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2009年8月28日 (金)

もし小沢秘書が逮捕された西松事件がなかったら、ここまでの地殻変動は無かったのでは?

2009/8/26付けの朝日新聞の早野透、星浩、坪井ゆづるによる総選挙での「民主圧勝」予測に関する対談「なぜ、地殻変動は起きたのか」では、2009/3/3に小沢秘書が逮捕された西松事件の話は出ていなかったが、この西松事件がなかったら、ここまでの地殻変動は無かったのでは、と思う。

この「地殻変動」と関係ありそうな事実を、時系列でちょっと追ってみる。

2009/3/3 小沢秘書を検察が逮捕(西松事件)・・・この後の2009年3月と4月は、マスゴミが検察からのリーク情報と世論調査を次々と繰り出して、「小沢辞めろ」と騒ぎまくった。

でも、この事件の直後から、ネットでは、検察批判(国策捜査批判)、マスコミ批判、これらと絡めた自公批判、小沢擁護の論説やブログが徐々に増えていって、4月、5月には沸点に達していた。2009/5/29には、ニューヨークタイムズも西松事件について日本の検察とメディアを批判する記事を出したほどだ(参考)。

このようにして、検察やマスコミが長年、標榜・偽装してきた「不偏不党」が”まやかし”だったのでは、と多くの有権者が気付き始めたのが、西松事件だった。

2009/5/11 小沢氏が代表辞任を表明、その約1週間後に、鳩山代表が就任・・・これで、また民主党の支持が盛り返し、麻生内閣の支持率が低迷をし始めた。

2009/5/21 朝日新聞編集委員の星浩、読売新聞編集委員の橋本五郎、毎日新聞編集委員の岩見隆夫が、麻生総理と会食・・・この頃は、まだ(僅差での敗北はあり得るとしても)自民が大敗するとはほとんど誰も思ってなかった。思ってたら、自己保身に長けたこの3人のマスコミ人が、負け犬となる麻生と誇らしげに会食するはずがない。

2009/6/12 鳩山総務相(当時)が日本郵政の西川社長の問題で辞表提出(実質解任)・・・これはすごく大きな事件だったろう。これで、内閣支持率は大きく下げた。麻生が、「かんぽの宿」の不透明な売却問題などの責任で西川社長の辞任を要求していた鳩山総務大臣を切って西川社長を守ったということは、ワーキングプア及びホームレスを増大させた小泉・竹中改革を大きく変えられないということを示したものだから、多くの有権者は失望した。

2009/6/16 鳩山代表に「故人献金」問題が発覚・・・メディアは自公の意向を受けてこれで世論を変えようと必死で騒いだが、政党支持率などはほとんど変わらなかった(※この部分は2009/8/29に追加)

2009/6/23 東国原・宮崎県知事が自民の古賀選対委員長と会談して衆院選出馬条件として「自民総裁」を提示・・・「自民が元お笑い芸人からコケにされた」というこのときから、自民党の劣化・没落・大敗予想が顕わになった。

2009/7/12 東京都議選で民主圧勝・自民大敗

こうみると、5月21日の大新聞の星浩、橋本五郎、岩見隆夫が麻生総理と会食した時期あたりまでは、自民党の大敗はほとんど誰も予想していなかった(僅差で負けることは予想されていた)。その後、6月12日の鳩山総務相の実質解任があって内閣支持率は急落した。その直後から、鳩山代表の故人献金問題を挟みながらも、千葉市長選などの地方選で自民が民主に敗北を続けたということもあった。6月12日の鳩山総務相の実質解任から約10日後の6月23日の東国原知事の「自民総裁」発言の頃には、一気に、自民の劣化・没落・大敗予想が顕わになっていた。

しかし、6月12日の鳩山総務相の実質解任だけから、一気に自民の劣化・没落・大敗が決定的になった、ということは無いだろう。そのかなり前から徐々にマグマが溜まってて、それが鳩山総務相の実質解任が引き金になって噴出した、つまり、有権者の中で、それまでの西松事件で感じた胡散臭さと「かんぽの宿」などの日本郵政の問題で感じた胡散臭さとが化学反応を起こして、マグマが噴出したのではないかと思う。

つまり、自民の「劣化」は事実として10年以上も前からずっとあって、でも有権者にはそれが見えなかったのだが、それが、2009年6月頃から、多くの有権者にも透けて見えてしまうようになったのだろう。そのような「有権者への学習効果・覚醒効果」が、西松事件によってもたらされたのではないだろうか。

多くの有権者は、小沢秘書が逮捕された当初はよく分からなかったしマスコミを信じていたので、小沢が悪いのだろうと思っていた。でも、何か、小沢秘書逮捕に関しては、自公と検察とマスコミがグルになってるのではという「嫌な感じ」を持っていて、徐々に、自公政権と検察とマスコミに対して、「どうもおかしい、胡散臭い、自公はヤバイのでは」と感じるようになっていった。そういう感じが2009年の4月、5月、6月と経過していく間に、徐々に熟成されて、だんだんと「覚醒」して行ったのだと思う。

だから、結局、こうなったのは、自公・検察・マスコミが(西松事件で)墓穴を掘ったんだと思う。

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雑談(政治関係)」カテゴリの記事

コメント

寝たろうさん、こんばんは(いま28日pm4:15頃です)

ことしに入ってからの変遷、大変おもしろく読みました。
もっと、前をたどれば、言われるように10年前から、地殻変動らしきものはあったんでしょうね。
それが小泉トリックでゆれ戻しがあった。
でも、底流には自民党政治に対する不平不満のマグマがたまっていた。
特に農村を中心とした地方の反乱。これを顕在化させた小沢さんはやっぱりすごい人ですね。
そして、ことしになってかんぽの宿~西松事件になって既得権益の正体というものは見えてきましたね、はっきりと。
これは僕にとっても大きかった。
インターネットの力も大きかったですね。

そして、なんといっても、鳩山さんへの絶妙な代表交代。
小沢さんだったら、コアの人たちには熱狂されたでしょうが、
ここまでの支持拡大はむずかしかったのでは、と思います。

すべてが好転しはじめた・・・といっても、こんどの日曜日ですね。浮かれないでいきましょう。

投稿: xtc4241 | 2009年8月28日 (金) 16時33分

xtcさん
こんにちは
僕は昔から新聞は読んでましたけど、政治の陰謀論とかを読み始めたのは今年1月の「かんぽの宿」の陰謀論(まあ半分は当たってるでしょう)をネットで見たのが初めてですね。西松事件でも。
多くの人もそうなのでは、と思います。

>そして、なんといっても、鳩山さんへの絶妙な代表交代。
>小沢さんだったら、コアの人たちには熱狂されたでしょうが、
>ここまでの支持拡大はむずかしかったのでは、と思います。

僕もそう思いますね。健康問題を考えても、みんな、小沢さんが本当に首相になれるのかと半信半疑だったと思います。代表が鳩山さんに代わって良かったと思いますね。

投稿: 寝たろう | 2009年8月28日 (金) 18時58分

TB有り難うございます。

西松献金事件は仰るように、結果的に民主党大勝に力を貸したことに
なるのでしょうね。事件前の小沢党首の人気も高いものがありましたが、
小沢アレルギーは国民の間にも根強くあります。それを払拭し、尚且つ
検察と自民の蜜月が取り沙汰された。その後の草薙氏の事件のように、
検察の行動にも疑問符が呈されるようになった。大きな転機でもあった
のでしょうね。
国民はたとえ大本営発表でも、きちんとその真贋を見極め、正否を
論じることが大事だということが、今回の結果として現れたのかも
しれませんね。

投稿: 在野のアナリスト | 2009年8月31日 (月) 23時50分

在野のアナリストさん
こんにちは
コメントを読んで、西松事件は、多くの国民の「小沢アレルギー」を少し和らげる効果もあったのかなと思いました。
検察とマスコミにあれだけボコボコにやられてたので、小沢さんへの半官びいきが生まれたという効果はあったでしょうね。

投稿: 寝たろう | 2009年9月 1日 (火) 10時51分

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