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2010年2月 7日 (日)

石川議員らの虚偽記載罪は成立しない?

石川議員らは無罪!?

永田町異聞というブログの2010/2/5の記事に、今回の石川議員らの起訴事実(検察のストーリー)が紹介されていますが、それによると次のとおりです。

http://ameblo.jp/aratakyo/

・「石川議員と大久保秘書」は、2004年に陸山会が小沢氏から借りた4億円で、3億5200万円の土地を購入したが、4億円を2004年分の政治資金収支報告書の収入として記載せず、土地代金約3億5200万円も支出として記載しなかった。

・「池田元秘書と大久保秘書」は、2004年に支出した3億5200万円の土地代金を2005年分の収支報告書に支出として記載した。小沢氏から借りた4億円は2007年に小沢氏に返済されたが、同年の支出に記載しなかった。

・2004年に陸山会が小沢氏から借りた4億円は2007年に小沢氏に返済された。借りたことも返済したことも報告書に不記載。

・土地代金約3億5200万円の支出は、2004年分の政治資金収支報告書の収入として記載せず、2005年分の収支報告書に支出として記載した。

・4億円を定期預金にして、その代わり小沢氏が銀行から4億円の融資を受け、陸山会へ転貸した件は、2004年の報告書に記載された「小澤一郎 借入金 4億円」に該当するという判断のようだ。

また、阿修羅のsmacさんが「虚偽記載は存在しない」という論考を出しています。http://www.asyura2.com/10/senkyo79/msg/440.html

これらを併せ見た私の考えを、次に記します。

1..検察ストーリーで組み立てられた事実は次のようなものでしょう。

①2004年に、陸山会が4億円(小沢氏の個人資産)を小沢氏から借りた・・・それなのに、石川議員は、この4億円の収入の記載をしなかった。

②2004年に、陸山会が3億5200万円を支出して秘書寮用の土地を購入した・・・それなのに、石川議員は、この3億5200万円の支出の記載をしなかった。

③2004年に、小沢氏個人が銀行から(第三者である睦山会の4億円の定期預金を担保にして・・・このような第三者の預金を担保に銀行から借りる形態は珍しくない)4億円の融資を受けて、それを陸山会へ転貸した・・・石川議員は、正しく、2004年の報告書に「小澤一郎 借入金 4億円」と記載した(ここには虚偽記載はない)。

④2005年に秘書寮用の土地の移転登記をしたとき、土地の代金3億5200万円の支払いはしていない(上記②のように支払いは2004年にしている)・・・それなのに、池田元秘書は、土地移転登記と同時期の2005年に「3億5200万円の支出をした」と虚偽の記載をした。

⑤2007年に、「2004年に陸山会が小沢氏から借りた4億円」を、池田元秘書が現金を小沢氏の自宅に運んで、小沢氏に返済した・・・それなのに、池田元秘書は、この4億円の支出の記載をしなかった。

2.上記1の検察ストーリーの見立てに対して、私の見立ては次のとおりです(※阿修羅のsmacさんの見解と同じで、smacさんからその旨の返事を頂きました。なお、下記の「預り金」という言葉は、会計上の意味をよく知らないので日常的な意味で使っています)。

①2004年に、小沢氏が自分の個人資金の4億円を、陸山会の金庫の中に、「自分個人の金」として、入れた(事実上現金の場所を移動させただけで、陸山会が借りたのではない)・・・「陸山会の収入」ではない(陸山会にとってはただの預り金?)ので報告書の記載義務はない、よって、石川議員は、正しく、収入として記載しなかった(もし記載していたら逆に虚偽記載となってしまったところだった)。

②2004年に、小沢氏が、「陸山会に預けておいた小沢氏個人の金の4億円の一部」を使って、3億5200万円の土地を購入した(その結果、陸山会ではなく小沢氏個人が土地の所有者となった。小沢氏は陸山会への転売予定で一時的に個人として購入しただけ)・・・土地代金の支出は「小沢氏個人の支出」であって「陸山会の支出」ではないので報告書の記載義務はない、よって、石川議員は、正しく、支出として記載しなかった(もし記載していたら逆に虚偽記載となってしまったところだった)。

③2004年に、小沢氏個人が銀行から(第三者である睦山会の4億円の定期預金を担保にして・・・このような第三者の預金を担保に銀行から借りる形態は珍しくない)4億円の融資を受けて、それを陸山会へ転貸した・・・石川議員は、正しく、2004年の報告書に「小澤一郎 借入金 4億円」と記載した(ここには虚偽記載はない)。・・・この③だけは検察の見立てと全く同じ

④2005年に、陸山会が、「上記③の小沢氏からの借入金4億円(小沢氏個人が銀行から融資を受けて陸山会に転貸した4億円)」の中から出した3億5200万円を、土地の購入代金として、「上記②により土地の所有者となった小沢氏個人」に支払った・・・池田元秘書は、正しく、「土地移転登記と同時に3億5200万円の支出をした」と記載した(もし記載しなかったら逆に虚偽記載となってしまったところだった)。

・・・上記①で陸山会の金庫に預けられていた「小沢氏の個人の4億円」は、「上記②の土地代金3億5200万円の小沢氏個人としての支払い」により、5千万円に減っていたが、この④の土地代金3億5200万円の入金により、元の「4億円」(小沢氏個人の資金=陸山会にとっての預り金)に戻った。

⑤2007年5月に、「上記①の2004年に小沢氏が自分の個人の金として睦山会の金庫に入れていた4億円(上記②でいったんその一部が出たが上記④で元の4億円に戻っていたもの)」を、池田元秘書が小沢氏の自宅に運んだ(現金の場所を移動させただけ)・・・「陸山会の支出」ではないので(陸山会の小沢氏個人からの預り金を小沢氏個人に戻しただけなので)、池田元秘書は、正しく、支出として記載しなかった(もし記載していたら逆に虚偽記載となってしまったところだった)。

3.備考

(1)上記1の見立てと上記2の見立てのどちらかは、客観的な事実の有無の問題と思います。

つまり、西松事件でも、

A.政治団体がダミーかどうか(客観的な事実の有無)と、

B.仮にダミーだとして、故意があったかどうか(被告がそれを認識していたかどうか)、

との2つの問題に区別されました。

この事件でも、同様に、

A.上記①~⑤の事実は客観的にどのように見るべきか=客観的に「虚偽記載の事実」は存在したかどうか、

B.仮に虚偽記載の事実が存在したとして、石川議員らに故意があったかどうか(その虚偽記載の事実を認識していたかどうか)、

との2つの問題に区別されます。

上記の1(検察ストーリー)か2かは、上記Aの客観的な虚偽記載及び不記載の事実の有無の問題です。したがって、石川議員らが主観的にどのように考えていたかは、上記1の検察ストーリーが正しいか上記2の見立てが正しいかとはほとんど関係しません。これは、政治資金規正法の観点や会計の観点から、どのように事実を見るのが妥当かの問題と思います。

(2)これらの観点から検討しておきます。

上記①の「4億円」が「小沢氏から陸山会への貸付(=陸山会の収入=検察ストーリー)」か「陸山会への貸付ではない(=小沢氏個人の資金のまま=陸山会の預り金)」かについては、現金のまま金庫に入れておけば上記2の見立てに傾きますが、石川議員が小分けして陸山会の口座に入れている場合(実際はこれのようです)は、上記1(検察ストーリー)の見方の方がより自然ではないかということになると思います。

上記②の2004年の土地代金の支払いが「陸山会としての支払い(土地の所有者は陸山会になった)」(=検察ストーリー)か「小沢氏個人としての支払い(この時点での土地の所有者は小沢氏個人)」かは、2004年の土地代金の支払いに際しての土地売買契約書の中身によりどちらかに傾くと思います。例えば、土地売買契約書に買主として「陸山会 代表 小沢一郎」と記載されていれば、検察ストーリーの見方がより自然だということになると思います。他方、この土地売買契約書に買主として「小沢一郎」(陸山会の記載なし)と記載されていれば、陸山会ではなく小沢氏個人が購入したという見方が説得力を増すと思います。

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コメント

フォローになりますが、
調べるまでもなく、土地の購入の際に「陸山会としての支払い」をすることはできません。

「権利能力なき社団」という言葉をご参照ください。

投稿: DM | 2010年2月 8日 (月) 22時45分

DMさん
初めまして。
土地の売買契約書の件ですね。
実際上、「○○会代表○○」と書くことはあると思いますよ。個人事業主でも銀行預金の通帳に「○○商店 田中太郎」と印刷してもらうことがあります。自治会でも「○○町内会代表○○」と書くことあるのでは?

投稿: 寝たろう | 2010年2月 9日 (火) 01時23分

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» 非常にアンバランスなマスメディア [雑感]
   今日、と言うか今朝の新聞には、石川議員の離党が既成事実のように書かれている。その 記事の中には申し訳程度に共通して書かれている事 がある。 _____________________________________________________________ 産経 =起訴内容については、「 意図的に虚偽の収支報告をしたことはない。水谷建設などから不正な金銭を受領したことも一切ない。そのような事実を隠すために、収支報告書の虚偽記載をしたこともない 」と述べ、捜査段階の供述を一転、故意の虚偽記... [続きを読む]

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