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2009年5月26日 (火)

自公政権がどれだけ足掻いても小沢秘書の無罪は動きようがない

日経ビジネスオンラインで、企業法務で著名な弁護士の久保利英明氏が、「メディア不振は、不信だろ」というタイトルで、「西松事件」に関連したメディア論を書かいている。以下にその冒頭の一部分を引用する。

先日の記事で話題にした小沢問題。一連の動きの中で検察の捜査姿勢に疑問が投げかけられたが、これは同時にメディアの報道姿勢にも向けられたものだと言える。 今回の事件で改めて浮き彫りになったのが、「特捜部が動いたのだからクロに違いない」という時代錯誤的な盲信がメディア、もっと具体的に言えば司法記者クラブに所属する記者たちにあるということだ。  彼らは検察から情報をもらわないと記事にできない立場にあるから、取材先を慮った姿勢になりがちであることは、構造上の避けがたい面もある。しかし、「検察発表」という事実を報道するだけでは、メディアの役割の一部を果たしたに過ぎない。  報道機関としての責務を果たすには、政治資金規正法の構成要件や政治家の資金集めなど、法律や政治にまつわる専門的見地から立件が妥当なのかの検証も欠かせない。しかし、それを行うだけの能力や意欲を、今のメディアは持ち合わせているのだろうか。」(太字と赤字は当ブログによる)

上記の「特捜部が動いたのだからクロに違いない」という時代錯誤的な盲信がメディア、もっと具体的に言えば司法記者クラブに所属する記者たちにあるということだ」、「報道機関としての責務を果たすには、政治資金規正法の構成要件や政治家の資金集めなど、法律や政治にまつわる専門的見地から立件が妥当なのかの検証も欠かせない。しかし、・・・」などの論調からみて、久保利英明・弁護士が今回の検察による逮捕・起訴に対して強い疑念を抱いていることが窺われる。(※久保利さんは、このことから出発して、最近の大手メディアの経営不振は、インターネットの台頭だけでなく、メディアの勉強不足に対する大衆のメディア不信が大きな原因だと論を発展させている)

民主党の第三者委員会での郷原・元検事と岩井・日大法学部教授との議論でも、政治資金規正法の「虚偽記載」の罪に関しては、「献金を振り込んだ(献金した)団体」の名前を書くべきで、「背後で資金を拠出した企業」の名前を書くべきではない(「背後で資金を拠出した企業」の名前を書くと、その方がむしろ虚偽記載になってしまう)、というのが「従来のそして現在の一般的な解釈」、つまり「多くの弁護士、学者、役所の間での常識的な解釈」ということだった。

このような「従来のそして現在の一般的な解釈」に反対している法曹・法律専門家は、今のところ、「検察だけ」だろう。

小沢秘書が無罪になることは間違いないだろう。これは、自公政権がどれだけ足掻いても、裁判官を買収・篭絡するくらいのことをやらないと、動きようがないと思う (※後進国では裁判官の買収・篭絡は珍しくないのだが)。近い将来、小沢秘書に無罪判決が出たときは、検察批判は当然として、「特捜部が動いたのだからクロに違いない」という時代錯誤的な盲信をしていたマスコミも赤っ恥をかくことになるだろう。

なお、公平を期して、検察側にとって有利な解釈の可能性も考えてみよう。上記の「従来のそして現在の一般的な解釈」を前提としながらも、なお小沢秘書を有罪とするための道(極めて細い道だが)、そのための解釈の可能性を検討すると、2つだけあると思う(私見)。

第1は、献金をした団体が「完全なペーパーだけで全く実体がない虚偽架空の存在」の場合。この場合は「完全なペーパーだけの虚偽架空の存在なら『献金する』という行為はできないはず、だから『献金する』という行為をしたのは背後の企業だ」という主張ができる可能性がある(郷原・元検事もこのような解釈をどこかで書かれていた)。しかし、今回の西松建設の作った団体は、代表者が常駐していた、年に数回のパーティを開いていた、事務所としてマンションを代表者名義で賃借していた、各会員が個別に会費を団体に振り込んでいたなどの「実体がある」ことを示す諸々の事実がある(西松建設の報告書に書いてある)ので、事実認定の問題として明らかに無理だ。

第2は、小沢秘書が「自分で主導して(西松と共謀して)ダミー団体を作って自分自身がダミーの状態を作出した(西松建設が勝手に団体を作ったのではなく、小沢秘書自身が一緒になって作ったのだ)」と言える場合。つまり、もしダミーの状態を自分自身が作出したのなら、その作出した者が自ら作出したダミーの状態を悪用して「ダミーの団体の名前を書けばよいはずだ」という主張をするのはおかしい、そのような主張をする資格はない、という解釈もありえる(民法の「背信的悪意者」や「通謀虚偽表示」と同じような論理 ? )。おそらく、検察はこちらの解釈を狙っていたと思う。だから、小沢秘書を逮捕して「自供」を迫ったのだと思う。

しかし、この解釈で有罪とするのも無理だ。まず、この解釈が裁判所に受け入れられる可能性はまずない。民事法では具体的妥当性から「背信的悪意者」などの融通無碍な解釈もありだが、刑事法では罪刑法定主義があるから、行為者の悪質性や認識内容によって「献金した者」が或る場合はAで他の場合はBだというような、予測可能性のない恣意的な解釈は許されない(「献金した者」に当たるかという構成要件該当性の問題は、故意か過失かという認識内容の問題の前に決めるべき問題だから)。だから、このような解釈を裁判所が認める可能性はない。また、万が一、このような解釈を裁判所が認めたとしても、「大久保秘書が自らダミーの状態を作出した」という事実は存在しないから、事実認定の問題として有罪にするのは無理だ。つまり、事実として、もし今回のようなダミーの状態を西松建設と一緒に作出した人物が居たとしても、それは、小沢秘書の大久保さんではなく、その前任者の高橋という現在は自民党から出馬予定の人物であるからだ(そのように多くの人がネットなどで書いている)。だから、これも、事実認定の問題として無理だろう。

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