「お金をかけないのが主婦の発明の極意」とアドバイスする。」

この松本さんの特許もIPDLで調べてみました。その特許クレームは次のようなものです。

【請求項1】
吸引掃除機本体に接続された吸引ホースに取り付けられる吸引掃除機用ノズルであって、弾性を有するシート材からなり、先端部が山型形状をなすシート状本体と、前記シート状本体裏面の山型形状部分の周縁部に沿って設けられた柔軟性部材と、前記シート状本体の底辺部に設けられシート状本体を前記吸引ホースに固定するための固定手段とで構成され、前記固定手段によって前記吸引ホース先端に取り付けられた状態でシート状本体はホースの外形に沿って湾曲され、前記山型形状部分はホース先端開口部より突出しホース開口部と連続した長円状吸引口を形成するように構成されていることを特徴とする吸引掃除機用ノズル。

P3691337_6

上の図は、この特許の図2ですが、ノズルの先端部分を図のような鳥のくちばしのような形状にして、その周辺にナイロンパイル(柔軟性手段)をつけていることが特徴のようです。左の図では、符号の10が吸引掃除機用ノズルです。

どちらも、きちんと特許を取得されて収益を挙げられているということで、お手本になる方たちだと思います。

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2008年5月 3日 (土)

パンの発明

パンに関する基本的な発明についての話です。

「乾パン製の食器」の発明

1週間前(2008/4/23)の日経新聞に、あるデザイナーが、イベントなどで利用する簡易食器を無駄にしたくないと思って、「乾パン製の食べられる食器」をパン屋と共同で開発したという記事が出ていました。これを読んだとき、これは基本的な発明だなぁと思いました。しかし、少し考えると、ピザとか、パン生地の皿の中にスープや溶けたチーズを入れた料理とか沢山あるので、これで特許はまず無理だろうと思いました。特許は取れないにしても、基本的な発想の発明だとは思います。

「パンの缶詰」の発明

パンと言えば、かなり前に、雑誌で「パンの缶詰」を見たことがありました。IPDLで調べてみますと、特許第3056418号です。特許権者は栃木県の「秋元ベーカリー」。パンを缶詰で保存するという発想は、確かに基本的なもので、これが特許されたのなら基本特許とも言えるのでしょう。まあ、ただ、パンは、皆さん、缶詰より焼きたてが食べたいと思います。だから、これは、災害などの用途に限られてしまい、市場性はあまり大きくないかもしれません。

ちなみに、「缶詰」が発明されたきっかけは、フランスのナポレオンが長期遠征に出る自分の軍隊の兵士の栄養を考えて、食べ物を保存する方法を発明した人には賞金を出すという新聞広告を出したことだそうです。この新聞広告に応じて「瓶詰め」を発明したのがフランス人のニコラ・アペールでした。ただ、この「瓶詰め」は、ガラスのため割れやすいので、軍隊が持っていくのには不便だったのです。そこで、割れることのないブリキを使った「缶詰」を、1810年に、イギリス人のピーター・デュラントが発明しました。以上は、「世界はつめい物語 7 あんぱんのはつめい いろいろなたべもの」(チャイルド本社)より。この本は、僕の子供が小さい頃、読んでやってた絵本です。

「パンが潰れないようにする発明」

僕は素人で知識が無いのですが、最近のパンを見ると全て、包装袋の中にガスを充満させて膨らませて、運搬過程などでもパンが潰れないようにしていますね。前から、これはすごい発明だなと思っていました。少なくとも僕の子供の頃はこんな風にしていなかったと思います。このように包装袋の中にガスを充満させているのはパンだけではないですが。この方法がもし特許されているのなら、すごい収益だろうと思います。特許があるのかどうか、誰かご存知でしたらお教え下さい。

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2008年5月 1日 (木)

ノラ犬人生

自分の人生を振り返って、ノラ犬人生だったし、これからもそうだろう、と思います。別に悪い意味ではありません。こういうのが、自分の性に合っているのです。

カッコよく言えば、昔から群れるのが嫌いな一匹狼です。でも、一匹狼なんて、そんなにカッコよくないので、ノラ犬で十分です。立派な組織の中枢に居座るのは苦手です。暖かい檻の中よりも、風雨に晒されても、野に放たれて自由にやってるのが性に合っています。

花でも、花壇や鉢などで大切に育てられている立派な花は苦手です。散歩の途中に道端や田圃の畦道で見かけるような、ひっそり人知れず咲いている野の草花の方に惹かれます。

人間でもそうで、勲章には全く興味がなく、逆に、講演会などの講師の略歴に黄綬褒章受賞などと書いてあると、そういうことに拘って略歴に書いてるということは、自分とは感性が違う人なのだろうなと、ちょっと引いてしまいます。

まあ、発明家には、こういう、ノラ犬(というか一匹狼)タイプの人が結構多いのではないでしょうか?僕はそう感じます。僕は、もう半世紀、こうやって生きてきました。こういう風が気持ちいいので、これからも、こうして生きていくつもりです。

話は違いますが、「一匹狼」というのは、狼の世界で本当にいるようです。少し前に見たNHKの「ダーウィンは見た」という番組でやってました。

狼は、普段は家族・親戚などのグループで群れて協力しあって生活していますが、あるとき、その中の若い狼がプラッと一人旅に出ることがあるようです。どういう理由か、自分の嫁さんを探すためか、それとも別の目的か、特に目的はないのか、よく分かりません。ただ、プラッと一人で群れから離れます。そして、一匹で旅をしながら生きていきます。

そのテレビの番組もそうでした。オスの若い狼でしたが、そういう、プラッと出て行くのはオスが多いのでしょうか。でも、一匹だけで生きていくのは大変で、例えば獲物の狩をしているとそこを縄張りにしている他の狼の群れに見つかってボコボコにされて死んでしまったり、食べ物が無くて餓死してしまったりと、かなりの危険を伴います。

そのテレビの番組でも、その若い一匹狼が狩をしているとき、そこを縄張りにしている他の狼の群れに襲われて、やられて、ほうほうのていで逃げてました。でも、そのとき、何を思ったのか、その群れの中にいた一匹の若いメスの狼が、その狼の後を追って付いていくのです。そして、2匹は夫婦になりました。そこで、その一匹狼の旅は終わりました。2匹は子供を生んで、自分の家族を作るのです。一つの家族という「群れ」の誕生です。すごく印象に残った番組でした。

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