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2009年2月 1日 (日)

特許法改正の論点

http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200901270084a.nwcによると、

特許庁は2009年1月26日、特許制度研究会(座長・野間口有三菱電機会長)を発足させ、1年後のこの研究会の報告をもとに審議会を立ち上げ、2011年に特許法を抜本改正することを目指す、ということです。

また、この記事によると、この特許制度研究会の議論のテーマ・論点は、(1)特許の活用促進、(2)迅速・効率的な紛争解決、(3)特許審査の方法を見直し特許の質を高める、(4)迅速・柔軟な審査制度の構築、(5)国際的な制度調和の推進、などだそうです。具体的には、特許に基づく商品を製造していないのに他社による特許侵害を訴え、多額の賠償金を狙う“パテント・トロール”の権利制限や、ベンチャーなどが、出願中の特許に質権を設定できるようにして、資金調達を支援する枠組みなども検討される、ということです。

上記の(1)特許の活用促進と(2)迅速・効率的な紛争解決のどちらかで「“パテント・トロール”の権利制限」が検討されるのでしょう。

おそらく、米国のeBay事件(MercExchngeがeBayに対して”Buy It Now”機能が特許侵害だとして訴えた事件)に関して2006年5月15日に出された米国連邦最高裁判決が判示したような制限、つまり、「英米法におけるコモン・ローの原則から、特許権侵害に対して差止めを認めるかどうかは個々の事件ごとに決める」という考え方(その結果、自分で製品化していない企業や個人の特許については、原則として損害賠償だけが認められ差止めは認められないということが多くなる)を、日本で採用するための規定を新設しようというのが特許庁の腹案ではないかなと予想されます(違うかな)。

米国の最高裁がこのような判決をしたのは、それまでパテントトロールが差止め命令を脅し(交渉手段)に使って、企業から不相応に多額の賠償金での和解をすることを繰り返していたことが一つの理由だということです。

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