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2009年8月30日 (日)

民主鳩山代表の論文に米国で批判

民主党の鳩山代表がニューヨーク・タイムズに寄稿した論文「A New Path for Japan (日本の新しい道)」が米国で批判されているらしい。論文の翻訳がこのサイトに出ている。

この論文の主張の要点を自分なりにまとめると、次のとおりだ。

米国が主導する市場原理主義(グローバリゼーションと称されるもの)への批判・・・日本は常に、米国が主導する市場原理主義(今では「グローバリゼーション」と称するのが一般的だが)に揺さぶられてきた。市場原理主義者達が追及した資本主義社会において、人間は「目的」ではなく、「手段」「人件費」として扱われた。結果的に人間の尊厳が失われた。※この部分は、前回の記事で引用した森永卓郎さんの論説(新自由主義が立脚する新古典派経済学によれば、経済成長の担い手は資本家なのであって、けっして労働者ではない。だからこそ、資本家を大切にすべきだという論理になり、彼らへの分配を手厚くするわけだ。資本家にとって、労働者は付加価値を生むための部品に過ぎない)と同じ内容だ。

「友愛」の精神への回帰を・・・今こそ、我々はフランス革命のスローガン「自由・平等・博愛」の精神、「友愛」の精神に回帰すべきである。それは自由主義に付随する危険を緩和する為に有効である。友愛の精神は、行き過ぎた、現在のグローバルな資本主義を、伝統的に育まれてきた、ローカルな経済活動に適合するよう調整する為の原則と言って良い。政治家として、我々には、このような、グローバリズムで見捨てられた「非経済的な価値」に、再度、光を当てる責任がある。

東アジア経済統合へ・・・イラク戦争の失敗や、金融危機を見るにつれ、米国主導型のグローバリズムが最早、終わりに近づいており、米国の影響力は低下しつつあり、国際社会は多極化の時代に向かいつつある。我々は、東アジアの経済的な統合、通貨統合や東アジア共同体の建設を目指すべきである。

上記の①~③は、上記の翻訳のサイトを読んでまとめた(英文は読んでない)だけだけど、特に変なことは書いてないと思った。民主党が今まで主張してきた「小泉・竹中構造改革路線への批判とその修正」と同じことを述べているだけだと思う。

ただ、「イラク戦争の失敗・・・」「米国主導型のグローバリズムが最早、終わりに近づいており・・・」「米国の影響力は低下しつつあり・・・」などの文言があるので、米国側は、(本当のことだとしても)格下から指摘されてプライドを傷つけられたというか、いままで大人しく後ろを付いてきた「ポチ」が歯向かってきた、「敵対的」になったと感じて、過剰反応して鳩山論文を批判しているのではないだろうか。日米安保条約の重要性についてもリップサービスでもう少し強調しておいた方がよかったかも^^)。まぁ文章の表現には気をつけた方がよいということで、国内向けなら全然問題ないけど、米国で発表するのなら、もう少し、いろいろと表現を変えた方が良かったとは思う。

新自由主義が立脚する新古典派経済学を信奉している池田信夫さんが鳩山論文を強く批判しているのは当然だろう。ただ、この池田さんの批判を読んだが、「友愛(fraternity)」という言葉の使い方がおかしいというような重箱の隅をつつくような批判だけで、正面からの批判は無かった。もっと「新自由主義からの批判・反論」をして欲しいと思ったが、それが難しいからこそ、こういう重箱の隅をつつく批判になったんだろうな。

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追記: この件では「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」(2009/8/31)が面白い。以下に一部引用。

財源についてどうのこうの、と書こうかと思ったんですが、結局まあ、新聞はバイアスだらけでほんとにいい加減だ、というオチになってしまうわけですね。

サワリだけ書いておくと・・・

これまでの自民党の無駄遣いにより、たまりにたまった800兆円の公債残高があるわけですね。この借金の塊、ここまで来るのに10年以上、500兆を超えてから約3年でココまで来ている。

今まで黙っていて、何もしなかったくせに民主党の10兆円の支出、つまり借金のわずか1%を増やすのはケシカランといっている新聞がよほどケシカランのです。

もっと言うと、日本には100兆円の予算規模があるわけです。そのうちの10%経費を節減してこっちにまわせ、といっている訳でして、皆さんの会社で10%の経費節減を無理だ、とか不可能だとか言っていたらクビでしょう、それは。

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コメント

■鳩山代表に欧米から反発噴出 「東アジア共同体」に「友愛」-評論家的態度は慎むべき
こんにちは。鳩山代表、エコノミストに寄稿しましたが、欧米から反発が噴出しています。長い間野党として評論家的なことばかり言ってきたので、日本という国の特殊性を考えず、さらにアメリカの長期戦略などあまり理解しないまま寄稿したのだと思います。一国の元首の国際デビューとしてはお粗末だったと思います。しかし、誰にでも失敗はあるものですから、これから、鳩山さんも民主党の人たちもきちんと勉強して、二の轍を踏まないようにしていただきたいと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2009年9月 1日 (火) 12時00分

■鳩山代表に欧米から反発噴出 「東アジア共同体」に「友愛」-評論家的態度は慎むべき
こんにちは。鳩山代表、エコノミストに寄稿しましたが、欧米から反発が噴出しています。長い間野党として評論家的なことばかり言ってきたので、日本という国の特殊性を考えず、さらにアメリカの長期戦略などあまり理解しないまま寄稿したのだと思います。一国の元首の国際デビューとしてはお粗末だったと思います。しかし、誰にでも失敗はあるものですから、これから、鳩山さんも民主党の人たちもきちんと勉強して、二の轍を踏まないようにしていただきたいと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2009年9月 1日 (火) 12時02分

yutakarlsonさん
こんにちは
鳩山代表の論文の件は、鳩山さんが日本のVoiceに投稿した論文を、米国の出版社が勝手に翻訳して公表したものをニューヨークタイムズが転載したもので著作権侵害ではないかという話もあるようですね。池田信夫さんが書いてました。まぁ真相は分からないようですが。http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/018fdd795763b4a72fce875f9ac20b76

投稿: 寝たろう | 2009年9月 1日 (火) 13時20分

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