国策捜査から逆国策捜査へ(小沢秘書の公判の記事を見て)
12/18に小沢秘書の最初の公判があったが、ネットでの反応は極めて低調に見える。
まぁ、僕自身、それほど興味をかきたてられるという状態ではないのだが、今年4~6月頃にいろいろ書いていた関係で、今回も、少し感想を書いておきたい。
1. 今年の3月に小沢秘書が逮捕されたときは、政権交代が起きるかどうかギリギリの情勢で野党第1党の党首の秘書が逮捕されたのだから、当時の自公政権の権力者の意向を忖度した国策捜査だった可能性が高いと思う。
しかし、それから、政権交代がなされ、今や小沢氏は事実上の最高権力者となり、政治状況は一変した。その結果、当時の自公政権の意向を忖度した捜査という意味での国策捜査は、今は民主の最高権力者の意向に全く反する「逆国策捜査」となっている。
これは、ある意味、検察が、図らずも(当初の目的から全く外れた形で)、「体制内の反体制勢力」という本来の任務を果たしているという状況だろう。小沢氏を抑えられるのは、今は検察しかないという状況だ。
検察は、小沢氏について他にも捜査しているようだが、このまま突っ走っていれば、権力者としての小沢氏に対する国民の目がこれからどうなるかによるが、もしかしたら、また国民の多くが検察を支持する可能性はあると思う。
2. ただ、検察による小沢秘書の逮捕・起訴が日本にマイナスを与えた面は大きいと思う。
その最も大きいのは、秘書が起訴されているため、小沢氏が内閣に入れなかったことだ。小沢氏が鳩山首相の閣僚にならず、閣僚を兼務しない幹事長として野に放たれてしまい、鳩山氏が小沢氏を操縦できなくなってしまったということは大きなマイナスだったと思う。
また、これからも最高裁まで裁判が数年続けば、その間(追記: 少なくとも第2審判決が出る2年後くらいまでは)、小沢氏は首相になれないので、その点はマイナスと思う(もともと小沢氏にその気がないのなら別だが)。
3 この裁判の争点は、12/19の日経新聞を見ただけ(朝日は止めました)だが、新たなものはなかった。
主な争点は、①政治団体は西松のダミーか実体のある団体か(ダミーならば虚偽記載、実体のある団体なら虚偽記載ではない)、②もし仮にダミーだった(虚偽記載だった)として秘書はそれを認識していたか(故意があったか)、の2点だ。
①と②について、別の秘書による「西松、○○団体、○○○万円と書かれたメモ」を提示して、検察が「団体はダミーで西松からの献金だと大久保秘書が認識していた証拠だ」と主張したことに対して、弁護士は、「西松と書いたのは、『西松グループ』という意味で書いただけ」と反論していたが、これはうまい反論だと感心した。
『西松グループ』に入っている複数の企業・団体(実体のある団体)のどこかから寄付をもらったとき、それらは全部、「西松建設」からの寄付と書くべきでそう書かなかったら虚偽記載だということはできないはずで、本件もそういう事案だと思う。
検察は①と②の両方を立証できなければ有罪にできない。弁護側は①と②のどちらかの立証を成功させなければ無罪にできる。弁護側の方が相当有利と思う。やはり無罪になる可能性が高い(特に①の争点で)、と思った。
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