« 2009年1月 | トップページ | 2009年3月 »

2009年2月24日 (火)

「かんぽの宿」を巡る4つの立場

Chikirinの日記 の2009/2/22付けの記事「かんぽの宿 5つの論点」を読んだ。
この記事は、かんぽの宿の問題の追及はおかしいという立場からの記事だった。

このブログの記事の中で、僕が注目したのは、この記事の終わりの方にあった次のような言葉だ。
「ちきりんには、オリックスへの売却手続きに一切の瑕疵がなかったという気は全くありません。よく見知ったモノ同士、なれ合いや甘えがあったんじゃないかなと思います。しかし、巨悪と闘うべきその時に、大きな議論をひんまげて、重箱の隅をつつくようないちゃもんをつけることをしていたら、得をするのはいったいだれなのかよく考えるべきではないか、と思います。すべてが無茶苦茶な時に、一歩でも前に進もうとするのではなく、「完璧に問題が解決されるのでないかぎり、一歩たりとも足を前には進めず、ひたすらに文句を言い続けるべきだ」と思っている人は本当にそれが生産的な考え方だと思っているのでしょうか。」

この文章は、かんぽの宿の問題を的確に表していると思う。このブログの著者は、多少の馴れ合いは仕方ないという清濁併せ呑む思考の持ち主なのだろうが、こういう考え方の人は多いと思う。

つまり、上記のブログを見て考えたのだが、このかんぽの宿の問題で日本郵政・オリックスを擁護する立場を取っている人たちには、次の(A)(B)の2種類があると思う。

(A)日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正は無かったのかという事実認定の問題として(証拠はまだないがおそらく)不正は無かっただろうという立場をとる人たち。この立場からは、「郵政民営化そのものが善かどうか」は問題にならない

(B)上記の事実認定の問題としては日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正はあったかもしれないしその疑いはあるとは思うが、もし仮に事実として不正があったとしても、今は郵政民営化という大きな改革の流れを尊重すべきだ(清濁併せ呑むべきだ)、だからかんぽの宿の問題は重箱の隅、枝葉の問題だからスルーしましょという立場をとる人たち(上記のブログはこの立場だろう。自民党の片山さつき議員もテレビで同じようなことを発言していた)。つまり、この(B)は、「郵政民営化そのものは善」という立場を前提としている。

なお、僕の見るところ、上記(A)と(B)の中では、(B)の立場の人の方が多いと思う。

他方、かんぽの宿の問題は徹底的に追及すべきとする立場の人たちは、日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正は無かったのかという事実認定の問題として(明確な証拠はまだないがおそらく)不正があっただろうという見方が前提にあると思う。全く不正がないなら、そもそも問題とする必要はないからだ。

そして、このように事実認定の問題として不透明な関係や不正がおそらくあるのだろう(だから追及すべき)という前提を取る人たちの中には、上記の(A)(B)と同様に、次の(C)(D)の2種類の人たちがいる。

(C)郵政民営化が全体として正しいかどうかに拘わらず、かんぽの宿の件で不正があったのなら、たとえ郵政民営化という大きな問題から見れば枝葉の小さな不正だとしても、徹底的に解明して追及すべきだ、という立場(清濁併せ呑むのは嫌という価値観)の人たち。この立場からは、上記(A)と同様に、「郵政民営化そのものが善かどうか」は問題にならない

(D)かんぽの宿の問題は小さな枝葉ではなく郵政民営化の全体に関係するものであり、かんぽの宿の不正の追求が郵政民営化全体の不正や不透明さをあぶりだすためにも必要だから、かんぽの宿は徹底的に追及すべきという立場の人たち(2/13のTBSの時事放談で、野中元代議士と鳩山大臣が郵政民営化は国民の資産を米国金融資本などに安く売り渡そうとするものでは?という疑問を提示していたが、こういう意見の人たち)。つまり、この(D)は、上記(B)と正反対に、「郵政民営化そのものが善かどうか疑う」という立場を前提としている。

以上のように、かんぽの宿の問題を巡る立場は、大きく分けると、上記の(A)~(D)の4つに分けられるのだろう(まあ当たり前だけど)。

なお、僕の見るところ、かんぽの宿の問題を追及すべきという上記(C)と(D)の中では、圧倒的に(D)の方が多いと思う。だからこそ、かんぽの宿の安値売却は郵政民営化の当初から計画・工作されてきたのでは?とか、竹中さんとそのお仲間がテレビやブログで必死に主張してるけど何か焦っているのでは?とか、小泉さんが急に吼えたててロシアに行った(2/12のこと)のは不自然だが何かあるのでは?などの話が盛んにネットでやり取りされているのだろう。

また、追記だけど、上記の郵政民営化そのものを疑っている(D)の立場の中にも、次の2つの種類がある。

(D1)郵政民営化の議論の当初から、外資に日本の資産を安く売り渡すつもりなのではなどの疑問から反対していた人たち。

(D2)当初は全く疑問は持たなかったけど、今回のかんぽの宿の不透明な処理を見て、かんぽの宿だけじゃなく郵政民営化そのものも胡散臭いんじゃないかと思い始めた人たち。

(D1)と(D2)とでは、(D2)の方が圧倒的に多いだろう。

2/13のTBS「時事放談」をYouTubeで見たとき、野中元代議士は(D1)の立場、鳩山大臣は(D2)の立場で話していると思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月23日 (月)

「かんぽの宿」の報道を見てると、民放テレビ局の免許条件に、報道番組のスポンサー名の公表義務付けが必要と思う

前回の記事の続きです。

最近の「かんぽの宿」の問題についての民放各テレビ局の報道番組やニュースを見ていると、テレビ朝日のサンデー・プロジェクトが典型だが、「かんぽの宿」のような重要な問題を全く取り上げなかったり、取り上げても極めて小さく取り上げるなど、スポンサーその他の圧力のままに、極めて恣意的にやっているとしか思えない報道番組やニュースが多い。ネットでは「マスゴミ」と言われて信用されていない。このような民放テレビ局の報道姿勢は、第4の権力であるマスメディアの自殺に繋がると思う。

民放テレビ局は、国からの放送免許を受けて、国民の共有財産である電波を無料で独占使用している。しかし、その免許は、「公正な報道」を行うことにより「国民の知る権利」に奉仕することを条件としているはずなのに、それが全く守られていない状況だと思う。

国会は、一般国民がテレビ局の報道内容を評価・監視しやすくなるように、民放テレビ局がニュースと報道番組に使う時間を全番組時間の所定割合以上とすること、及び、ニュースと報道番組の番組毎のスポンサー名の一覧表をホームページで公開すること(いちいち番組を見てスポンサー名をチェックするのは大変なので)を、放送免許の条件とするように法律の改正を検討して欲しい。

このようなニュース・報道番組のスポンサー名の公表を義務付けても、政府ではなく一般国民がテレビ局の報道内容を評価・監視しやすくするためのものだから、政府による報道規制(検閲)の問題は生じないと思う。

追記:産経ニュースの2009/2/22付けの記事「政治部デスクの斜め書き かんぽの宿は『虎の尾』だったのか」に、大変興味深い内容が載っていました。今までなら陰謀論に過ぎないとか言われてしまいそうな話を現職の政治部記者(石井聡 氏)が書かれているので、やっぱりそういうことなんだろうな、と参考になりました。以下に一部引用しておきます。

 「・・・(2009/2/12の「笑っちゃうくらいあきれている」という)小泉氏の爆弾発言の直後、郵政民営化の推進派、慎重派双方がおどろく発言が国会外から飛び出した。2月15日の民放番組で、民営化の「負の部分」が正面から議論されたのだ。・・・ 「外資に売り渡されるのでないか」という懸念は、野党はともかく、与党内で公言することはタブーの1つといえる。番組では、主として野中氏が民営化への疑問点として指摘していたのだが、鳩山氏はそれに相づちを打つだけでなく「数限りないごまかしとマネーゲームの中で、国民の財産がハゲタカに奪われる」とまで発言したのだ。・・・ 小泉氏はかんぽの宿の問題には言及せず、郵政民営化とは関係のない、定額給付金の実施に必要な法案の衆院再議決に異論を唱えた。いわば「危険球」で麻生首相を攻撃した点にも、不自然さを感じる向きは少なくない(石井聡)」

・・・政治記者が陰謀論を取り上げるのは昔からなのかどうか良く分からないが、小泉さんの時代から、マスコミ操作による世論の誘導とか、検察による国策捜査が目立つようになったのは確かだと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月22日 (日)

かんぽの宿問題のマスコミ報道の偏り

新聞やテレビなどマスメディアのこの問題についての立場・報道姿勢は各社で極めて大きく異なっている。ここまで各社の立場・報道姿勢が違うのは過去になかったほど珍しいと思うが、それは、この問題の特殊性からなのだろう、と思う(なお、ここでの報道姿勢とは、この問題を報道するかしないか、報道するとしても極めて小さく取り扱うだけにするかどうか、という意味だ)。

つまり、この問題については、詳しい背景はまだ分からないが、政治家、スポンサー、広告代理店などを通じてテレビ局の幹部などに相当大きな圧力が加えられているのだろう。

この「かんぽの宿」の問題が大きく騒がれるとすごく困る人たちがいるのだろう。だから、(広告代理店がB層と呼んでる人たちがこの「かんぽの宿」の問題の意味を分からないままでいるように)なるべくテレビなどのマスコミで報道しないように、報道しても極めて小さく扱うように、圧力をかけているのだろう。

一般人が書き込む2chの掲示板には圧力は使えないが、その代わり、この問題(だけに限らないが)を扱うスレには何処かの工作員(書き込みバイト)が大量に書き込みをして議論を日本郵政やオリックスを擁護する方向に誘導しようとしているらしい(あまり成功してないようだが)。また、やたらに他のスレを立てたり、他のスレへの書き込みを増やすなどして、かんぽの宿の問題を扱うスレを下の方に追いやって目立たせなくするという工作もやっているらしい。

ブログでも、竹中元大臣と親しい学者や経済人の3~4人(例えば「ポリシーウォッチ」参照)が執拗に日本郵政寄りの強引な主張を繰り広げて、少しでも世論を自分たちに良いように誘導しようとしているように見える(かえって不自然さや焦りが透けて見えて、あまり成功してないと思うが)。

朝日新聞については昔から疑惑追及に熱心という印象があったが、こと、このかんぽの宿についてだけは、とても熱心とは思えない。テレビ朝日はもっとひどい。

「いつだってXTC」というサイトに各テレビ局の2/16のかんぽの宿の報道の状況がまとめられてるが、それによると、例えば、

テレビ朝日のサンデー・プロジェクト 「かんぽの宿」一切ふれず。ということらしい。僕は新聞のテレビ欄くらいしか見ないが本日までも同じような状況と思う。

テレビ朝日のサンデー・プロジェクトのスポンサーがオ●ックス生命であることがその理由だろう、ということだ。

もしサンデー・プロジェクトで「かんぽの宿」の問題を取り上げようとすれば、オ●ックス寄りの立場で取り上げざるを得ないが、もしそうした場合、その直後にオ●ックス生命のCMが流れたら視聴者がシラけて逆効果になってしまうので、スポンサーに申し訳ないから、いっそのこと頬かむりしてスルーしようということだろうか。

「かんぽの宿」の問題について、各社により立場(主張)が違うのは、それ自体は悪いことではない。また、或る新聞社やテレビ局が不可解な立場を取ったとしても(今の日経新聞など)、読者や視聴者は、その新聞社やテレビ局の記事や番組がそのような不可解な立場を取った背後にはどのような政治的背景や広告スポンサーの圧力があるのかを考えたり議論したりする材料にすることもできるから、それなりの意味はあると思う(テレビを使って、マーケティングでいう操縦しやすいB層を誘導しようとしても、今は昔ほどうまく行かないと思う)。

しかし、「報道しないで頬かむりする」のは(報道したとしても極めて小さく扱うだけというのも)、極めてまずい。国民の知る権利が害されてしまう。北朝鮮と同じになってしまう。

もちろん問題と思えるのはテレビ朝日だけではなく、他のテレビ局にもある(週刊誌や新聞も)。

もともとテレビ朝日など民放には、公共の電波の使用免許を総務大臣からもらう条件として公正な報道が義務付けられている。スポンサーの立場に配慮して重要な問題(国会で連日取り上げられている「かんぽの宿」の問題が重要な問題であることは争いがない)を報道しないのは免許条件(国民の知る権利に奉仕すること)に違反していると思う。国会や総務大臣は、このような民放の報道番組のあり方も問題にして欲しい。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年2月21日 (土)

特許法の改正-第三者開放で特許料を半分に?

2009/2/20付け日経ネットの記事からの引用

「特許料、第三者開放なら半減 法改正を政府検討

政府は、第三者への開放を条件に企業が登録した場合の特許料を従来の半額にする方向で検討する。特許の開放をあらかじめ明らかにして中小・ベンチャー企業や研究者などが使いやすい仕組みにするのが狙い。特許が未使用のまま放置される事態を改善する効果も期待できる。3月末にもまとめる2009年度から3年間の「第三期知的財産戦略の基本方針」に盛り込み、10年の通常国会に特許法改正案の提出を目指す。」

これを最初に見たとき、はあ?と思った。なぜなら、「第三者に開放」して特許料(年金)が半分減るだけなら、特許権を「放棄」するか、特許料(年金)を支払わないで特許権を「消滅」させる方がずっとましだから。

その後、ちょっと考えて、これは記事が不正確なのであり、「第三者に開放」というのは、「差止め請求の部分は放棄して損害賠償の部分(ライセンス料の請求の部分)だけを残す(またライセンス料が高額だと実質的に差止めと同じになるからライセンス料も低額に抑える)こと」、という意味なのだろう、と推測した。

著作権におけるクリエイティブ・コモンズ(CC。下記参照)と同じような考え方で、特許権が有るか無いかの2つだけでなく、中間的な第3の権利内容を作る、というものだろう(予想)。

しかし、余り魅力は感じない。なぜなら、今の特許料は9年目まではせいぜい年間3万円以下(平均)、10年目を超えても年間10万円以下(平均)に過ぎず、それが半分になっても、大きな影響はないから。

それよりも、初めから「差止請求なし(損害賠償だけ)の特許権」を目指して出願するという制度を作ったら? そのような権利でよいと考える出願人に対しては、出願審査請求などの印紙代を半額にする(既に減免を受けて半額になっている企業にはさらにその半額とする)、進歩性などの特許要件を緩めるなどのメリットを与えることを検討したらどうだろうか?

クリエイティブ・コモンズ(cc)とは(リンク先は音声が出るので注意)から一部抜粋

著作権者の権利を守りつつ著作物の流通を促進するための仕組み。著作権者は、自分の著作物を所定の条件を満たすなら他人に利用してもらってもよいと考えるとき、①帰属(著作者名の表示を条件に利用を許諾)、②非営利(商用利用しないことを条件に利用を許諾)、③派生禁止(作品を改変しないことを条件に利用を許諾)、④同一条件許諾(元の作品と同じ条件で改変作品を他人に利用させることを条件に利用を許諾)、の4条件の中から選択して、Web上の操作で作品に所定のマークをつけられる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月17日 (火)

「かんぽの宿」と事業譲渡と入札

前回の記事の続き。

社民党の保坂議員の2009/2/16付けブログ「保坂展人のどこどこ日記」より引用した日本郵政の文書の一部

(1)事業の譲渡における入札手続について

 日本郵政株式会社は、会計法の適用対象ではないことから、譲渡先選定に当たっては、会計法の下で官公庁等が行ういわゆる「一般競争入札」ではなく、いわゆる事業の譲渡(企業買収・売却)において用いられる入札手続を採用いたしました

 なお、入札という言葉は、事業の譲渡においても用いられますが(注)、「一般競争入札」のように「入札箱」や「入れ札」は存在せず、企画提案書が「入れ札」に相当いたします。また、事業の譲渡においては、事業に伴う不動産のみならず、有形無形の資産、あるいは雇用など総合的に加味して事業価値や買収の条件を決定しなければならないことから、一旦入札した後も、譲渡価格や譲渡に際しての諸条件について売主、買主双方が交渉を重ねたうえで、最終契約に歩み寄って行くことが一般的であります

 この意味で、応札者による入札・開札を経て落札価格が瞬時に決定される「一般競争入札」の手続きと、入札後から最終契約に至るまで、譲渡価格やその他の諸条件に変更の余地を残す事業の譲渡の手続きには、考え方、プロセスに違いはあっても、それぞれの手続きが対象とするものに適応した、公正な手続きであることをご理解いただきたいと考えます。

注:日興コーディアル証券株式会社の事業の譲渡を巡る昨今の報道においても「入札」という表現が用いられている。

この、日本郵政の「事業譲渡における入札手続だった」という主張について、僕の感想を書いておきたい。

日興コーディアル証券 事業 譲渡 入札をグーグルで検索してみると、確かに、「事業の譲渡先・売却先を決める入札」という表現をした報道はある。しかし、当初から日本郵政は「入札」ではなく「競争入札」と主張していた。ここはポイントになるかも知れない。

「事業譲渡」に関して「入札」という言葉を使用している報道はあるとしても、「競争入札」という言葉を使用している例はおそらくない。

一般的な用語としては、「競争入札」には「一般競争入札」と「指名競争入札」しかないと、辞書などを見ると思う。

なお、参考までに、日本郵政の過去の文書をみておきたい。

再び、社民党の保坂議員の2009/2/3付けブログ「保坂展人のどこどこ日記」より引用

「そして日本郵政が文書で回答してきたのは次のような文面だった。

[今回の「入札」の形態について]

本件は単なる不動産の売却ではなく、従業員も含む事業全体を譲渡するものであり、雇用の確保や事業の発展・継続性についての提案も評価する必要があるため、譲渡価格のみを入札して候補先を決定する、単純な「競争入札」は馴染まない判断し、今回の手続を選択したものです。

具体的な手続としては、平成20年4月1日から平成20年4月15日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った後、各応募者から提出された、従事する社員の取扱い、取得後の事業戦略、ホテルの運営実績(投資実績)、応募先の信用力、取得価格等の企画提案内容を総合的に審査した上で、最終的に最も有利な条件を提示した応募先と契約を締結しており、手続の内容としては「競争入札」の範疇に入るものと認識しております。」

この文書で日本郵政が「手続の内容としては「競争入札」の範疇に入るものと認識しております」としているのは、言葉の定義の問題であまりとやかく言っても仕方ないかもしれない。

確かに、この文書でも「本件は単なる不動産の売却ではなく、従業員も含む事業全体を譲渡するものであり・・・」と書いてあるから、事業譲渡だったというのは当初からの主張のようだ。

ただ、この「当初からの主張」というのは問題が顕在化した今年になってからのものだ。

そうではなく、平成20年4月の当初からの事実はどうだったのか、上記の文書の中に「具体的な手続としては、平成20年4月1日から平成20年4月15日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った」とあるが、そのホームページの内容と27社に配布したとされる募集要項を分析してみたい。一般にも公開してほしいと思う。現在の日本郵政のホームページを見ても、このような「公告」をしたときのページはないと思われるので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「かんぽの宿」の議論の整理

「かんぽの宿」の問題は、郵政民営化そのものに賛成か反対かと、かんぽの宿の売却問題としてオリックス不動産への売却は妥当と考えるかどうかという2つの議論がからんで錯綜している。

両者は別の問題として別々に議論すべきだという人もいるが、いや、両者は密接不可分で分けて論じられないという人もいる。

郵政民営化に反対の人の中には、かんぽの宿の問題は郵政民営化の本質(国民の資産を米国資本に差し出すこと=新しい改革利権)を示すものだという人もいる。逆に、郵政民営化に賛成の人の中には、かんぽの宿の問題は郵政民営化に反対の抵抗勢力が既存の利権を取り返そうとしているだけだという人もいる。

しかし、今までの方々での議論を見てて、次の3つについては、大体のコンセンサスが得られつつあるのではないかと思う(まだそこまで行ってない?)。

1 「民間の取引に大臣が口を挟むのはおかしい」というが、国民の財産が不透明な取引で安く売却されようとしてても口を出してはいけないのか?

2 「収益還元法によれば売却価格(109億円)は取得価格(2400億円)とは関係ないから、オリックス不動産の109億円が入札で一番高かった以上それが適正な価格なんだ」というが、競争入札ではなく談合だったとしても、一番高いならそれで文句言うなということか? それなら、自治体の談合でも一番高い人に行けばそれが適正だということになるが。

3 「今のまま毎年40億円も赤字を垂れ流すならさっさと売った方がいい」というが、最近は赤字が少なくなってるし、赤字といってもその中身が減価償却費によるものでキャッシュが回っているのなら、キャッシュの外部調達の必要はないのだから全く問題ないのでは?(追記:まだ財務諸表は公開されていないので赤字の中身は予想に止まる。ただ、サンデー毎日2/22号は次のような発言を引用している「会計基準の見直しで減価償却期間を60年から25年にしたため、帳簿上、年度ごとの赤字額が増大しましたが、・・・」。また、60年償却を25年償却に変更したことが、見かけ上の収支悪化をもたらし、このことが固定資産税評価科学の7分の1という低価格査定につながったと指摘されている。)

また、この問題に関しては、個別の問題に対して抽象的な理論「だけ」で答えようとする傾向が見られる。例えば、「政治家は機会費用の概念もしらない経済オンチだから、民間の取引に口を出すべきでない」という竹中元大臣の意見などは個別の問題に対して「そもそも政治家は・・・」という抽象論だけから演繹法(3段論法)で結論を出そうとするもので、荒っぽすぎる強弁・詭弁の類の議論だと思う。

他方、この問題に関しては、幾つかの個別の事実「だけ」から抽象論に飛躍する立論も多い。売却の相手がオリックスという外資系企業だとか竹中元大臣が米国の・・・とよく意見交換していたなどの事実だけから、かんぽの宿の売却は米国資本に国民の財産を差し出そうとする企みの一環だというのは帰納法だとしても穴がありすぎる。こういうのは陰謀論、謀略史観と言われてしまう。

ところで、昨日(2009/2/16)に出された日本郵政の文書によると、今回のかんぽの宿の売却手続は、当初から、「一般競争入札ではなく、事業譲渡(企業買収・売却)において用いられる入札手続だった」とされている。

以下、社民党の保坂議員の2009/2/16付けブログ「保坂展人のどこどこ日記」より引用した日本郵政の文書の一部

(1)事業の譲渡における入札手続について

 日本郵政株式会社は、会計法の適用対象ではないことから、譲渡先選定に当たっては、会計法の下で官公庁等が行ういわゆる「一般競争入札」ではなく、いわゆる事業の譲渡(企業買収・売却)において用いられる入札手続を採用いたしました

 なお、入札という言葉は、事業の譲渡においても用いられますが(注)、「一般競争入札」のように「入札箱」や「入れ札」は存在せず、企画提案書が「入れ札」に相当いたします。また、事業の譲渡においては、事業に伴う不動産のみならず、有形無形の資産、あるいは雇用など総合的に加味して事業価値や買収の条件を決定しなければならないことから、一旦入札した後も、譲渡価格や譲渡に際しての諸条件について売主、買主双方が交渉を重ねたうえで、最終契約に歩み寄って行くことが一般的であります

 この意味で、応札者による入札・開札を経て落札価格が瞬時に決定される「一般競争入札」の手続きと、入札後から最終契約に至るまで、譲渡価格やその他の諸条件に変更の余地を残す事業の譲渡の手続きには、考え方、プロセスに違いはあっても、それぞれの手続きが対象とするものに適応した、公正な手続きであることをご理解いただきたいと考えます。

注:日興コーディアル証券株式会社の事業の譲渡を巡る昨今の報道においても「入札」という表現が用いられている。

今まで、「民間の取引に大臣が口を挟むのはおかしい」とか「入札で最高額だった109億円が適正価格だ」という新聞やアルファブロガーの人たちの主張は、「競争入札が行われた」ことを前提としたものだ。

今回の日本郵政の文書により、この「前提」が大きく崩れてしまった。

今まで、「競争入札が行われた」ことを前提に自らの意見を社会に対して主張した新聞やアルファブロガーの人たちは、この「事業譲渡において用いられる入札だった」という新しい前提に立ったときどう考えるのか、もう一度改めて主張する責任があると思う。

この「事業譲渡において用いられる入札だった」という新しい前提に立ったとしても、前と同じ結論だという人もいるだろうし、この新しい前提に立ったら結論は違ってくるという人もいると思う。その人たちの主張を改めて聞いてみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月14日 (土)

特許侵害訴訟の費用(予想)

前回の記事で少し触れたが、個人や中小企業が特許侵害訴訟を起こす場合、一体どのくらいの費用(値段)が必要になるのか、僕が現状で知っている範囲で予想してみたい。

ちなみに、米国では、ディスカバリー(訴訟前の開示制度)、陪審制、3倍賠償などの特殊要因から弁護士費用は日本円で数億円が通常らしい。ただし、米国では弁護士の数も多いので、着手金なしで成功報酬のみで請け負う弁護士もいる。敗訴のリスクを依頼人でなく自分の方が負ってくれるという弁護士だ。個人や中小企業はこのような成功報酬弁護士に依頼することにより低リスクで特許侵害訴訟なども提訴できる。日本にはこのような成功報酬弁護士はまだ出てきていない(制度上は可能だろうが、日本では認められる賠償額が少ない傾向があるので勝訴しても成功報酬が少なすぎて合わないのだろうか)。

以下は日本での話。

裁判所への印紙代も高いが、損害賠償請求については「一部請求」を使えば当初は低く抑えることもできる。差止め請求をする場合は、大企業が相手だと印紙代は高額になるらしい。

今のところ、印紙代については詳しくないので、以下では弁護士への支払い(実費を含む)を中心に述べる。

個人や中小企業が大企業を相手に特許侵害訴訟を起こそうと希望して弁護士に依頼する場合、現状の知財弁護士の相場はだいたい着手金400万円以上となっているらしい(弁護士が弁理士を補助に付けたいと言うときは、これに弁理士への費用もプラスされる)。

そして訴訟が始まると、月1回ペースの弁論準備手続などへの出席(日当)や出張その他費用を請求されるので、やはり月に数万円から10数万円は必要になると思う(予想)。

その調子で1年くらいして第1審の判決が出たとして、こちらが勝てば相手は控訴するし、こちらが負ければこちらが控訴する。このとき弁護士をそのまま代えなければ数十万円くらいだろう(予想)が、弁護士を代えれば新しい弁護士への数百万円の費用がかかるだろう。

そして、第2審(控訴審)が始まって、また、月1回ペースで数万円から十数万円の費用がかかる。

以上で控訴審の判決が出るか途中で和解すれば通常はそれで結着だが、以上だけでも、700万円~1千万円になっている(なお、控訴審の判決までこぎつけても、それから最高裁、再審請求などに展開すれば、結着しないでまだまだ続く)。

また、現状の制度は「ダブルトラック」(特許権の有効性の問題を、裁判所と特許庁とが、それぞれ一応独立に、しかし互いに関連し合いながら判断していくというやり方)を採用しているので、これも考える必要がある。

まず、特許侵害訴訟を提起すると、被告は、ほとんどのケースで、裁判所で応訴するだけでなく、特許庁に特許無効審判請求をする。そこで、この無効審判請求への応答費用も必要になる。同じ弁護士に任せても最低100万円以上はかかるだろう(弁護士から弁理士を付けてくれといわれるとその費用も必要になる)。

次に、上記の無効審判請求で、原告側(特許権者)側が勝った(無効不成立の審決が出た)ときは、相手の大企業はほぼ必ず審決取消訴訟を知財高裁に提起するので、その対応を弁護士に依頼しなくてはならず、このときも100万円以上が飛んで行く(弁護士から弁理士を付けてくれといわれるとその費用も必要になる。以下同じ)。

他方、上記の無効審判請求で、原告(特許権者)側が負けた(無効審決が出た)ときは、原告(特許権者)側は上記の審決取消訴訟をすることになるだろうから、このときも、それを弁護士に依頼しなくてはならず100万円以上が飛んで行く。

また、原告側(特許権者)側は、この無効審決に対する審決取消訴訟と同時に、無効審決で指摘された無効理由を取り除くための訂正審判請求を特許庁に対して行うことが多いが、これをやると、またそれを弁護士に依頼しなくてはならず100万円以上が飛んで行く。

また、この訂正審判請求の審決が出たとき、その審決の内容がどのようなものであれ、それに不服がある側は知財高裁へ審決取消訴訟を提起するだろうから、またまたそれを弁護士に依頼しなくてはならず100万円以上が飛んで行く。

このように裁判所(第1審と第2審)の手続の費用だけでも700万円~1千万円は超える。他方、特許庁の手続である無効審判請求と訂正審判請求、及びそれらの審決に対する審決取消訴訟(知財高裁)の手続の費用は、戦線がどこまで拡大するかによるが大体300万円~1千万円は掛かるだろう。これらをトータルすると、1千万円~2千万円くらいはかかると思う。

「トータルで1千万円~2千万円」と幅が広いのは、どこまで戦線が広がるかによりかなり違ってくる。大企業は資金があるから戦線をどんどん拡大していくだろう。こちらも途中で降りない限りは、つきあって費用をつぎ込むしかない。

なお、戦線が拡大しない場合、つまり、第1審の判決で控訴はなし、特許庁の無効審判請求も審決だけで審決取消訴訟はなし、という単純な場合は700万円くらい(成功報酬は含まない)で終わることもありえる。

以上は、成功報酬を除いた金額だ。成功報酬は、本訴訟についての成功報酬とは別に、無効審判請求、訂正審判請求、及びそれらの審決取消訴訟についての成功報酬もありえると思う(成功報酬は前者のみで後者は無しというのもあるかもしれない)。

これだけの費用を掛けても、勝てればよいが、現状では原告の敗訴率は8割となっており、負ける可能性の方が極めて高い(一般の民事訴訟における原告の敗訴率は4割なので、特許侵害訴訟における原告の敗訴率が8割というのは極めて高い)。しかも、単に負けるだけでなく、それまで持っていた特許も無効になるという「おまけ」付きだ(原告が敗訴したとき敗訴しただけでなくその特許が無効にされてしまう率は平均で約6割)。

また、運良く2割に入って勝ったとしても、判決で認められた賠償額が「はした金」の場合、ほとんど残らないかトータルでマイナスになる可能性も十分にある。例えば、賠償額が500万円というはした金の場合で、弁護士の成功報酬を「400万円(ただし賠償額を上限とする)か賠償額の10%かのいずれか高い方」と取り決めていた場合は、賠償額500万円の中から400万円を差し引いた残りの100万円だけが原告の取り分になる。なお、このような場合、被告からの賠償額は、原告ではなく弁護士名義の銀行口座に振り込まれるようになっている(というか弁護士がそのようにしている)ので、弁護士は自分の成功報酬をまず取ってから、残りを依頼人の原告に振り込むというのが通常の慣行らしい。

以上は、弁護士に支払う費用についてだけだ。それ以外に、裁判所への印紙代がある(特許庁への印紙代はトータルでもせいぜい数十万円なので無視してよい)。

それと、「逸失利益(収入の減少)」や自分の交通費などの実費も考える必要がある。裁判所で弁論準備手続や口頭弁論があるとき、弁護士に任せて自分は行かないという人もいるだろうが、通常は行くだろう。そうすると、そのための交通費も必要になる(地方の個人や企業は、管轄が東京地裁か大阪地裁しかないので、交通費はバカにならない)。また、その時間、自分の仕事ができない。また、弁護士との打ち合わせの時間や、弁護士から指示された資料の収集や整理などの時間も、自分の仕事ができない。このような自分の仕事ができないことによる収入の減少という「費用(逸失利益)」も存在する。裁判は戦いだから精神的ストレスもあるだろう。

このような交通費などの実費、奪われる時間=収入の減少(逸失利益)、精神的ストレス、印紙代まで考えると、1件の特許侵害訴訟を提起して敗訴したときのトータルの損失は、少なくとも2千万円以上、と考えておく必要がある(敗訴の場合だから、成功報酬は入れていない)。また、仮に運良く2割に入って勝訴したとしても、認められる賠償額が2千万円以下なら差し引きでマイナスとなるということだ。

特許侵害訴訟の原告のうち、8割は敗訴して前述のような実質2千万円以上の損失を被る。しかも敗訴した場合の6割以上のケースで敗訴だけでなく手持ちの特許も無効にされてしまう。

現状の日本で特許侵害訴訟を提起するということは、こんなにもリスクが大きく”割が合わない”ものなのだ。

上記の費用は弁護士に依頼した場合を前提にしている。弁護士に依頼しない本人訴訟でやる場合は、逸失利益(収入の減少)と印紙代を除くとコピー代、郵便代、交通費などの実費だけの数十万円程度だろう。

ただ、本人訴訟の場合、被告の大企業は大手法律事務所に依頼するから答弁書や被告準備書面には数人から10人くらいの一流弁護士の名前がズラーと列記されるので、かなりのプレッシャーを与えられる。まあ、そういう状況で勝つことがロマンだともいえますけど。

以上で終わりますが、上記の特に弁護士に支払う費用の金額は僕の予想なので、かなり適当です。何か訂正や情報などありましたら、お寄せ下さい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

特許法改正とパテントトロール対策

特許庁が特許制度研究会を立ち上げた記事をみると、パテントトロール対策を最大の目玉としているようだ。でも、米国と違って、日本ではまだパテントトロールが大企業から大金を収奪したという事例は全くないのに、心配性というか準備が早いというか・・・よっぽど予算が余っているのかな(特許庁は独立会計なので)。

このパテントトロールだが、特許庁は、個人や中小企業から発明・特許を安く買い漁ってそれらをネタに大企業を恫喝して大金を獲得するという場合を問題としているようだ。

しかし、日本では、逆の側面の方が問題が大きいと思う。つまり、個人や中小企業の特許を大企業が侵害しているので個人や中小企業が大企業と交渉したいと希望しても大企業は相手にしてくれない、弁護士に頼む費用もない、泣き寝入りしかないという場合が日本では多い。このような場合は、泣き寝入りするしかない個人や中小企業にとって、パテントトロールは白馬の騎士となりえるのでは? 

パテントトロールの出現を阻止しようとする対策は、海賊品対策と同様に、大企業のニーズに応えるものだ。

「海賊品(デッドコピー)対策」(日本と海外での)は、特許庁・発明協会・ジェトロなどが協調して立ち上げているが、これは事実上、大企業・有名企業のニーズに応えるものだ。

なぜなら、「海賊品(デッドコピー)」は大企業・有名企業のブランドやヒット商品の外観にただ乗りするものであり、被害者は大企業・有名企業しかないからだ。ブランドのない中小企業の商品の外観にただ乗りしても経済的意味はない(まあ中には、しょぼいヒット?商品のデッドコピーで中小企業同士が不正競争法違反などで争っていることもあるが)。

確かに、グローバル市場では国内の大企業といえど苦戦しているので、特許庁などが側面支援することは悪いことではない。しかし、それだけでは片手落ちではないだろうか?

個人や中小企業が自分の特許を大企業に侵害されてるのに泣き寝入りしている例は多いし、運良く大企業と契約できた場合でも交渉の駆け引きに踊らされて不利な契約内容を締結させられる例は少なくない。これは弱肉強食の世界なら仕方ないといえばそれまでだが、しかし、「個人や中小企業が特許を大企業に侵害されたまま泣き寝入り」というのは「法の支配」(正義)が実現されていないということだ。

特許侵害訴訟で弁護士に依頼しようとしても、現状の知財弁護士は着手金400以上を要求するのが相場だし、訴訟が開始された後も日当などで毎月数万円以上かかる、大企業が相手だと控訴審まで行くことが多いのでそのときにまた弁護士を代えるかどうかにもよるがかなりの費用がかかる。成功報酬は除いて考えても(成功報酬は勝ったときにその賠償金から払えばよいとして)、印紙代も含めれば1千万円は超えるだろう(裁判所に関係する費用だけで、特許庁に関係する費用は含めないで計算)。しかも、今の特許侵害訴訟は原告の敗訴率8割(しかも敗訴したとき特許も無効になってしまう率は全敗訴件数の中の約6割)で、個人や中小企業には負担もリスクも大きすぎる。

特許庁は、豊富な財政で海賊品対策やパテントトロール対策を行って大企業のニーズに税金を使って応えようとするのなら、同じように中小企業や個人のニーズにも応えてほしい。

特に、中小企業や個人の特許を大企業が侵害しており交渉にも応じてくれないとき、中小企業や個人の支援をしてくれるような組織を用意することは社会的に有意義だと思う。費用の点で弁護士に依頼できないときの弁護士の代わりになり得るような組織だ。

消費者と企業との間でのトラブルで消費者を支援する国民生活センターがあるが、ああいうのと似たもので、中小企業や個人を支援して大企業との交渉などを手助けしてくれるというものだ。是非検討して欲しい。まあ、今度、パブリックコメントがあれば、意見を出してみよう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年2月12日 (木)

「かんぽの宿」疑惑の法令違反と株主代表訴訟の可能性

山崎元さんのブログで、中立的・客観的な立場からこの問題が論じられていた。コメントが今のところ21件ついている。僕も書いておいたが、コメントの全体を見ると、入札が怪しいし疑惑があるという人と、民間企業の問題だから国会などでの追及は郵政民営化にマイナスだという人とが、半々という感じだ。テレビなどのマスコミも、こういうふうに国民の間で意見が半々に分かれていてはどちらのスタンスでやったらいいか分からないという感じではないだろうか。それが、ワイドショーなどで取り上げない原因の一つかもしれない。

結局、入札(随意契約)の過程での疑惑や不正を示すモノが出るかどうかによって、世論が動くのだと思う。今はまだ、はっきりと、どちらとは言いきれない段階だ。世論が疑念の方に傾けば、ネタは多いので、ワイドショーなどでやりはじめるだろう。山崎元さんは、鳩山議員は総務相の前が法務相だったから何か報道されていない情報を掴んでいるのかも、と書いていた。

以下では、頭の体操の面はあるが、入札過程の「疑念」の中身として、具体的にどういう「法令違反」があるかを考えてみたい。今のところ、次の2つが考えられる。

1 最低6億円の成功報酬契約に関する取締役の利益相反などの可能性

yahooニュースによると、日本郵政とアドバイザーのメリルリンチ日本証券との業務委託契約では、毎月1千万円(年1億2千万円)の手数料と別に、「売却価格の1.4%か、この額が6億円を下回る場合は最低6億円」を成功報酬として支払うという取り決めがあったらしい。

この成功報酬の取り決めを分析すると、「売却価格の1.4%」が原則で、「この額が6億円を下回る場合は最低6億円」の部分は例外ということになると思う(なぜなら、もともと成功報酬というのはそういうもので、出来高制が原則で、成功報酬の最低保証というのは、「最低これくらいもらわないとペイしないのでやってられない」という最低限の額のはずだから)。

そして、「売却価格の1.4%」が「最低保証の6億円」を超えるためには、今回のかんぽの宿の売却価格は、429億円以上でなくてはならなかった(売却価格が429億円に達して初めて、その1.4%の6億円が成功報酬となるから。429億円×1.4%=6億円)。

とすれば、この成功報酬の取り決めをしたときは、日本郵政とメリルリンチ日本証券との間で、「今回の売却価格は429億円を超える現実的可能性が高い」という共通認識があったはずだ。

なぜなら、もし、「今回の売却価格はどうせ429億円以下だろう」ということなら、メリルリンチ日本証券としては、売却価格が429億円だろうが300億だろうが100億だろうが10億だろうが、同じ最低6億円の成功報酬を受け取れるので、全くやる気・モチベーションが湧かないことになるが、そのような全くやる気・モチベーションを出させないような成功報酬の取り決めは、全く不合理で意味がないからだ。

つまり、成功報酬というのは、アドバイザーにモチベーション・やる気を高めてもらうためのものだ。日本郵政とメリルリンチ日本証券は、「いろいろアドバイザーとしての仕事は大変だろう、最低保証の6億円の成功報酬ではトントンか釣り合わないだろうね、でも、頑張れば、今回のアドバイザーの仕事は6億円を優に超える成功報酬を得られる可能性がある(=今回の売却価格は429億円を優に超える可能性がある)、だから、やる気を出して頑張ってね」という前提に立って、そのような成功報酬の契約をしたと見るのが常識的・合理的だ。

以上のように、本件のような成功報酬の取り決めをしたということは、その取り決めをした時点では、日本郵政とメリルリンチ日本証券とは、「今回の売却価格は429億円を超える現実的可能性が高い」という共通認識を持っていたはずだ。その429億円が妥当だとした根拠は何だったのか。そして、それなのに、何故、最近になって、日本郵政は「429億円ではなく109億円で妥当」と言い出したのか。また、メリルリンチ日本証券はこれについてどう思っているのか。それを知りたい。そこらへんには、第三者のための意図的な安売りなど、何らかの法令違反の事実が転がっている可能性がある。

また、他方、本件のような成功報酬の取り決めをした時点で、日本郵政とメリルリンチ日本証券が「今回の売却価格は429億円を超える現実的可能性が高い」という共通認識を持っていなかった、つまり当初から「売却価格はどうせ109億円程度くらいだろう(429億円なんてとんでもない)」という共通認識を持っていた、という場合はどうか?

この場合は、そういう「売却価格はどうせ109億円程度くらいだろう(429億円なんてとんでもない)」という共通認識を持っていながら、なぜ、成功報酬を「売却価格の1.4%」とする取り決めをしたのか、が問題となる。つまり、「売却価格はどうせ109億円程度くらいだろう(429億円なんてとんでもない)」という前提の下で「最低6億円の成功報酬」を保証するのなら、「売却価格の1.4%」という規定は、全く無意味だ。

なぜなら、「売却価格の1.4%」の成功報酬が6億円を超えるのは、売却価格が429億円超にならないと不可能だから。つまり、売却価格が429億円超になる現実的可能性がないならば、「売却価格の1.4%」を成功報酬とする規定は全く無意味だ。それなのに、なぜ、このような不可能で無意味な「売却価格の1.4%」という規定を、「売却価格はどうせ109億円程度くらいだろう(429億円なんてとんでもない)」と思いながら、あえて契約の中に入れたのか、が問題となる。

つまり、この場合、「売却価格はどうせ109億円程度くらいだろう(429億円なんてとんでもない)」と認識しながら、その109億円程度から見ると不合理に高い「最低6億円の成功報酬」をメリルリンチ日本証券と契約したのは、「売却のアドバイス」だけでなく「オリックスに売却するためにうまくやってくれ」などの付加的なサービスをしてもらいたいと思っていたとか、それはなくても、日本郵政にとって損害が生じる成功報酬の契約をメリルリンチ日本証券の利益のためにしたという、取締役の利益相反や背任(法令違反)に該当する事実がある、ということになると思う。

追記:昨日付けの毎日新聞の記事によると、「日本郵政はオリックス不動産への一括譲渡を白紙に戻す方針で、正式に撤回されればメリルには手数料以外は支払われない」らしい。しかし、外資系のメリルリンチが本当にそんな腑抜けた契約をしたのだろうか? よく分からない。

2 入札の手続規定に対する違反の可能性

入札過程の「法令違反」としては、利益相反などの可能性とは別に、もう一つ、入札の手続規定に従っていなかったのでは、という可能性がある。

社民党の保坂議員のブログで見たが(何日の記事か忘れた)、日本郵政における入札又は随時契約の進め方は、総務省に届け出た規定によることが義務付けられているらしい。今回の入札の進め方はどうみても不可解な部分があるので、厳密に見ていけば、この手続規定に違反している部分は何箇所かあると思う。

以上のような法令違反がもし見つかれば、取締役に会社の損害(メリルリンチ日本証券への6億円の成功報酬もその一つだ)を賠償させる株主代表訴訟も可能になると思う。この場合、政府が株主だから、民主党、社民党、国民新党などは、日本郵政の取締役に対する株主代表訴訟を選挙公約に掲げることもできるのではないだろうか。

追記(2009/2/20):

ダイヤモンドオンラインの弁護士・永沢徹さんによる2009/2/20付けの記事「「1円でも高く売る」の信念なし アドバイザーのカモにされた「かんぽの宿」」に、上記の僕が今回の成功報酬について分析した内容とほぼ同じことが書かれていた。参考までに一部引用しておきます。

いくらで売っても6億円を保証!? アドバイザーとの契約に問題あり

 ・・・メリルリンチは、入札のアドバイザリー契約料として、月額1000万円の定額報酬に加え、売却価格の1.4%の金額を成功報酬として受け取る契約になっていたといわれている。しかしこの成功報酬というのがクセモノ。もし売却価格の1.4%が6億円を下回った場合には、6億円は必ず支払うと“保証”されていたのだ。たとえいくらで売ったとしても、である。これでは成功報酬とはとてもいえない

 (中略)・・・通常、選定されたアドバイザーは、実際の売却価格が、自分たちが提示したターゲットプライスを上回らなければ、もらえるのは毎月の定額報酬だけで成功報酬は得られない、という仕組みとなっている。まさに売却価格をどこまで引き上げることができるかが、アドバイザーの“腕のみせどころ”となっているのだ

 しかし今回のメリルリンチにおいては、そのインセンティブが全く働いていない。成功報酬である6億円から逆算すれば、今回のターゲットプライスは、本来428億円であるべきである。だが実際の売却価格は109億円。その金額の乖離はあまりにも大きい。もし、この109億円が現時点で適正な額だとするならば、メリルリンチが受け取る成功報酬はせいぜいその1.4%の1.5億円程度で十分である

 にもかかわらず、いくらで売っても最低6億円の成功報酬を保証するという契約を結んでいたこと自体が驚きである。これでは何のためにアドバイザーを雇ったかわからない。1次入札で3分の2以上が辞退するような入札スキームを作ったアドバイザーに意味があるのだろうか。少なくとも入札結果を見る限りには、メリルリンチを起用したメリットはまったく見出せない。」

・・・以上の論述を見ると、上で僕が書いた意見とほとんど同じに見える。プロの弁護士の成功報酬についての見方だから、信頼性は高いと思う。極めておかしな契約内容であることだけは確かだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月11日 (水)

ボタンをさがせ!

最近よく見てるchikirinの日記、昨日の記事にあったボタンをさがせのボタンとは、自分が考えていることを現実に反映させるためのツボという意味のボタンなのだが、それが何処かにあるのか、なかなか分からない。そういうことは多い。僕も、生活の中で自分でどうしたらと迷うことは多い。

ただ、仕事というか発明家になるということについては、迷うことは少ない(他に仕事はあるのだが)。

僕にとってのボタンとは、①発明と特許出願をやり、②特許をとって、③大企業とライセンス交渉や特許侵害訴訟をやることだ。それが、今の僕と現実社会とを繋ぐ扉のようなものだろう。

僕が本格的に発明とその特許出願をやり始めたのは今から12年前の1996年ごろ、僕が39歳のときだ。1996年から1999年ごろまでは、年20-30件のペースで出願していた。2000年ごろになるとペースも落ちて、内容も低調になったと思う。

当時の出願は審査請求期間が7年のため(今は3年)、7年ぎりぎりで審査請求したので、ちょうど2-3年前から今にかけて、特許になったり拒絶になったりの審査結果が出ている。特許になっても、1997年ごろの出願のものは、後、7-8年で特許切れになる(特許期間は出願日から20年なので)。

今は、特許は10件以上、出願中のものは数十件(この中で、拒絶査定になって不服審判請求しているものは10件以上)、拒絶・見做し取下などダメになったものは既に100件以上あるのかな。

今までをみると、1996年から1999年ごろまでが①の発明と出願の時期のピークだった。それから、2006年ごろから今年の2009年ごろまでが②の特許を取るという段階のピークだろう。今後、1-2年後には②の段階を過ぎて、③大企業とライセンス交渉や特許侵害訴訟をやるという段階になる。この③が一番大変そう。。。

まあ、今から、侵害訴訟などの勉強をやって準備していこうと思います。

| | コメント (0)

2009年2月10日 (火)

「かんぽの宿」と謀略史観

詳しくないが、昔から謀略史観というのがある。

明治維新はフリーメイソンの謀略だったとか、・・・はユダヤの謀略だとか、いろいろ。確かに、何でも、理由付けは可能だから、ある文脈を選んでそこから説明しようとすれば、何でもそういう文脈で説明できてしまう(一部に無理筋の論理はでてしまうのだが)。マルクス主義も唯物史観とヘーゲル弁証法で世界の全てを説明しようとした。

宗教でもそうだろう。ある文脈から世界を説明しようとして説明できてしまう。オカルト科学もそうで、最近はオカルト科学雑誌は低調で「ムー」しかなくなったらしいが。少し前に「国策捜査」などでブームになった佐藤優さんなどもこの系譜になるのだろうか。

かんぽの宿のブログ記事を見ても、謀略史観の下で説明しようとしているものが少なくない。郵政民営化は米国資本の謀略で、小泉・竹中両氏と宮内氏(オリックス)はその走狗だったというものだ。つまり、郵政民営化の真の目的は、郵便局の不動産などの資産を外資が格安で手に入れること、簡保の顧客を外資保険会社(保険業に進出しようとしているオリックスを含む)が奪うことなどだったというものだ。

一般には、謀略史観は、眉唾ものが多いのは確かだ。

でも、最近の、特にテレビのワイドショーなどの動きを見ていると不思議で、本当にそういうのがあるのかもしれないな、と思う。

かんぽの宿の疑惑では、国会で疑惑追及の動きがあり、ネットでもいろいろ話題になっているのに、特にテレビのワイドショーなどの動きが異常に遅いのは何故なのか。今日(2009/2/10)のテレビ欄を見ても、この問題を扱うものは出ていなかった。

今日の朝日新聞を見ると、社会面にこの問題が比較的大きく出ていたが、何故か、「騒ぎを大きくしたくない」という感じで、事実を淡々と書くだけで腰が引けた書き方だなという印象を受けた。今日の日経新聞でも、4面にかなり大きく出ていたが、「最終入札はオリックス一社だけだった(だから「入札」とはいえない)」という事実は見出しだけでは全く分からなくて(見出しは「最終選考は2社」と載っていたので、見出しだけ見るといかにも最終入札が2社で行われたと誤解するような書き方だった)本文を最後まで読まないと分からない、それに対するコメントもなく、すごく冷静に事実だけを淡々と記述していた。社民党の保坂議員のブログによると毎日新聞は1面トップで鋭い見出し(入札額は日本郵政の創作)を付けていたようだが。

以下はあるブログ(株式日記と経済展望の2009/2/1付け)の引用です。

「・・・国会審議などでも大きな問題になっているにもかかわらず、今日の「報道2001」でも「サンデーモーニング」でも「サンデープロジェクト」でも報道されていませんでしたが、報道するだけのスキャンダルであるとは思わなかったのだろうか? 「かんぽの宿」は日本全国に展開されているホテルチェーンでありオリックス不動産がたったの109億円で落札した。しかし落札するまでには多くの入札辞退などがあり非常に不透明な入札だった。

株式日記」でも以前にも書きましたが、竹中平蔵という人物はテレビ業界に深く影響力を持つ人物であり、モルガンスタンレーのフェルドマンと組んでテレビ局の高給取りに対して資金運用などをしてコネクションを作っていった。だから最近テレビに出まくって構造改革を擁護しているのもテレビ局に広く人脈を築いているからだ。だから押さえの効く番組には圧力をかけて「かんぽの宿」疑惑報道を抑え込んでいるようだ

神奈川県警が「都内」で大相撲の力士を大麻所持で捕まえましたが、若麒麟という力士は去年の大麻事件でも疑惑の力士として週刊誌にも書かれていた力士ですが、ばれずに済んでいたのは神奈川県警が泳がせていて、小泉竹中一派にまずい事が起きた時の為にスキャンダルをストックしていたのではないか? 植草一秀氏が品川で神奈川県警が痴漢行為で捕まりましたが、神奈川県警は「都内」でも逮捕権があるのだろうか? 現行犯ならあるのだろうか?

神奈川県は横須賀も管轄地区でありますが、小泉純一郎の選挙区でもあり、小泉純一郎と神奈川県警とは深い仲なのだろうか? 小泉純一郎の祖父は稲川会のヤクザであり国会議員でもあった。だから地方の警察組織に大きな影響力を持っていてもおかしくは無い。だから神奈川県警が「都内」で逮捕権を行使が出来るのも、国政に大きな影響力がある人物がいるからだろうか?

だから昨日から今日にかけては大相撲力士の大麻で逮捕はニュースでも大きく扱われてワイドショーなどでもその報道で埋め尽くされている。これは「かんぽの宿」疑惑を大事にしないための工作ではないかと思う。だから神奈川県警が大相撲の力士を「都内」で現行犯逮捕したということで何かピンと来るものがある。」

以下も同じブログの2/5付けからの引用です。

「外資系証券会社は成功報酬の給与体系だから、儲けた利益の何割かを報酬としてもらえる。だから外資系投資銀行の社員は貪欲にビジネスして数億円の年収を手にすることも珍しくは無い。彼らは一つの会社に数年在籍して荒稼ぎして会社を退職していく。問題が起きても問題を起こした社員は会社に在籍していないから外資はしらを切って逃げてしまう。つまりヤクザと外資は体質がよく似ている。だからサブプライムの証券化という詐欺ビジネスを起こしたのだ。

昨日もTBSの番組で久米宏の番組に外資のスポークスマンの竹中平蔵が出ていましたが、テレビのワイドショーなどは外資とヤクザに押さえられているのだろう。ワイドショーのプロジューサーやデレくターなどにおいしい投資話を紹介して取り込んでしまえばどうにでもなるのだろう。だから竹中平蔵はテレビに出まくって世論誘導をしている。昨日の番組などはその典型であり、久米宏は台本どおりの単なる役者に過ぎない。田原総一郎も同じだ。B層は有名なジャーナリストの言う事はすぐに信じてしまう。」

以下も同じプログの2/6付けからの引用です。

「小泉内閣におけるあまりにも強引な郵政の民営化の裏にはアメリカ政府と保険業界からの強力な圧力を感じますが、テレビを見ていれば朝から晩まで外資系保険会社のCMがひっきりなしにオンエアーされている。新聞などにとってもアリコやアフラックといった外資は大きなスポンサーだ。だから郵政の民営化に関する報道には圧力がかかっている。

竹中平蔵がテレビに出まくるのも外資の後押しがあるからで、営業上公正なニュース報道などは出来るわけが無い。
しかし外資の本尊であるアメリカのAIGは実質的に経営破綻して日本のアリコなどの子会社も売却先を探している状態だ。だから郵政民営化の勢いも無くなってきており、それが政界にも波及してきている。だから自民党内の外資族議員も孤立しがちだ。

「かんぽの宿」施設の払い下げは外資にとっても不動産ビジネスの目玉でしたが、アメリカの投資銀行も整理されてFRBの監督を受けるようになり、強引なビジネスは出来なくなった。メリルリンチはオリックスと日本郵政の西川社長と組んだインサイダー取引をしたようだ。外資はもともとインサイダーやりたい放題で捕まる事はめったに無かった。しかしアメリカもオバマ政権に代わって外資も後ろ盾が無くなったようだ。」

上記のブログは、「ここは陰謀論を前提にしたサイトだ」というコメントが何個か寄せられており、そうなのかもしれない。でも、上記の文章だけみると、僕にはすごくまともな見方だと思える。

最近のテレビ(特にワイドショー)の、かんぽの宿の問題に触れようとしないという不思議な動きを見ていると、テレビ局の社員たちは小泉・竹中両氏と近い関係にあるから、この問題に触れるのを「自粛」しているという見方は、十分に頷けるものがあると思う。

要するに、国会議員の一部とネットの一部はこれは大疑惑になると大騒ぎしている(日本新党の亀井静香さんなどは西川社長の背任(未遂)罪での刑事告発まで言及している)一方で、テレビと大新聞は極めて冷静であり騒がずに見守るだけという姿勢を守っている。どちらかが「偏っている」ということであり、偏っているのがどちらなのか、そのうち分かるだろう。

| | コメント (2)

「かんぽの宿」と麻生総理の2/5答弁との関係

昔から、「かんぽの宿」のような問題は興味がある。

この問題では、植草一秀さんのブログもだが、社民党の保坂議員のブログもよく見ている。

これを見ながら思い出した。2月5日の国会の答弁で、麻生総理は突然、「自分は郵政民営化にはもともと反対だった。郵政民営化は自分は担当してない、担当したのは竹中さんだったんですよ。」と発言して話題になった。

なぜ、唐突に、こんなことを言うのか、与党の議員たちも唖然として面食らっていた。しかし、これには十分な訳があったのでは、と思う。

日本郵政を追及している鳩山総務相と麻生総理は親しい仲だ。その鳩山総務相と麻生総理には、日本郵政のスキャンダルがこれから明るみに出るという展開がほぼ見えているのではないだろうか。

だから、近い将来、日本郵政の、郵政民営化のスキャンダルが明らかになったときのために、その保険として、今のうちに「郵政民営化は自分がやったのではないんですよ、あれは小泉さんの下で竹中さんが担当してやったことなんですよ」と言って、自分に責任が及ばないように予防線を張ろうとしたのではないか、そのために、ああいう発言をわざと出したのではないだろうか?

あるテレビで、評論家が、鳩山総務相がやっていることは自民党にマイナスになるのでは? それなのになぜ鳩山総務相はあんなことをしているのか、と心配していた(事実、民主党などはこれを自民党の攻撃材料にしようとしている)。しかし、麻生総理の当面の敵は中川・小池両氏などの小泉氏に連なるグループだろう。そのグループを、鳩山総務相と話し合って潰そうとしている(自民党全体にマイナスになるのは覚悟の上で)のではないだろうか。

ちょうど、かんぽの宿の問題が出ているタイミングで、麻生総理の発言があったが、それは、唐突にポロッと失言したというものではなく、鳩山総務相とも話し合った上での計画的なものだったのだろうと思う。

| | コメント (0)

2009年2月 9日 (月)

植草一秀さんと「かんぽの宿」

少し前に逮捕され有罪になった植草一秀さん、逮捕された頃はちょっとなーと思ったけど、ブログを見て、見直しました。

最近、「かんぽの宿」の問題に興味があって、あちこち見ています。

いろんな論客がそれぞれ主張しているのだけど、「入札が公正に行われたと見るのかどうか」についてそれぞれが違う前提にたって主張しているので、議論が全くかみ合っていない。前提となっている「入札が公正に行われた」のかどうかの事実関係は、これから国会などで徹底的に検証してほしい。

それにしても、この問題、ネットに比べて大新聞やテレビでは取り上げ方が確かに地味だ。植草さんに言わせると、それは、「郵政民営化利権」を狙うグループがそのようにマスコミを操作しているからだ、ということらしいが。。。

植草さんは、以前は華麗なエスタブリッシュメントの世界の内側というかど真ん中に居た人だ。その人が、ブログ(植草一秀の『知られざる真実』)で、「昔のお友達」の学者たちを含めてエスタブリッシュメント側の人たちを眼のかたきのように攻撃している。自分がかつて居た世界だから、裏側の事情も、どこから攻めればいいかも知っているようだ。

かんぽの宿の問題では、最も熱心に追及している一人だと思う。かつての仲間たちを、これでもかというように追及しているのを見ると、怨念のような迫力を感じるが、逮捕・有罪になって、人生観も変わったのだろうか。

まあ、僕は、こういう、傷を負って追い詰められて「手負いの獣」のようになって権力側に牙を剥くようになった人、好きですね(昔読んだハードボイルド小説にはこういうタイプは多かった)。

植草さんがこれからどのように活動していくのか、復権はあるのかにも、興味をもっている。

なお、もちろん、彼の無罪の主張が正しいのかどうかは、これとは全く別の問題であり、僕はこの点では彼に同情的ではない。

追記:この問題で、朝日新聞の2009年1月24日付け社説は、「談合のような不正や不適切な事務処理があったなら話は別だ。鳩山氏は昨日の国会答弁で、そのような疑義を口にした。それなら問題点を具体的に示してほしい。」と述べていたが、新聞社なら自分で調べろ!といいたい。社民党の保坂議員も言っているが「調査報道」は何処に行ったのか。

| | コメント (1)

2009年2月 1日 (日)

特許法改正の論点

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200901270084a.nwcによると、

特許庁は2009年1月26日、特許制度研究会(座長・野間口有三菱電機会長)を発足させ、1年後のこの研究会の報告をもとに審議会を立ち上げ、2011年に特許法を抜本改正することを目指す、ということです。

また、この記事によると、この特許制度研究会の議論のテーマ・論点は、(1)特許の活用促進、(2)迅速・効率的な紛争解決、(3)特許審査の方法を見直し特許の質を高める、(4)迅速・柔軟な審査制度の構築、(5)国際的な制度調和の推進、などだそうです。具体的には、特許に基づく商品を製造していないのに他社による特許侵害を訴え、多額の賠償金を狙う“パテント・トロール”の権利制限や、ベンチャーなどが、出願中の特許に質権を設定できるようにして、資金調達を支援する枠組みなども検討される、ということです。

上記の(1)特許の活用促進と(2)迅速・効率的な紛争解決のどちらかで「“パテント・トロール”の権利制限」が検討されるのでしょう。

おそらく、米国のeBay事件(MercExchngeがeBayに対して”Buy It Now”機能が特許侵害だとして訴えた事件)に関して2006年5月15日に出された米国連邦最高裁判決が判示したような制限、つまり、「英米法におけるコモン・ローの原則から、特許権侵害に対して差止めを認めるかどうかは個々の事件ごとに決める」という考え方(その結果、自分で製品化していない企業や個人の特許については、原則として損害賠償だけが認められ差止めは認められないということが多くなる)を、日本で採用するための規定を新設しようというのが特許庁の腹案ではないかなと予想されます(違うかな)。

米国の最高裁がこのような判決をしたのは、それまでパテントトロールが差止め命令を脅し(交渉手段)に使って、企業から不相応に多額の賠償金での和解をすることを繰り返していたことが一つの理由だということです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年1月 | トップページ | 2009年3月 »