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2010年1月30日 (土)

検察の筋書き・目論見とその破綻

さっきコンビニで週刊文春と週刊新潮をパラパラと読んで、どちらだったか忘れたけど、1/23の小沢氏の事情聴取の前日の検察庁での会議で、所得税法違反(脱税)に詳しい検察官が参加していた、だから検察は最終的には所得税法違反(脱税)を狙っている、と出ていた。つまり、出口戦略として脱税を狙っていた。

まぁ、このくらいことは小沢さんは当初から見抜いていただろう。

ただ、この記事を読んで、僕は、今回の検察の筋書き(全く大したものではない)が見えた気がした。

今回の検察の当初の目論見は、今回の石川議員と池田元秘書と大久保秘書を起訴すると同時に、大久保秘書・石川議員または池田元秘書の共犯として小沢氏を在宅起訴する、それと同時に小沢氏の自宅の家宅捜索をして脱税の証拠となりえるものを全て取り押さえる、ということだったろう。

つまり、小沢氏の政治資金規正法違反(虚偽記載か不記載の共犯)としての起訴を突破口とし、小沢氏の私邸を家宅捜索して尻尾をつかみ、出口は脱税という、金丸元自民党副総裁を脱税で起訴したときの検察の成功体験(金丸私邸の家宅捜索で金の延べ棒が出てきてその原資について脱税で起訴)をそのままなぞろうとするものだ。

だからこそ、あれだけ、4億円の「原資」を執拗に問題にしたのだろう。検察としては、どうせ水谷建設の元社長の証言は(方々でウソの供述や証言をしまくってるので)証拠価値がないので裏献金で起訴は難しいと思っていた、しかし、4億円の原資を小沢氏がうまく説明できなければ脱税で起訴できると踏んでいたのだろう。

しかし、複数の点で、検察の誤算が露わになった。というか、もともと、僕のようなレベルの人間でさえ検察の筋書きが読める(気がする)のだから、検察の力はすごく落ちてると感じる。

その検察の力の劣化こそが、今回の検察の一番の誤算ではなかったのか。

1/23の事情聴取と石川・池田・大久保の取調べ状況などからみて、今回の検察の当初の筋書きは、既に完全に破綻してしまったと思う。なぜなら、次の2つの誤算が生じたからだ。

まず第1に、小沢氏が、1/23の聴取で、4億円の原資について一応成り立つ説明をしてしまったことだ。これで、4億円の中の1億円か5千万について「原資が不明」として脱税を問うことが極めて難しくなった。

第2に、大久保秘書が「自分は収支報告書の虚偽記載には関与していなかった」と供述している(そして、石川・池田両氏も、大久保秘書との共謀などはないと供述している)ことも、検察には大きな誤算だった。

このままでは、大久保秘書は「重過失による虚偽記入」での起訴しかなくなる。

つまり、このままでは、鳩山首相の秘書たちと全く同じパターンになってしまう。以下の読売新聞の記事は鳩山さんの秘書についてのものだが、事務担当者が石川議員と池田元秘書、会計責任者が大久保秘書となるという個人名が違うだけで、それ以外は全く同じパターンになってしまう。

「2009年12月24日 読売新聞 偽装献金、首相は嫌疑不十分で不起訴

 鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、東京地検特捜部は24日、同会の事務担当者だった勝場啓二・元公設第1秘書(59)を政治資金規正法違反(虚偽記入)で東京地裁に在宅のまま起訴した。

 会計責任者だった芳賀大輔・元政策秘書(55)(現・私設秘書)については、同法違反(重過失による虚偽記入)で東京簡裁に略式起訴し、同簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。」

(※罰則を定めた25条では「第25条 次の各号の一に該当する者は、5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処する。1(略) 2(略) 3 第12条第1項の報告書・・に虚偽の記入をした者 」となっているので、「虚偽の記入をした者」は、会計責任者ではなくタダの事務担当者でも、「正犯」になりえるようだ。末尾の条文を参照

いずれにせよ、大久保秘書や石川・池田両氏との共謀についての供述が得られていない以上、小沢氏を政治資金規正法違反の大久保秘書などの「共犯」として起訴することなど夢のまた夢だ。

当初からの検察の狙いは、とにかく小沢氏を在宅でも何でもいいから起訴したい、それができされすれば、直ちに小沢氏の私邸を家宅捜索して脱税の尻尾をつかむことができる、というものだった。しかし、上記のような流れで、小沢氏の起訴は極めて難しくなった。

今の検察首脳は、もはや打つ手なしで、首を洗って待つような心境で居るのではないだろうか?

政治資金規正法12条と25条の引用

第12条 政治団体会計責任者(報告書の記載に係る部分に限り、会計責任者の職務を補佐する者を含む。)は、毎年12月31日現在で、当該政治団体に係るその年における収入、支出その他の事項で次に掲げるもの(これらの事項がないときは、その旨)を記載した報告書を、その日の翌日から3月以内(その間に衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の公示の日から選挙の期日までの期間がかかる場合(第20条第1項において「報告書の提出期限が延長される場合」という。)には、4月以内)に、第6条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならない。
1.すべての収入について、その総額及び総務省令で定める項目別の金額並びに次に掲げる事項
イ 個人が負担する党費又は会費については、その金額及びこれを納入した者の数
ロ 同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間5万円を超えるものについては、その寄附をした者の氏名、住所及び職業、当該寄附の金額及び年月日並びに当該寄附をした者が第22条の5第1項本文に規定する者であつて同項ただし書に規定するものであるときはその旨
ハ 同一の者によつて寄附のあつせんをされた寄附で、その金額の合計額が年間5万円を超えるものについては、その寄附のあつせんをした者の氏名、住所及び職業並びに当該寄附のあつせんに係る寄附の金額、これを集めた期間及びこれが当該政治団体に提供された年月日 (以下、略)
第25条 次の各号の一に該当する者は、5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
1.第12条又は第17条の規定に違反して報告書又はこれに併せて提出すべき書面の提出をしなかつた者
1の2.第19条の14の規定に違反して、政治資金監査報告書の提出をしなかつた者
2.第12条、第17条、第18条第4項又は第19条の5の規定に違反して第12条第1項若しくは第17条第1項の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に記載すべき事項の記載をしなかつた者
3.第12条第1項若しくは第17条第1項の報告書又はこれに併せて提出すべき書面に虚偽の記入をした者《改正》平19法135
2 前項の場合(第17条の規定に係る違反の場合を除く。)において、政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、50万円以下の罰金に処する。」

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» 4億円の記載問題は、マスコミの時限爆弾だったw [雑感]
 昨年の12月末に民主党小沢氏の資金管理団体・陸山会が4億円未記載との記事が流れた。自分はその時から違和感を覚えていた。 なぜなら過去に、陸山会の4億円の記載の話を聞いた(見た)という記憶があったからである。確かに見た記憶はあるのだが、何処で見たものなのか思い出せずにいた。 この4億円の疑惑というか記載問題に火をつけたのは「世田谷の土地の登記の日付が違うと報じた」読売が最初であった。その後形を変えて後追い記事を一斉にマスコミが書き始め、いつの間にか、未記載とされ虚偽記載とされている。 (朝日では)2... [続きを読む]

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» 特捜とマスコミの手の内 [雑感]
 「未記載」なのか「誤記載」なのか、それとも「虚偽記載」なのかマスコミの圧倒的なリーク情報で暈されてしまい今回の問題点が見えなくなってきたw 「収支報告書に記載をしなかった」という事が問題にされていると言うことをまずは、踏まえなければ話にもならない。 週末の朝生を始めとし日曜日の各テレビ局の報道番組と同時にtwitterではリアルタイムでマスコミ批判や検察批判が起きている。その量の多さに目を見張る思いである。 完全に「 切り取った情報を流す大手マスコミ 」と「記者会見に参加をしているフリージャーナリ... [続きを読む]

受信: 2010年2月 1日 (月) 21時05分

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