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2010年11月13日 (土)

流出した海保ビデオは「既に公開されていた」から「秘密」に該当しない

流出した尖閣諸島の海保ビデオが、海上保安庁の幹部候補養成機関・海上保安大学校(広島県呉市)のコンピューターの共有フォルダーに保存され、多くの海保職員が一時期見られる状態だったことが報道されました。

今も任意の事情聴取を受けているsengoku38の容疑は、国家公務員法の守秘義務違反。

この「秘密」の要件として、

①まだ公開されていないこと

②実質的に秘密として保護すべき価値があること

の2つが要件とされています。

そして、②の秘密としての価値があるかどうかが、専門家の間で議論されています。

しかし、上記の報道の事実(本件の海保ビデオが、海上保安庁の幹部候補養成機関・海上保安大学校(広島県呉市)のコンピューターの共有フォルダーに保存され、多くの海保職員が一時期見られる状態だった)によると、

本件の海保ビデオは、海保大学校生という「学生」(おそらく高度な守秘義務はない)にも公開されていた可能性があること、仮に「学生」に公開されていなかったとしても、海保の当局にも把握できないほどの多数の海保職員により自由に(パスワードなしで)閲覧されていた、ということです。

とすると、本件の海保ビデオは、既に「公開されていた」と等しい状態だったことになり、上記①の「まだ公開されていない」という要件を満たさないことになるので、この点からも守秘義務違反に該当しないことは明らか、ということになりました。

したがって、検察・警察がsengoku38を逮捕することはもはやできないことが決定的となりました。

追記:不正競争防止法では、秘密といえるためには「(社内でアクセスできる職員が限定されているなど)秘密として管理されていること」(秘密管理性)が要件とされており、「社内の全員が自由に閲覧できた情報」などは秘密とはいえないとされています。この点からも今回のビデオは秘密ではなかったと言えそうですが、国家公務員法の秘密にもこの秘密管理性が要件とされているのかはよく分かりません。

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コメント

この職員が最終的に守秘義務違反かどうかは微妙な所ですが、それは置いておくとして、少し誤解があると思います。

海上保安大学校の学生は、入校と同時に国家公務員として海上保安庁の職員に採用されるので、全員、守秘義務があります。

また、海保職員全体も守秘義務があります。

どんなに多人数が接触可能でも、守秘義務を有する者にしか接触が有されていない情報は公開されてるとは言えません。

これは公務員に限らず、不競法等における企業の社外秘の取り扱いでも同じです。

公開と言うのは、原則、守秘義務を有さない第三者が接触可能な状況が必要です。

投稿: 誤解 | 2010年11月15日 (月) 06時09分

コメントありがとうございます。
「どんなに多人数が接触可能でも、守秘義務を有する者にしか接触が有されていない情報は公開されてるとは言えません。」

この点はどうかなと思います。
例えば、全国の警察官は10万人以上いるでしょうが、この10万人が自由に見れる状態なら「公開された」とみてよいと思います。
しかも、海保大学校ではパスワードなしで閲覧可能だったので、パソコンの近くに居られる人なら、学生でない一般人(例えば、海保大学校で働いているアルバイト)でも閲覧できたのではないでしょうか?

投稿: 寝たろう | 2010年11月15日 (月) 09時38分

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