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2009年3月30日 (月)

「ハニカム構造」の発明(「生物の仕組みの模倣」による発明)

「生物の仕組みの模倣」により基本発明が生まれることも多い。

日経新聞の2009/3/29付けの記事「ナゾかがく ハチの巣はなぜ六角形?」に、ハニカム構造のことが出ていたので、以下に、この記事の一部を括弧(「」)で引用しながら、自分のコメントを記しておきたい。

ミツバチの巣作り、特に、六角柱を作るときの様子については、次のように書かれている。「働きバチは体内でロウを合成し、腹から出す。それを後ろ足でこすり取って口に運び、巣材として利用する。このとき、ロウを円形に固めたりせず、まず二枚の板が山型に合わさった壁を作る。次に両脇の壁を築き、下側をつなぎ合わせて六角柱にしていく。」

ハチの巣が六角柱を集めた構造をしている理由については、玉川大学ミツバチ科学研究センターの吉田忠晴教授の話として、次のような説が有力だと書かれている。「材料を最小限に抑えて可能な限り広い空間を作ろうとしている」、つまり、「巣穴が円や八角形では隙間ができ、三角形や四角形だと窮屈になる。花から集めたミツを溜め込んだり、幼虫を数多く育てたりするには、ムダを極力そぎ落とした六角形が最適だという。強度も高い。壁は0.1mmの厚みしかなく、 (中略) それでも、4千ほどある巣穴に、合計で2kgものミツを溜め込むことができる。」

こういうミツバチの巣の「六角柱を集めた構造」を模倣したのが「ハニカム構造」だ。この記事によると、「六角柱を集めて上下を板で張り合わせると、丈夫で軽い構造になる。新幹線の床、ジェット機の羽、人工衛星の壁、スキー板などに応用」されている。

確か、富士写真フィルムのデジタルカメラのCCD(電荷結合素子。画像センサの一つ)も「ハニカム配列」(ハニカム構造ではない)というのを宣伝文句にしていた。ハニカム配列だから、CCDの各画素ごとに配置される受光素子(受光領域)を狭い面積の中に隙間なく敷き詰めることができ、全体の受光面積を増大させることができるとしていた。

富士写真フィルムのホームページの説明を以下に引用しておく。これを読むと、富士写真フィルムの「スーパーCCDハニカム」は、受光領域を「六角形」ではなく「八角形」にしているようだ。

「より大きい受光面積を確保するための工夫
●CCDの弱点はスペースに対する効率の悪さ 
   手ぶれ補正についてはひとまず後回しにすることにして、まずは「スーパーCCDハニカム」が、通常使われているCCDに比べて優れている点を探っていきます。
 現在、コンパクトタイプのデジタルカメラで主流となっているCCDは、IT-CCD(インターライントランスファー方式)と呼ばれるCCDです。しかし、このIT-CCDには大きな弱点があります。それは、1つの画素あたりの受光面積が小さくなってしまいがちだということなのです。IT-CCDでは、1つの画素が電荷を発生させる受光領域と転送を行う垂直転送用CCDに分かれています。素早く写真を撮れるようにするためには、転送を行う垂直転送用CCD用の領域を優先して確保する必要があります。しかし、このような設計を行うと、どうしてもデッドスペースが必要になってしまうのです。これについては、「第3回 : 画素数と画質の関係」で紹介していますので、詳しくはこちらを参照してください。
ハニカム配列で受光面積が増大
   富士写真フイルムでは、この弱点を少しでも軽減するために、画素領域を45度傾けて配列しました。このようにCCDを並べていくとハニカム(蜂の巣)のように画素が並べられます。そこで、画素領域を45度傾けた配列をハニカム配列と呼んでいます。ハニカム配列を使ってCCDを設計すると、垂直転送用CCDの大きさを充分に確保しながら、残りの領域を受光面積として使うことができるようになるのです。この配列構造が、「スーパーCCDハニカム」のネーミングの由来にもなっています。
【ハニカム配列のCCDは、画素領域を有効に使える】
IT-CCDでは、1画素中のデッドスペースがかなり大きなものとなってしまい効率の悪い受光しかできませんが、ハニカム配列にしたCCDなら効率の良い受光を行うことが可能なのです。ちなみに、ハニカム配列でも、電荷は、1→2→3→4→5→6、と「垂直に転送」させることができます。
(『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』より)
1画素あたりの受光を効率良くするために 
   さらに、富士写真フイルムでは受光領域を拡げるために、受光領域を四角形から八角形にしました。こうすることによって、2分の1インチ200万画素タイプのスーパーCCDハニカムは、同タイプのIT-CCDに比べて受光領域が約1.6倍に、2分の1インチ300万画素タイプでの比較では約2.3倍もの大きな受光領域を確保することができるようになったのです。」

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