« 「かんぽの宿」の報道を見てると、民放テレビ局の免許条件に、報道番組のスポンサー名の公表義務付けが必要と思う | トップページ | かんぽの宿での論点のずれ方 »

2009年2月24日 (火)

「かんぽの宿」を巡る4つの立場

Chikirinの日記 の2009/2/22付けの記事「かんぽの宿 5つの論点」を読んだ。
この記事は、かんぽの宿の問題の追及はおかしいという立場からの記事だった。

このブログの記事の中で、僕が注目したのは、この記事の終わりの方にあった次のような言葉だ。
「ちきりんには、オリックスへの売却手続きに一切の瑕疵がなかったという気は全くありません。よく見知ったモノ同士、なれ合いや甘えがあったんじゃないかなと思います。しかし、巨悪と闘うべきその時に、大きな議論をひんまげて、重箱の隅をつつくようないちゃもんをつけることをしていたら、得をするのはいったいだれなのかよく考えるべきではないか、と思います。すべてが無茶苦茶な時に、一歩でも前に進もうとするのではなく、「完璧に問題が解決されるのでないかぎり、一歩たりとも足を前には進めず、ひたすらに文句を言い続けるべきだ」と思っている人は本当にそれが生産的な考え方だと思っているのでしょうか。」

この文章は、かんぽの宿の問題を的確に表していると思う。このブログの著者は、多少の馴れ合いは仕方ないという清濁併せ呑む思考の持ち主なのだろうが、こういう考え方の人は多いと思う。

つまり、上記のブログを見て考えたのだが、このかんぽの宿の問題で日本郵政・オリックスを擁護する立場を取っている人たちには、次の(A)(B)の2種類があると思う。

(A)日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正は無かったのかという事実認定の問題として(証拠はまだないがおそらく)不正は無かっただろうという立場をとる人たち。この立場からは、「郵政民営化そのものが善かどうか」は問題にならない

(B)上記の事実認定の問題としては日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正はあったかもしれないしその疑いはあるとは思うが、もし仮に事実として不正があったとしても、今は郵政民営化という大きな改革の流れを尊重すべきだ(清濁併せ呑むべきだ)、だからかんぽの宿の問題は重箱の隅、枝葉の問題だからスルーしましょという立場をとる人たち(上記のブログはこの立場だろう。自民党の片山さつき議員もテレビで同じようなことを発言していた)。つまり、この(B)は、「郵政民営化そのものは善」という立場を前提としている。

なお、僕の見るところ、上記(A)と(B)の中では、(B)の立場の人の方が多いと思う。

他方、かんぽの宿の問題は徹底的に追及すべきとする立場の人たちは、日本郵政とオリックス不動産との間で不透明な関係や不正は無かったのかという事実認定の問題として(明確な証拠はまだないがおそらく)不正があっただろうという見方が前提にあると思う。全く不正がないなら、そもそも問題とする必要はないからだ。

そして、このように事実認定の問題として不透明な関係や不正がおそらくあるのだろう(だから追及すべき)という前提を取る人たちの中には、上記の(A)(B)と同様に、次の(C)(D)の2種類の人たちがいる。

(C)郵政民営化が全体として正しいかどうかに拘わらず、かんぽの宿の件で不正があったのなら、たとえ郵政民営化という大きな問題から見れば枝葉の小さな不正だとしても、徹底的に解明して追及すべきだ、という立場(清濁併せ呑むのは嫌という価値観)の人たち。この立場からは、上記(A)と同様に、「郵政民営化そのものが善かどうか」は問題にならない

(D)かんぽの宿の問題は小さな枝葉ではなく郵政民営化の全体に関係するものであり、かんぽの宿の不正の追求が郵政民営化全体の不正や不透明さをあぶりだすためにも必要だから、かんぽの宿は徹底的に追及すべきという立場の人たち(2/13のTBSの時事放談で、野中元代議士と鳩山大臣が郵政民営化は国民の資産を米国金融資本などに安く売り渡そうとするものでは?という疑問を提示していたが、こういう意見の人たち)。つまり、この(D)は、上記(B)と正反対に、「郵政民営化そのものが善かどうか疑う」という立場を前提としている。

以上のように、かんぽの宿の問題を巡る立場は、大きく分けると、上記の(A)~(D)の4つに分けられるのだろう(まあ当たり前だけど)。

なお、僕の見るところ、かんぽの宿の問題を追及すべきという上記(C)と(D)の中では、圧倒的に(D)の方が多いと思う。だからこそ、かんぽの宿の安値売却は郵政民営化の当初から計画・工作されてきたのでは?とか、竹中さんとそのお仲間がテレビやブログで必死に主張してるけど何か焦っているのでは?とか、小泉さんが急に吼えたててロシアに行った(2/12のこと)のは不自然だが何かあるのでは?などの話が盛んにネットでやり取りされているのだろう。

また、追記だけど、上記の郵政民営化そのものを疑っている(D)の立場の中にも、次の2つの種類がある。

(D1)郵政民営化の議論の当初から、外資に日本の資産を安く売り渡すつもりなのではなどの疑問から反対していた人たち。

(D2)当初は全く疑問は持たなかったけど、今回のかんぽの宿の不透明な処理を見て、かんぽの宿だけじゃなく郵政民営化そのものも胡散臭いんじゃないかと思い始めた人たち。

(D1)と(D2)とでは、(D2)の方が圧倒的に多いだろう。

2/13のTBS「時事放談」をYouTubeで見たとき、野中元代議士は(D1)の立場、鳩山大臣は(D2)の立場で話していると思った。

|

« 「かんぽの宿」の報道を見てると、民放テレビ局の免許条件に、報道番組のスポンサー名の公表義務付けが必要と思う | トップページ | かんぽの宿での論点のずれ方 »

雑談(政治関係)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/510700/44162194

この記事へのトラックバック一覧です: 「かんぽの宿」を巡る4つの立場:

« 「かんぽの宿」の報道を見てると、民放テレビ局の免許条件に、報道番組のスポンサー名の公表義務付けが必要と思う | トップページ | かんぽの宿での論点のずれ方 »