« 阿久根市の竹原市長の「卒業生に送る言葉」 | トップページ | 小沢秘書に政治資金規正法違反(虚偽記載の罪)は成立するのか? »

2009年3月15日 (日)

メリルリンチ日本証券は「かんぽの宿」のアドバイザリー契約上の義務に違反したのでは?

2009/3/13付けの毎日jp「かんぽの宿:運営会社の副社長、オリックス側が実名記載」と、2009/3/13付けの「かんぽの宿衆議院TV-とんでもない、最終審査評価書やオリックス提案書・落札契約書が暴露された。」によると、13日の衆議院総務委員会、原口一博議員の質問により、次のような事実が明らかになったらしい。

1.かんぽの宿売却問題で、落札したオリックス不動産が、最終提案書に日本郵政の宿泊事業部長(この宿泊事業部長は入札審査担当者の一人だった!)を「かんぽの宿」を運営する新会社の副社長に迎える人事案を実名入りで記載していたことが13日、分かった。このオリックス提案書は、日本郵政とアドバイザリー契約で入札を仕切るメリルリンチ日本証券とに提出されたが、両者とも、このような不正な記述をそのまま不問にした。

(なお、日本郵政の西川社長は、これが明らかになったときの国会の答弁で、「具体名を書いて出してくるのは極めて不適切。相手が出してきた場合には訂正しろと言って止めるのが筋だ」と述べた。)

2.最終審査に残ったオリックスとホテルマネージメントインターナショナル(HMI)の2社に関する最終審査評(審査結果)では、HMIの「すべての従業員の皆様をお迎えします」と明記された雇用提案が完全無視(=審査評に載っていない)され、オリックスの雇用提案だけが、最終審査評に記述されていた。しかも、雇用する従業員の数では、「すべて」としていたHMIの方が、一部としたオリックス不動産よりも有利な条件を提示していた(原口氏は、オリックスとの契約書では620人の正社員のうち550人のみ記していたのに、HMIは全員採用を提案し、日本郵政の説明と異なると主張した)。

3.アドバイザリー契約の金額内訳から、メリルリンチ日本証券の就業時間は5時間/日程度が予定されていた。

これらの事実からの僕の感想は次のとおりだ。

まず、日本郵政とメリルリンチ日本証券とのアドバイザリー契約においては、メリルリンチは「公正かつ適正に入札手続(または事業譲渡の手続)を行うという契約上の義務」を負っていたはずだ。それなのに、上記1,2のような事実があったということは、メリルリンチは、故意か過失により、この契約上の義務に違反した。つまり、メリルリンチには、このアドバイザリー契約に関して債務を不完全にしか履行しなかったという「契約上の義務違反の責任(債務不履行責任)」が存在している。

このような契約上の債務不履行がある場合、契約の一方の当事者である日本郵政としては、もしメリルリンチの契約上の義務違反により日本郵政に損害が生じたと言えるときは、その損害の賠償を請求できる(民放415条)。

今回、日本郵政は、メリルリンチのデタラメな業務遂行により、かんぽの宿売却手続が不透明・不公正と追及されて売却を撤回しなくてはならなくなった、西川社長など幹部が国会に出て答弁しなくてはならず仕事ができなくなったなどの大きな損害を受けているので、自らの損害を回復すべく、この損害の賠償をメリルリンチに賠償請求すべきだろう。

(実際、上記1のように、日本郵政の西川社長自身も、オリックス不動産が最終提案書に日本郵政の宿泊事業部長を副社長とすることを実名で記載していたことについて、「具体名を書いて出してくるのは極めて不適切。相手が出してきた場合には訂正しろと言って止めるのが筋だ」と述べて、メリルリンチの業務が不適切であったと、国会で主張している。)

今回、日本郵政は、少なくとも毎月1千万円(年1億2千万円)の手数料を支払っていたのだから、少なくともこの中の相当部分を損害賠償により取り戻す必要がある(6億円の成功報酬は支払ったのかどうか明らかでないが、もし支払ったのなら返還させるべきだろう)。

なお、上記1,2のようなメリルリンチのデタラメな業務は、予め日本郵政とグルで示し合わせて行われていたかもしれないが、それは、裁判などの場で、メリルリンチが日本郵政も悪かったのだと過失相殺を主張すればよいだけのことだ。仮に日本郵政とグルで示し合わせていたとしても、メリルリンチは契約上は公正かつ適正にやる義務があったのだしそれをやることは可能だったのだから、メリルリンチの義務違反の責任は存在する。

日本政府は日本郵政の100%株主なのだから、日本郵政の監査役と取締役に対して、日本郵政の損害の回復を図るべく、メリルリンチにこのような賠償請求(交渉と裁判)をするように、株主として要求すきべだろう。

|

« 阿久根市の竹原市長の「卒業生に送る言葉」 | トップページ | 小沢秘書に政治資金規正法違反(虚偽記載の罪)は成立するのか? »

雑談(政治関係)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/510700/44360102

この記事へのトラックバック一覧です: メリルリンチ日本証券は「かんぽの宿」のアドバイザリー契約上の義務に違反したのでは?:

« 阿久根市の竹原市長の「卒業生に送る言葉」 | トップページ | 小沢秘書に政治資金規正法違反(虚偽記載の罪)は成立するのか? »