鳩山・民主党代表の事務所の「故人献金」の件で、本日付け日経の社説が、「鳩山氏本人は記者会見で「全く知らなかった。一秘書のやったことだが監督責任はある」と語った。すでに修正報告をし、秘書を解雇する意思も示した。 しかし政治資金報告書の虚偽記載は故意でなくても重大な過失があれば「3年以下の禁固または50万円以下の罰金」の罪に問われる。長期間にわたって事実と異なる記載を放置してきた鳩山氏の責任は重い。」と書いていたのを見てびっくりした。
この日経社説の「しかし政治資金報告書の虚偽記載は故意でなくても重大な過失があれば「3年以下の禁固または50万円以下の罰金」の罪に問われる。長期間にわたって事実と異なる記載を放置してきた鳩山氏の責任は重い」という記載は、鳩山氏の秘書の行為が、小沢秘書の起訴事実と同様の政治資金規正法の「虚偽記載の罪」に該当することを前提として書いているように読める。
しかし、小沢秘書を起訴した検察の主張は、「他人から献金を受けた場合において(他人から献金を受けたことを前提として)、寄付行為をした者の名前として別の者の名前(虚偽の名前)を記載したこと」が「虚偽記載の罪」に該当する、というものだ。
これに対して、今回の鳩山代表の説明では、「故人献金」の記載をした金額は、「そもそも他人からの献金ではない、もともと自分の資金だった」(※下記の追記のように「政治団体への貸付」だったとする場合)と言っているのだから、そもそも「他人から献金を受けた場合」ではないのだ。
だから、(※下記の追記のように、少なくとも「鳩山氏から政治団体への貸付」だとする場合は)鳩山氏の秘書について、仮に検察の解釈を前提としても、少なくとも小沢秘書と同様の「虚偽記載の罪」が成立するという余地は全く無い。
日経は、こんな基礎的なことも無視して社説を書いてるのだろうか・・・。日経は、民主党の政策が財源などで心配だとか言っているが、日経の方こそ「大丈夫か」と心配だ。
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追記(2009/7/2):上記の内容に関わることなので、名音さんへのコメントをコピーしておきます。
「>「自分」も自分の政治団体から見れば「他人」では?
>だから献金額の上限とか、貸付とかいった話になったのだと思っていました。
確かに、そうですね。言われてみれば、そのように思います。
「自分=他人」までは考えませんでした。
だから、(1)鳩山さんの資金が「献金」だとする場合は、「自分(鳩山)=他人」の献金だから、形式的には「虚偽記載の罪」になるということでしょうね。ただ、実質的にみると、虚偽記載の罪が設けられたのは、主として「闇献金」や「迂回献金」を抑制するという目的でしょうから、鳩山さんのように「自分=形式的には他人」が出したという場合は法律が罰則を予定していない事態で、違法性は少ないとはいえるでしょうね。
他方、(2)鳩山さんの資金が「献金」ではなく「貸付」だとすると、そもそも「献金=寄付」は無かった(「寄付行為」が無かった)のだから、やはり、「寄付をした者の名前として、別の者の名前を記載した」という意味での(小沢秘書が問われているのと同じ意味での)「虚偽記載の罪」が成立する余地はないのでは、と思います。ただ、この場合も、政治資金規正法の何らかの条文には違反しているのかも知れません。」(コピー終わり)
※1 鳩山さんが「貸付」と言っているのか「献金」と言っているのか、ここ数日ニュースをあまり見てないので、分かりません(TheJournalのコメントによると、鳩山さんは「貸付」と主張しているようです)。
※2 僕は、政治家の政治団体は、政治家個人の事務所で、個人とイコール(個人事業主の「屋号」のようなもの)かと思っていました。そうではなく、政治家個人とは別個の「法人格」が認められているのでしょうか・・・?
※3 仮に「貸付」ではなく「献金」だったとしても、政治団体に「法人格」がないならば、「政治団体の代表者個人=政治団体」なので、政治家個人から政治団体への「自分から自分への献金(資金移動)」は法律的に在り得ないので、そもそも「献金=寄付」それ自体が存在しない、「寄付をした者」も居ない、だから、「寄付をした者の名義を偽って記載した、虚偽記載の罪」も成立する余地はない、と言えると思います。
つまり、「献金=寄付」は、「他人と自分との間」でのみ成り立つもので、「自分(政治家個人)と自分(法人格のない団体=個人)との間」では法的に成り立たない。「献金=寄付」とは、「他人からの資金移動」の一種であり、「自分から自分への資金移動」は、正確な意味における「献金=寄付」には該当しない(当ブログでも呼んでるが、比喩的な意味で「献金」と呼ぶことはあるとしても)。
よって、もし政治団体に「法人格」がないならば、政治団体の代表者(政治家)個人の資金を使うことは、「献金=寄付」ではなく、「単に自分が自分の資金を使っているだけ」ということになると思います。
※4 ただ、他のサイトで「公職の候補者が、登録してある自分の資金管理団体に寄附する場合は特例があり、年間1000万円までは認められる。」とあった。これが本当なら、「自分(政治団体の代表者個人)から自分(の政治団体)へ寄付すること」は法的に存在するらしい(政治団体の法人格の有無とは別の問題なのか? とすると、上記の「※3」は誤り、となる)。どうもよく分からなくなった・・・。政治団体は税金がかからない?ことと関係あるんだろうな。僕が政治資金の基本をよく理解していなかったのかも知れない(今もよく分からない)。
※5 鳩山由紀夫メールマガジン406号によると「本人からの寄付には1000万円の上限がありますが、本人が資金管理団体に貸し付けるという方法をとれば上限はありません。したがって、収入の不足分を私が預けたお金を貸付の形にすれば問題がなかったのですが、既に過去の私の貸付総額が8000万円を超えていたので、これ以上借りられないと思ったのかもしれません。弁護士は当該秘書の行為は保身のためだろうと記者会見では述べていました。その通りかと存じます。」とされている。
政治資金規正法
第9条 政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係る次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.すべての収人及びこれに関する次に掲げる事項
ロ 寄附については、その寄附をした者の氏名、住所及び当該寄附の金額
第22条の6
1何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない。
3 何人も、第1項の規定に違反してされる寄附を受けてはならない。
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