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2008年9月21日 (日)

発明活動のレベルアップ

僕が本格的に発明と特許出願に取り組み始めたのは約10年前からなのだが、その頃と今とでは、発明活動のレベルが様変わりという気がする。「発明を取り巻く環境」ではない。「発明を取り巻く環境」が、IT、特許データベース、検索技術、英語環境、国家の知財政策などの社会のレベルアップと一緒に様変わりしたのは当然だ。

そういう「発明を取り巻く環境」だけではなく、「発明活動」そのものも様変わりしたと感じる。
僕自身は特に様変わりしていなくて、今でも10年前と同じように発明して調査して進歩性がありそうなら出願しているのだが、そういうことをしている中で、企業の発明活動そのものが相当レベルアップしたと感じる。

かなり昔からもあったようだが、最近は、中堅以上の企業で、ブレインストーミングを行って、自社の事業とは関係ないものまで色々なアイデアを捻り出して、その中から良さそうなものは調査した上で出願するということを行っている企業がかなりあるらしい。企業に対してこういう活動を提案・コンサルティングして特許明細書作成の仕事の受注に結びつける特許事務所も最近はあるようだ。

昔は、特にメーカーの多くは、特許出願を自社の事業ドメインに限定していたと思う。それが、最近は、自社の事業とは関係ない特許を取ろうとして、そのための発明会議まで開いている。このような、企業が自社の事業と関係ないものまでアイデアを探して出願するというのは、要するに企業が個人発明家と同じことをやり始めたということで、競争が激しくなるはずだし、レベルアップもするはずだ。

しかし、これは企業の活動として妥当だろうか? 企業は、「自社が事業化しようとする商品・サービスの特許」を取るのと、「(自社はやらないが)他社が事業化するであろう商品・サービスの特許」を取るのと、どちらが得なのか?

この問題は、個人発明家についてもそのまま当てはまる問題だ。個人発明家は、「自分が事業化しようとする商品・サービスの特許」を取るのと、「自分は事業化しないが企業(特に大企業)が事業化するであろう商品・サービスの特許」を取るのと、どちらがよいか?これは、僕が以前に「個人発明家のビジネスモデル」で書いたテーマだ。僕は後者(個人発明家のビジネスモデルの2番目)を狙っているが、自分で事業をやりたい人や経営が向いている人は前者の方がよいと思う。

企業も同じだろう。企業の中には、本業よりも不動産などの財テクで儲けたり、知財で儲ける方が得意だという企業もあるので、そういう企業は後者の発明を狙うのもよいと思う。そうなると、完全に個人発明家のビジネスモデルの2番目を企業が採用していることになり、そういう知財で儲けることを狙う企業と、個人発明家と、ライセンス料の収奪を狙われる大企業との3者が、正面から発明競争をすることになる。

もう一つ、考えたことがある。特許の本質とは何か、ということだ。

個人発明家のビジネスモデルの2番目の戦略は、より特許の本質に即した戦略だということができるだろう。

なお、「大企業へのライセンスを目指す発明家」とは、大企業と発明分野が競合している発明家という意味だ。「大企業へのライセンス型発明家」にとっては、自分の発明を世の中で商品化する道として、主として大企業へのライセンスを通じて大企業に商品化してもらうことが効率的だといえるが、資金が貯まれば自分で事業化することも当然に在りえる。その意味でも、「大企業へのライセンス型発明家」は、通常のパテント・トロールとは違うと思う。

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コメント

寝たろう様

メールでの回答ありがとうございました。
お言葉に甘えまして、ブログのほうに
書かせていただきます。

寝たろうさんのおっしゃる通り、自分で発明できないので、発明の前段階でイノベーションにして欲しいことがあり、発明家のどなたかのヒントと、実現になってもらえればこちらもありがたいことであります。

寝たろうさんにメールした文章を掲載させていただきます。

よろしくお願いします。

『就職活動とともに、いろいろ社会モデルを考えているのですが、
長期間ニートや、長期間失業者などが苦労するのは、企業が雇用者を選択する仕組みに
なっているからだと思い、

「誰にでも簡単に出来て、生活最低限の収入を家庭で得られる装置やシステム」が
発明されれば、社会からあぶれて生活難に苦しむ人が減少するのではないかと思っているのですが、

私自身が科学技術の知識が無く、具体的にどこから何を進めていけば、実現に近づくか、
わからないのです。

また、誰に示唆を得ればいいのかも、手探り状態です。

そこで、発明家の方をネットで探して、行き当たりました。

地元の企業やお店にも相談して、具体策に進ませたいと思いますが、なにかアドバイスいただけ
ましたら幸いです。

例えば任天堂のWiiのように室内で運動して画面と連結するようなものもあり、
電力会社が家庭内発電の電力を買うという話も聞きますが、私が知らないような、家庭内
からの仕事の方法で誰にでもできそうなものはありそうでしょうか。

長期失業者や、ニートの数は、数十万人規模はいると思いますので、需要もなきにしもあらず
のように思えますし、実際助かる人もいれば、セーフティーネットになるのではないかと思っております。 』

よろしくお願いします。

投稿: 失業中41歳 | 2008年9月26日 (金) 17時57分

コメントありがとうございます。ただ、発明の内容に関することは、このコメント欄(公開)は不適切です。後で、メールします。

一般的な話としては、具体的なアイデアを思いついたなら、地元の自治体などの起業担当部所に相談するとか、大学の連携窓口などは・・・タダの個人ではなかなか敷居が高いですね。後は、自分で出願して特許を取って、企業に売り込むという「いつもの方法(だがほとんど成功することがない方法)」ですかね。あまり良い答えができなくて済みません。

投稿: 寝たろう | 2008年9月27日 (土) 20時48分

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