カテゴリー「基本発明」の14件の記事

2009年8月25日 (火)

農作業用の「身体装着式の腰掛け」の発明

昨日(2009/8/24)のNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」を見てたら、ゲストの渡辺満里奈が農作業を手伝う場面で、お尻に腰掛け(軽い素材)をベルトで装着しているのを見て、これはスゴイ発明だとびっくりした。

かなり以前からあるのだろうかと、IPDLで調べてみたら、 この種のアイデアは、少なくとも1996年や1999年頃から既に何件か出願されている(その前からもあるかも知れない)。

1996年に出願された「身体装着腰掛け」(特願平8-321863号)は、出願後に審査請求されないまま、見做し取下となっている。

1999年に出願された「作業用補助具」(特願平11-310156号)は、特許が認められている(特許第3502795号)。次の図は、この特許の図5より引用したもの。この図の符号2が身体に装着された腰掛け。

しかし、この特許は、その前に他者が既に何件かの出願をしているので、世の中で最初のパイオニア発明という訳ではないし、特許になっていても特に基本特許という程のものではなく、多くの特許と同様に、侵害の回避が容易な周辺特許の一つというべきだろう。末尾に、この特許の特許請求の範囲の請求項1を引用しておく。

Photo_2 特許第3502795号の請求項1:

【請求項1】 腰部に固着するベルトと、該ベルトの所定位置に設けられる腰掛け体とから成り、前記ベルトは、腰掛け体との間に足を通す環状部を形成したY字形状の第一帯状部材と、腰掛け体との間に足を通す環状部を形成したY字形状の第二帯状部材とで構成され、更に、第一帯状部材及び第二帯状部材の先端同志は連結可能に構成され、前記腰掛け体は、使用者がベルトを腰部に固着してしゃがんだ際、底面が地面に設置され、上面に臀部が載置されるように構成されていることを特徴とする作業用補助具。

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2009年5月 6日 (水)

未来の夢科学絵画展(2009年4月展示)

2009年4月に東京上野・国立科学博物館で展示された「未来の夢科学絵画展」(発明協会主催)の入賞作品が発表された。全部で20点くらいあったが、その中で良いなと思ったもの3点についてメモしておきたい。

毎年、この「未来の夢科学絵画展」を見て感じるんだけど、子供には皆、大発明の才能があると思う。

「食べ物しか切れない不思議な包丁」(山口県の小学校5年の女子の作品)・・・人を切ろうとすると包丁からメロディが流れて、優しい気持ちにさせて殺人などを防ぐ包丁。 (コメント) これは、人感センサとこのセンサからの出力に基づいてメロディを出力する小型スピーカ(バースデイカードなどに内蔵されているもの)を包丁の柄に取り付けて周りを防水処理すればよい。そうすれば、「包丁を持っている人が前方の人間を刺そうとしているときは、前方に人間が居ることを人感センサが検知してスピーカからメロディを出して包丁を持っている人の気持ちを静めるようにする、という包丁」は、直ぐに実現できそうだなと思った。

「体感した感動がメロディになる演奏服」(岐阜県の中学校2年男子の作品)・・・カラダ全体で受けた感動を演奏服が感知して、それをメロディに変換して出力する、というもの。

「光合成をする家」(岡山県の中学校2年の女子の作品)・・・家の屋根や壁に光合成をする物質(植物?)を付けて二酸化炭素を減らしていこうというもの。

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2009年4月15日 (水)

ワンタイムパスワードの一方式の発明・特許

ITベンチャーのパスロジ株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役 小川 秀治)のプレスリリースによると、同社は、この度、トークンレスワンタイムパスワード製品『 PassLogic (パスロジック)』に関する日本では3件目(米国や韓国の特許を含めると6件目)の特許を取得した、らしい。

以下に一部引用。
「「パスロジック方式」は、1997年に発明された技術で2000年に米国特許が成立しています。「パスロジック方式」では、ブラウザ上に表示される乱数表の中から、各ユーザごとに設定されている“位置”および“順番”(この部分が認証情報)で数字を抽出しパスワードを生成します。乱数表は取得するたびに表内の数字が変わるため、認証毎にパスワードが変化する「ワンタイムパスワード」を実現できます
(中略)

【取得済みの Passlogic関連特許】
米国 2000年 「乱数表から抜き出してパスワードを生成するシステム(パスロジック方式)」(US6141751)
日本 2006年 「パスロジック方式に2経路を追加してセキュリティを強化したシステム」(JP3809441)
米国 2007年 「パスロジック方式をシングルサインオンとして利用するシステム」(US7206850)
韓国 2007年 「パスロジック方式に2経路を追加してセキュリティを強化したシステム」(KR10-0716082)
日本 2008年 「パスロジック方式をUSB等のデバイスで利用するシステム」(JP4090251)
日本 2009年 「ユーザが抜き出し位置を登録するシステム」(JP4275080)
※「」内は、特許の内容をわかりやすく表現したもので、実際の特許名称ではありません。」

今回の特許を取得した方式については、ここに詳しい。

また、ワンタイムパスワードの関係で同社が最初に取得した日本特許第3809441号の特許クレームは次のとおり(ちょっと長い)。

【請求項1 】
 認証サーバが、所定のパターンを構成する要素群の中から選択された特定の要素に基づくパスワード導出パターンを登録する登録ステップと、
 認証サーバが、ユーザの情報端末装置から送信された、利用対象システムに割り当てられたシステム識別情報を受け付ける受付ステップと、
 認証サーバが、前記情報端末装置から前記システム識別情報を受け付けた場合に、前記所定のパターンを構成する要素群のそれぞれに所定のキャラクタを割り当てた提示用パターンを生成する生成ステップと、
 認証サーバが、前記情報端末装置に、前記生成した提示用パターンを含む所定の画面を提示させて、前記パスワード導出パターンに対応する特定の要素に割り当てられたキャラクタの入力を前記ユーザに促す入力ステップと、
 認証サーバが、前記利用対象システムから入力された前記キャラクタを受け付け、前記提示用パターンと前記ユーザのパスワード導出パターンとに基づいて、前記受け付けたキャラクタが正当であるか否かを判断する判断ステップと、
 認証サーバが、前記情報端末装置から受け付けたシステム識別情報に基づいて、前記キャラクタを受け付けた前記利用対象システムが正当であるか否かを判断する判断ステップと、
 認証サーバが、前記判断ステップにおいて判断した結果を前記利用対象システムに通知する通知ステップと、
を備えることを特徴とするユーザ認証方法。

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2009年3月30日 (月)

「ハニカム構造」の発明(「生物の仕組みの模倣」による発明)

「生物の仕組みの模倣」により基本発明が生まれることも多い。

日経新聞の2009/3/29付けの記事「ナゾかがく ハチの巣はなぜ六角形?」に、ハニカム構造のことが出ていたので、以下に、この記事の一部を括弧(「」)で引用しながら、自分のコメントを記しておきたい。

ミツバチの巣作り、特に、六角柱を作るときの様子については、次のように書かれている。「働きバチは体内でロウを合成し、腹から出す。それを後ろ足でこすり取って口に運び、巣材として利用する。このとき、ロウを円形に固めたりせず、まず二枚の板が山型に合わさった壁を作る。次に両脇の壁を築き、下側をつなぎ合わせて六角柱にしていく。」

ハチの巣が六角柱を集めた構造をしている理由については、玉川大学ミツバチ科学研究センターの吉田忠晴教授の話として、次のような説が有力だと書かれている。「材料を最小限に抑えて可能な限り広い空間を作ろうとしている」、つまり、「巣穴が円や八角形では隙間ができ、三角形や四角形だと窮屈になる。花から集めたミツを溜め込んだり、幼虫を数多く育てたりするには、ムダを極力そぎ落とした六角形が最適だという。強度も高い。壁は0.1mmの厚みしかなく、 (中略) それでも、4千ほどある巣穴に、合計で2kgものミツを溜め込むことができる。」

こういうミツバチの巣の「六角柱を集めた構造」を模倣したのが「ハニカム構造」だ。この記事によると、「六角柱を集めて上下を板で張り合わせると、丈夫で軽い構造になる。新幹線の床、ジェット機の羽、人工衛星の壁、スキー板などに応用」されている。

確か、富士写真フィルムのデジタルカメラのCCD(電荷結合素子。画像センサの一つ)も「ハニカム配列」(ハニカム構造ではない)というのを宣伝文句にしていた。ハニカム配列だから、CCDの各画素ごとに配置される受光素子(受光領域)を狭い面積の中に隙間なく敷き詰めることができ、全体の受光面積を増大させることができるとしていた。

富士写真フィルムのホームページの説明を以下に引用しておく。これを読むと、富士写真フィルムの「スーパーCCDハニカム」は、受光領域を「六角形」ではなく「八角形」にしているようだ。

「より大きい受光面積を確保するための工夫
●CCDの弱点はスペースに対する効率の悪さ 
   手ぶれ補正についてはひとまず後回しにすることにして、まずは「スーパーCCDハニカム」が、通常使われているCCDに比べて優れている点を探っていきます。
 現在、コンパクトタイプのデジタルカメラで主流となっているCCDは、IT-CCD(インターライントランスファー方式)と呼ばれるCCDです。しかし、このIT-CCDには大きな弱点があります。それは、1つの画素あたりの受光面積が小さくなってしまいがちだということなのです。IT-CCDでは、1つの画素が電荷を発生させる受光領域と転送を行う垂直転送用CCDに分かれています。素早く写真を撮れるようにするためには、転送を行う垂直転送用CCD用の領域を優先して確保する必要があります。しかし、このような設計を行うと、どうしてもデッドスペースが必要になってしまうのです。これについては、「第3回 : 画素数と画質の関係」で紹介していますので、詳しくはこちらを参照してください。
ハニカム配列で受光面積が増大
   富士写真フイルムでは、この弱点を少しでも軽減するために、画素領域を45度傾けて配列しました。このようにCCDを並べていくとハニカム(蜂の巣)のように画素が並べられます。そこで、画素領域を45度傾けた配列をハニカム配列と呼んでいます。ハニカム配列を使ってCCDを設計すると、垂直転送用CCDの大きさを充分に確保しながら、残りの領域を受光面積として使うことができるようになるのです。この配列構造が、「スーパーCCDハニカム」のネーミングの由来にもなっています。
【ハニカム配列のCCDは、画素領域を有効に使える】
IT-CCDでは、1画素中のデッドスペースがかなり大きなものとなってしまい効率の悪い受光しかできませんが、ハニカム配列にしたCCDなら効率の良い受光を行うことが可能なのです。ちなみに、ハニカム配列でも、電荷は、1→2→3→4→5→6、と「垂直に転送」させることができます。
(『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』より)
1画素あたりの受光を効率良くするために 
   さらに、富士写真フイルムでは受光領域を拡げるために、受光領域を四角形から八角形にしました。こうすることによって、2分の1インチ200万画素タイプのスーパーCCDハニカムは、同タイプのIT-CCDに比べて受光領域が約1.6倍に、2分の1インチ300万画素タイプでの比較では約2.3倍もの大きな受光領域を確保することができるようになったのです。」

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2009年3月29日 (日)

「串なし焼き鳥」の発明(引き算の発明)

日経ビジネス2009年3月30日号28頁の「ワタミ 串なしの焼き鳥 固定観念を捨てる」の記事によると、居酒屋大手のワタミは、今年2月9日から、「和民」などで提供する「串に刺さっている焼き鳥」を、「串に刺さずに鉄板の皿の上に載せた焼き鳥」に変えたらしい。

その理由は、原価低減。「焼き鳥の原価を70円だとすると、35円が食材費で、残りの35円は串の材料費と串打ちの人件費、串を無くせば原価の半分を低減できる」からだそうだ。また、「そもそも、串を抜いて食べる人の方が多い」ことも理由の一つ。現場からは「焼き鳥のイメージを損なう」などの反発もあったようだが、実際に提供してみると、むしろ売れ行きは伸びているらしい。

日経ビジネスでは、これを「イノベーション」(革新)の一つとして紹介していた。確かに、なかなかこういう「発想の転換」はできない。これを思い付いた人は相当に発明家の才能があると思う。

でも、これで特許を取ることはできるだろうか?

答えはNoだ。今の特許法は、先人が蓄積してきた技術に何か「プラス・アルファ」を付加した「足し算の発明」が「進歩性のある発明」なのだという前提に立っている(但し、新規物質の発明などはこの前提から少し外れており、「(先人が蓄積してきた技術とは無関係の)ゼロからの発明」という場合もあり得る)。

「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」という従来技術に、「串に刺す」というプラス・アルファの要素を付加して「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」というように進化させた点に進歩性が認められて特許になり得るのだ。

つまり、「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」 → 「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」という進歩の流れが認められることによって、特許になり得る。

それが、今回の「串なし焼き鳥」は、「串に刺す」という要素を引き算することによって、「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」 → 「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」という「進歩とは逆の流れ」=「退歩の流れ」になっている。言わば、「昔に戻る」という「先祖返りの発明」だ。

こういう従来技術から「退歩」させた技術=「引き算の発明」については進歩性は認められていない(社会的には進歩だと思えても、技術的には進歩していないから)。

つまり、今の特許法では、「A+B」という従来技術に「+C」の要素(プラス・アルファ)を付加して「A+B+C」の発明としたとき、進歩性が認められ得る。

「A+B+C」に「-C」(Cを引き算)して「A+B」にしても、それは「退歩」に過ぎないから、進歩性は認められない。

他方、「A+B+C」に「+D」(プラス・アルファを付加)すると共に「-C」(Cを引き算)して「A+B+D」にしたときは、進歩性は認められ得る。例えば、「D」が「C」より安価であれば、「D」をプラスすることにより「C」がマイナス(引き算)できて、製品全体として低コスト化できるという効果が得られるからだ。

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2009年3月21日 (土)

カセットボンベで動く小型耕運機の発明

発明といっても、もう商品が販売されてそれなりにヒットしているらしいが、僕は知らなかった(日経ビジネス2009/3/23号90頁に載っていた)。

「カセットボンベ(液化ブタン)で動く小型耕運機」。

これが三菱農機やホンダから発売されてかなり売れているようだ。カセットボンベや小型耕耘機はホームセンターなどでも売っているらしい。

発想がすごいと思ったのは、農業のプロではなく、家庭菜園などの趣味のアマチュア向けの耕運機という「新たなニーズ・市場・顧客層」を発見して、それに合った商品を開発したということだ。

カセットボンベは従来のガソリンで動く耕運機と比べると燃費は半分らしいが、趣味だから燃費などのコストは余り気にならない、それよりも、家庭菜園を趣味にしている女性でも手軽に(カセットボンベを買ってきて装着するだけで)燃料の補給ができる、小型なので女性のように力がなくても操作できる、などの要素を目指したらしい。

「新たな市場を創造する」という点では、ウォークマン、iPod、ニンテンドーDS、Wii、脳トレなどに通じるものがある。

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2009年3月15日 (日)

番組再生時にCMのタイミングをユーザーが選べるHDDレコーダの発明

最近のHDDレコーダでは、番組録画時にCM部分だけカットして録画したり、番組再生時にCM部分だけスキップするような機能が付いているが、それだけでよいのかという問題はある(スポンサー側の事情も考える必要はある)。

他方で、最近の番組は、視聴者を引っ張るため、ちょうど盛り上がったところで長いCMを入れることが多いので嫌になる。

それで、これらの問題を解決するための日本ビクターの特許第4206603号(出願日:2000/4/17)の発明は、いったんはCMも含めて番組を録画しておくが、そのとき、番組本体の部分とCMの部分とを区別できるように記録しておく、そして、番組本体を再生しているときに、ユーザーが任意に選択したタイミング(例えばユーザーが番組本体の再生をいったんストップしたタイミング)でCMを再生できるようにした、というもの。

例えば、ユーザーがトイレに行きたいとか、ちょっと疲れたので休憩とかで、番組本体の再生をストップしたときに、CMが流れるようにできる。

この特許は、最近たまたま見つけたのだが、かなり天才的なヒラメキによる基本発明ではないかと思った。

以下に、この特許第4206603号の請求項1を引用しておきます。

【請求項1】
記録媒体上に記録され各番組毎の番組本編部分とコマーシャル部分とから成る番組信号を再生する番組信号再生装置であり、
前記記録媒体上から前記番組信号を再生する再生手段と、
前記再生手段にて前記番組信号における前記番組本編部分を再生中に、この再生を停止させるための停止指示が入力された場合、前記番組本編部分の再生を停止させるとともに、この再生を停止した前記番組本編部分を備える前記番組信号における前記コマーシャル部分の再生を開始させるよう前記再生手段を制御する再生制御手段と
を有することを特徴とする番組信号再生装置。

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セラミック粉で摩擦力を上げる制動装置の発明

日経ビジネス2009/3/16号の「営業運転、時速320km」の記事(137頁)に、JR東の新幹線500系に10年前から採用されている制動装置の技術が紹介されてて、なるほど! と思ったので、メモしておきたい。

2011年から東京~青森間を走る予定の新型の新幹線は時速320kmを予定しているらしいが、速く走るほど止まるまでの距離が長くなってしまう(安全性に問題がでる)のが課題だったらしい。

特に、鉄を素材とする車輪とレールとは、転がり抵抗を減らすために鏡面のように磨かれているため、急制動をかけて車輪が止まったとしてしも、氷の上を滑るように車両が進んでしまう恐れがある。

そこで、制動時だけ車輪とレールとの間の摩擦力を高める技術が発明されて実用化されている。それは、急制動をかけたときに車輪とレールとの間にセラミック粉を噴射して摩擦力を増やすというものだ。

もともとは、急勾配の路線を走る列車用に開発された技術らしい。確かに、急勾配などではズルズルと滑ってしまいそうで怖いと思うことがあるが、こういう技術が使われていたとは。

特許は誰かが取っているのだろうが、かなり基本的な発明だと思った。

自動車で雪道の道路を走るときでも使えそうだが、セラミック粉を撒き散らすため環境に問題もあるので、通常の道には使えないだろう。

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2009年3月 9日 (月)

特許侵害訴訟とゴールドラッシュ(ジーンズの発明)

米国でのゴールドラッシュの話を昔読んだことがある。あの当時は、米国のカリフォルニアに山師のような人たちが殺到したらしい(農民、労働者、商人、乞食や牧師までもが、一攫千金を夢見てカリフォルニアを目指したらしい)。しかし、ゴールドラッシュが終わったとき、その「プレーヤ」たちの中で、儲けた人はいなかった。儲けたのは、「プレーヤ」たちの周辺の「サポーター」の人たち、つまりプレーヤの人たちに飲食や衣服などを提供していた「サポート産業」の人たちだけだった。その中から、ジーンズのリーバイスなどの将来の大企業も生まれた(ジーンズは、当時、金を掘っていると従来のズボンではすぐ破れて困るということに着目したリーバイ・ストラウス(リーバイス創業者)が発明した。ウィキペディアより )。

米国では、今(1980年代から)の知財の状況はゴールドラッシュに少し近いという状況だと思う。個人発明家、ベンチャー、大学などの研究機関、パテントトロールなどの「プレーヤ」がかなり儲けている例は、いくつかマスコミに出ている。しかし、そのような儲かったという例はほんの一部に過ぎず、その影では、高額な特許訴訟費用などに耐え切れずに倒産するなど、儲からなかったという人たちの方がずっと多いと思う。一番確実に(ローリスクで)儲けているのは特許弁護士や知財の調査会社などの周辺の「サポート産業」だろう。その構図は、ゴールドラッシュと同じだ。

日本では、TVのバラエティ番組などで紹介される面白発明を除いては、個人発明家はほとんど活躍していない。中小企業や大学なども発明で大儲けしたというニュースは聞かない。そういう、ゴールドラッシュとは程遠い状況。知財専門弁護士などから構成される知財サポート産業も、米国のようには儲かっていないという状況ではないだろうか。まずは、かつてのゴールドラッシュのように、オレの(我が社の)発明・特許はすごいと「錯覚」して突進するようなプレーヤたちが必要なのではないだろうか。

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2009年3月 4日 (水)

風呂で壁に絵が描ける石鹸

2009/3/3付け朝日新聞に出てたのだが、バンダイが「風呂で壁に絵が描ける石鹸」(商品名は「サクラクレパスせっけん」)を3/5から発売するらしい。

子供が風呂で壁などに絵を描けて、お湯で洗い流せる、クレヨン状の石鹸、らしい。

特許出願は当然していると思うが、「クレヨンと石鹸の組み合わせ」による発明として、進歩性は認められるだろう。

僕も昔は、こういう「新たなニーズを発見・提案する」というタイプの発明は好きで、よく出願していたものだ。

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