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2009年3月30日 (月)

「検察の劣化」よりも「マスコミの劣化」が問題

週刊朝日編集長の山口一臣氏による山口一臣のダメだめ編集長日記 「捜査ミス」を「政治とカネ」にすり替えるな!(2009/3/29付け)に、次のような主張があった。

「自分自身もよくわかっていなかったのですが、3月3日の小沢秘書逮捕以降、いくつものマターがゴッチャになって議論され、ことの本質を見失っていたような気がします。それぞれの人がそれぞれの関心の強い領域でものを考えているので、ときどき議論がかみ合わないという現象が起きていました。ぼく自身も「何でこんな簡単なことが理解されないんだろう」と困惑した時期がありましたが、要はそういうことだったのかと思います。

 気がつく範囲で整理すると……
(1)逮捕容疑である政治資金規正法の問題
(2)秘書逮捕が政治に与える影響の問題(選挙に勝てるかどうか)
(3)逮捕によって浮き彫りになった「政治とカネ」の問題
(4)検察権力の行使が公正・公平に行われたのかという問題」

これには、すごく納得した。(1)~(4)の連立方程式だから、国民もこんがらがってるわけだ。

特に「それぞれの人がそれぞれの関心の強い領域でものを考えているので、ときどき議論がかみ合わないという現象が起きていました」という部分。同じことは、「かんぽの宿」の問題でも起きていた。あのときも、ある人は「郵政民営化の是非はともかく、入札に不正が行われたのなら刑事告発も含めて徹底追及すべき!」と言い、他の人は「このくらいの不透明さは大した問題ではない、それよりも郵政民営化を後退させてはならない!」と言う、というように議論がかみあわないことが多かった。

今回も、ある人は「国策捜査だったかどうかはともかく、小沢氏が高額の献金をゼネコンから受け続けていたのは大問題!」と言い、他の人は「政治資金規正法違反など大した問題ではない、それよりも検察の暴走・国策捜査を許すことは民主主義の危機!」と言う、というように、同じような混乱した構図になっている。

今回の逮捕と起訴、元検事の郷原さんが言っているように、検察の法解釈の勘違いと勉強不足から始まった暴走(参考)であり、政治資金規正法違反の「虚偽記載」の罪にしても、今回の起訴をするために、検察は急遽、無理やり法解釈を「形式犯」から「実質犯」に変更した(参考)ようであり、裁判では無罪判決が出る可能性は十分あると思う。

上記の山口さんの記事では、(4)が一番の問題で「検察の劣化・民主主義の危機」だと主張されていたが、僕は、検察の劣化は大した問題ではない、それよりも「マスコミの劣化・民主主義の危機」だと思う。

なぜなら、仮に検察が劣化・暴走しても、マスコミがきちんと報道できるならば、正しい世論が形成されて、検察に修正を促すことは簡単だからだ。今は、マスコミと検察・自公政権がグルになっている状態だから問題になっている。

マスコミは、基本的には「反権力」の側に立つべきで、そうでなければ(政権側の御用新聞・御用テレビでは)、マスコミの「存在理由」はないと思う。権力側はマスコミなどなくてもやっていけるが、反権力側の人たちは、マスコミが味方になってくれないと権力側と対等に戦うことが極めて難しいからだ。だから、もし、将来、民主党が政権を取れば、その時点から、マスコミは基本的に野党である自民党側に付いた方がよいと思う。

マスコミによる検察リークの垂れ流しや自公政権側に有利な世論誘導を非難する人たち(僕もそう)からは、マスコミは、田原総一郎のサンプロなどが典型だが、近年、急速に劣化しているように見える。何故、マスコミがここまで急速に劣化してしまったのか? そのルーツは小泉政権の時代にあると思うが、マスコミのインサイダーの人たちには、内部で分かるその原因を発信して欲しいと思う。

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