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2009年1月 1日 (木)

1~2年後はバブル再来?

昨日(2008/12/31)の大晦日の日経新聞の経済教室に堺屋太一が寄稿していた。堺屋太一は僕の好きな評論家の一人だ。最近は露出が少なくなったけど。1980年代中ごろに出た「知価革命」、僕は20代後半だったけど、衝撃的だった。

その堺屋太一だが、今回の寄稿の内容を読んで、やっぱり歴史的視点からの考察がこの人の持ち味だなと思ったし、すごく納得できた。以下に、僕なりに纏めておきます。

1 2008年後半からの金融危機は、1971年に米ニクソン大統領が金ドル交換を停止して始まったドルのペーパーマネー体制(これをうまく使ったのがレーガン大統領で、ドルを金という物質の裏づけなしに自由に発行し垂れ流しながら、そのままだと「ドルの供給過剰」でドルが暴落するので、米国の景気を良くしてドルを世界中から買わせた。その後も、ジャンク債、新興国、ITバブル、サブプライムローンなどの仕掛けを使ってドルの借り手を増やして、ドルの需要を高めることで、ドルの需給を均衡させ、国際基軸通貨ドルの価値を保っていくという体制)、これが崩壊したということ。

2 これからの米国は、3年後には、自動車産業などの規格大量生産型の製造業は決定的に整理され、「全(まった)き知価社会」に変貌する。

3 これからの中国は、1年後には急回復する(今は、日本や韓国など多くの国でもあった工業化の初期の過程で必ず通る調整の谷間の期間とみるが、歴史的に見てこの期間は1年間くらいの短期間)。

4 これからの日本は、円高と高齢化を「利点」として、発展する可能性がある。一般には、円高と高齢化はマイナス要因とされるが、実は違う。

「円高」は、輸出産業には打撃だが、それ以外の多くの企業には輸入する原材料や部品の値下がり益の恩恵が大きく、これらの値下がり益は企業に多くの利潤を蓄積させる(ちょうど20年前、1986年頃から始まった「円高不況(製造業などの輸出産業に打撃)」が直ぐに「円高バブル(金融と不動産・建設などでバブル)」に変質したのと同じ)。

「高齢化」は、これから団塊の世代が60歳代となり年功序列型の高給取りでなくなるので、企業はこれらの団塊の世代の良質な労働力を安価に(嘱託などで)使うことができるので、企業は利益を得ることになる(団塊の世代は企業からの少ない給料と年金とのダブルで生計を立てることになる)。

そういえば、池田信夫blogでも、これからバブルがまた必ずやって来ると書いてあった。以下は池田信夫blog(2008/12/26)の一部引用を含むまとめ。今回、米国などで金融緩和などの異常な金融政策が始まったが、このような異常な金融政策はそのうちどこかでバブルなどの異常な結果をもたらす。必要以上に大量の通貨を供給し続けていると、必ずどこかにはけ口ができて、物価もしくは資産のインフレが起きてバブルとなる。バブル崩壊後の金融緩和が次のバブルを呼んだという事件は、最近の20年間で日米だけで4回もあった。(1)日本の1980年代のバブルは、1985年のプラザ合意以降の円高不況に対して異常な金融緩和で臨んだことが原因だった。(2)米国の2000年のITバブルは、1997年のアジア通貨危機とその翌年のLTCM破綻の後、FRBが大量の流動性の供給を1年以上継続したことが原因となった。(3)今回の米国の住宅バブルは、ITバブルが崩壊した後にFRBが2005年まで金融緩和を続けたことが原因になった。(4)2000年代に行われた日銀のゼロ金利・量的緩和と財務省の大規模なドル買い介入が円キャリー取引を呼んで米国にバブルを輸出した。

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