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2009年2月17日 (火)

「かんぽの宿」と事業譲渡と入札

前回の記事の続き。

社民党の保坂議員の2009/2/16付けブログ「保坂展人のどこどこ日記」より引用した日本郵政の文書の一部

(1)事業の譲渡における入札手続について

 日本郵政株式会社は、会計法の適用対象ではないことから、譲渡先選定に当たっては、会計法の下で官公庁等が行ういわゆる「一般競争入札」ではなく、いわゆる事業の譲渡(企業買収・売却)において用いられる入札手続を採用いたしました

 なお、入札という言葉は、事業の譲渡においても用いられますが(注)、「一般競争入札」のように「入札箱」や「入れ札」は存在せず、企画提案書が「入れ札」に相当いたします。また、事業の譲渡においては、事業に伴う不動産のみならず、有形無形の資産、あるいは雇用など総合的に加味して事業価値や買収の条件を決定しなければならないことから、一旦入札した後も、譲渡価格や譲渡に際しての諸条件について売主、買主双方が交渉を重ねたうえで、最終契約に歩み寄って行くことが一般的であります

 この意味で、応札者による入札・開札を経て落札価格が瞬時に決定される「一般競争入札」の手続きと、入札後から最終契約に至るまで、譲渡価格やその他の諸条件に変更の余地を残す事業の譲渡の手続きには、考え方、プロセスに違いはあっても、それぞれの手続きが対象とするものに適応した、公正な手続きであることをご理解いただきたいと考えます。

注:日興コーディアル証券株式会社の事業の譲渡を巡る昨今の報道においても「入札」という表現が用いられている。

この、日本郵政の「事業譲渡における入札手続だった」という主張について、僕の感想を書いておきたい。

日興コーディアル証券 事業 譲渡 入札をグーグルで検索してみると、確かに、「事業の譲渡先・売却先を決める入札」という表現をした報道はある。しかし、当初から日本郵政は「入札」ではなく「競争入札」と主張していた。ここはポイントになるかも知れない。

「事業譲渡」に関して「入札」という言葉を使用している報道はあるとしても、「競争入札」という言葉を使用している例はおそらくない。

一般的な用語としては、「競争入札」には「一般競争入札」と「指名競争入札」しかないと、辞書などを見ると思う。

なお、参考までに、日本郵政の過去の文書をみておきたい。

再び、社民党の保坂議員の2009/2/3付けブログ「保坂展人のどこどこ日記」より引用

「そして日本郵政が文書で回答してきたのは次のような文面だった。

[今回の「入札」の形態について]

本件は単なる不動産の売却ではなく、従業員も含む事業全体を譲渡するものであり、雇用の確保や事業の発展・継続性についての提案も評価する必要があるため、譲渡価格のみを入札して候補先を決定する、単純な「競争入札」は馴染まない判断し、今回の手続を選択したものです。

具体的な手続としては、平成20年4月1日から平成20年4月15日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った後、各応募者から提出された、従事する社員の取扱い、取得後の事業戦略、ホテルの運営実績(投資実績)、応募先の信用力、取得価格等の企画提案内容を総合的に審査した上で、最終的に最も有利な条件を提示した応募先と契約を締結しており、手続の内容としては「競争入札」の範疇に入るものと認識しております。」

この文書で日本郵政が「手続の内容としては「競争入札」の範疇に入るものと認識しております」としているのは、言葉の定義の問題であまりとやかく言っても仕方ないかもしれない。

確かに、この文書でも「本件は単なる不動産の売却ではなく、従業員も含む事業全体を譲渡するものであり・・・」と書いてあるから、事業譲渡だったというのは当初からの主張のようだ。

ただ、この「当初からの主張」というのは問題が顕在化した今年になってからのものだ。

そうではなく、平成20年4月の当初からの事実はどうだったのか、上記の文書の中に「具体的な手続としては、平成20年4月1日から平成20年4月15日までホームページにおいて競争入札による譲渡を実施する旨の公告を行った」とあるが、そのホームページの内容と27社に配布したとされる募集要項を分析してみたい。一般にも公開してほしいと思う。現在の日本郵政のホームページを見ても、このような「公告」をしたときのページはないと思われるので。

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