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2009年3月の14件の記事

2009年3月31日 (火)

発明の歴史(日経ビジネスの記事より)

日経ビジネス2009/3/30号に「ポール・ケネディ 米エール大学教授が語る イノベーションの本質と日本の強み」という記事があり、その中に主な産業界の革新(及び経済・経済学の革新)の年表が出ていたので、一部を要約してメモしておきたい。

1760年代 ・英国で産業革命が始まる。・ワット(英)の蒸気機関

1770年代 ・アークライト(英)の水力紡績機 ・アダム・スミス(英)「国富論」(労働が富の源泉)

1830年代 ・ピクシー(仏)が世界初の機械式発電機を製作

1850年代 ・ベッセマー(英)がそれまでよりも硬く強い鉄鋼を生産できるベッセマー製鋼法を発明

1860年代 ・ノーベル(スウェーデン)がダイナマイトを発明

1870年代 ・第2次産業革命(重化学工業の発展) ・ベル(米)が電話機を発明 ・エジソン(米)が白熱電球を発明 ・マルクス(独)「資本論」

1900年代 ・米フォード・モーがT型フォード発売

1910年代 ・第1次大戦

1920年代 ・1929年、ニューヨーク株式市場で大暴落、世界恐慌へ

1930年代 ・ケインズ(米)「雇用・利子及び貨幣の一般理論」 ・ハーン(独)が核分裂を発見 ・世界初の電子計算機「ABC」(米) ・第2次世界大戦勃発

1940年代 ・シュンペーター(オーストリア)「資本主義・社会主義・民主主義」(創造的破壊) ・米国が原子爆弾を製造し広島・長崎に投下、終戦

1950年代 ・米テキサス・インスツルメンツ(発明者:キルビー)がIC(集積回路)を発明 

1960年代 ・フリードマン(米)がマネタリズム確立 ・東京オリンピック ・米の大学でネットワーク運用開始(インターネットの前身) ・アポロ11号月面着陸

1970年代 ・電子メール登場 ・日清食品が世界初の「カップ麺」発売 ・第1次石油ショック ・ブラック・ショールズ方程式(金融派生商品の価格決定) ・米アップル「アップルⅡ」発売 ・ソニー「ウォークマン」1号機を発売

1980年代 ・プラザ合意(1985) ・ベルリンの壁崩壊(1989)

1990年代 ・米でWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)閲覧ソフト「モザイク」登場

2000年代 ・ホンダが本格的な2足歩行ロボット「ASIMO」を発表 ・米国同時多発テロ(2001) ・サブプライムローン危機(2008)

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2009年3月30日 (月)

「ハニカム構造」の発明(「生物の仕組みの模倣」による発明)

「生物の仕組みの模倣」により基本発明が生まれることも多い。

日経新聞の2009/3/29付けの記事「ナゾかがく ハチの巣はなぜ六角形?」に、ハニカム構造のことが出ていたので、以下に、この記事の一部を括弧(「」)で引用しながら、自分のコメントを記しておきたい。

ミツバチの巣作り、特に、六角柱を作るときの様子については、次のように書かれている。「働きバチは体内でロウを合成し、腹から出す。それを後ろ足でこすり取って口に運び、巣材として利用する。このとき、ロウを円形に固めたりせず、まず二枚の板が山型に合わさった壁を作る。次に両脇の壁を築き、下側をつなぎ合わせて六角柱にしていく。」

ハチの巣が六角柱を集めた構造をしている理由については、玉川大学ミツバチ科学研究センターの吉田忠晴教授の話として、次のような説が有力だと書かれている。「材料を最小限に抑えて可能な限り広い空間を作ろうとしている」、つまり、「巣穴が円や八角形では隙間ができ、三角形や四角形だと窮屈になる。花から集めたミツを溜め込んだり、幼虫を数多く育てたりするには、ムダを極力そぎ落とした六角形が最適だという。強度も高い。壁は0.1mmの厚みしかなく、 (中略) それでも、4千ほどある巣穴に、合計で2kgものミツを溜め込むことができる。」

こういうミツバチの巣の「六角柱を集めた構造」を模倣したのが「ハニカム構造」だ。この記事によると、「六角柱を集めて上下を板で張り合わせると、丈夫で軽い構造になる。新幹線の床、ジェット機の羽、人工衛星の壁、スキー板などに応用」されている。

確か、富士写真フィルムのデジタルカメラのCCD(電荷結合素子。画像センサの一つ)も「ハニカム配列」(ハニカム構造ではない)というのを宣伝文句にしていた。ハニカム配列だから、CCDの各画素ごとに配置される受光素子(受光領域)を狭い面積の中に隙間なく敷き詰めることができ、全体の受光面積を増大させることができるとしていた。

富士写真フィルムのホームページの説明を以下に引用しておく。これを読むと、富士写真フィルムの「スーパーCCDハニカム」は、受光領域を「六角形」ではなく「八角形」にしているようだ。

「より大きい受光面積を確保するための工夫
●CCDの弱点はスペースに対する効率の悪さ 
   手ぶれ補正についてはひとまず後回しにすることにして、まずは「スーパーCCDハニカム」が、通常使われているCCDに比べて優れている点を探っていきます。
 現在、コンパクトタイプのデジタルカメラで主流となっているCCDは、IT-CCD(インターライントランスファー方式)と呼ばれるCCDです。しかし、このIT-CCDには大きな弱点があります。それは、1つの画素あたりの受光面積が小さくなってしまいがちだということなのです。IT-CCDでは、1つの画素が電荷を発生させる受光領域と転送を行う垂直転送用CCDに分かれています。素早く写真を撮れるようにするためには、転送を行う垂直転送用CCD用の領域を優先して確保する必要があります。しかし、このような設計を行うと、どうしてもデッドスペースが必要になってしまうのです。これについては、「第3回 : 画素数と画質の関係」で紹介していますので、詳しくはこちらを参照してください。
ハニカム配列で受光面積が増大
   富士写真フイルムでは、この弱点を少しでも軽減するために、画素領域を45度傾けて配列しました。このようにCCDを並べていくとハニカム(蜂の巣)のように画素が並べられます。そこで、画素領域を45度傾けた配列をハニカム配列と呼んでいます。ハニカム配列を使ってCCDを設計すると、垂直転送用CCDの大きさを充分に確保しながら、残りの領域を受光面積として使うことができるようになるのです。この配列構造が、「スーパーCCDハニカム」のネーミングの由来にもなっています。
【ハニカム配列のCCDは、画素領域を有効に使える】
IT-CCDでは、1画素中のデッドスペースがかなり大きなものとなってしまい効率の悪い受光しかできませんが、ハニカム配列にしたCCDなら効率の良い受光を行うことが可能なのです。ちなみに、ハニカム配列でも、電荷は、1→2→3→4→5→6、と「垂直に転送」させることができます。
(『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』より)
1画素あたりの受光を効率良くするために 
   さらに、富士写真フイルムでは受光領域を拡げるために、受光領域を四角形から八角形にしました。こうすることによって、2分の1インチ200万画素タイプのスーパーCCDハニカムは、同タイプのIT-CCDに比べて受光領域が約1.6倍に、2分の1インチ300万画素タイプでの比較では約2.3倍もの大きな受光領域を確保することができるようになったのです。」

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2009年3月29日 (日)

「串なし焼き鳥」の発明(引き算の発明)

日経ビジネス2009年3月30日号28頁の「ワタミ 串なしの焼き鳥 固定観念を捨てる」の記事によると、居酒屋大手のワタミは、今年2月9日から、「和民」などで提供する「串に刺さっている焼き鳥」を、「串に刺さずに鉄板の皿の上に載せた焼き鳥」に変えたらしい。

その理由は、原価低減。「焼き鳥の原価を70円だとすると、35円が食材費で、残りの35円は串の材料費と串打ちの人件費、串を無くせば原価の半分を低減できる」からだそうだ。また、「そもそも、串を抜いて食べる人の方が多い」ことも理由の一つ。現場からは「焼き鳥のイメージを損なう」などの反発もあったようだが、実際に提供してみると、むしろ売れ行きは伸びているらしい。

日経ビジネスでは、これを「イノベーション」(革新)の一つとして紹介していた。確かに、なかなかこういう「発想の転換」はできない。これを思い付いた人は相当に発明家の才能があると思う。

でも、これで特許を取ることはできるだろうか?

答えはNoだ。今の特許法は、先人が蓄積してきた技術に何か「プラス・アルファ」を付加した「足し算の発明」が「進歩性のある発明」なのだという前提に立っている(但し、新規物質の発明などはこの前提から少し外れており、「(先人が蓄積してきた技術とは無関係の)ゼロからの発明」という場合もあり得る)。

「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」という従来技術に、「串に刺す」というプラス・アルファの要素を付加して「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」というように進化させた点に進歩性が認められて特許になり得るのだ。

つまり、「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」 → 「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」という進歩の流れが認められることによって、特許になり得る。

それが、今回の「串なし焼き鳥」は、「串に刺す」という要素を引き算することによって、「バラバラの鶏肉を串に刺して焼く」 → 「バラバラの鶏肉をバラバラのまま焼く」という「進歩とは逆の流れ」=「退歩の流れ」になっている。言わば、「昔に戻る」という「先祖返りの発明」だ。

こういう従来技術から「退歩」させた技術=「引き算の発明」については進歩性は認められていない(社会的には進歩だと思えても、技術的には進歩していないから)。

つまり、今の特許法では、「A+B」という従来技術に「+C」の要素(プラス・アルファ)を付加して「A+B+C」の発明としたとき、進歩性が認められ得る。

「A+B+C」に「-C」(Cを引き算)して「A+B」にしても、それは「退歩」に過ぎないから、進歩性は認められない。

他方、「A+B+C」に「+D」(プラス・アルファを付加)すると共に「-C」(Cを引き算)して「A+B+D」にしたときは、進歩性は認められ得る。例えば、「D」が「C」より安価であれば、「D」をプラスすることにより「C」がマイナス(引き算)できて、製品全体として低コスト化できるという効果が得られるからだ。

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2009年3月27日 (金)

パテントトロールと恫喝訴訟と民主主義

現在、特許庁などで、パテントトロールによる恫喝訴訟を防ぐためなどの目的で特許法改正が議論されているが、恫喝訴訟は、日本ではむしろ、訴訟費用を惜しみなく出せる「大組織」「大企業」によって行われることが多い、ということは認識されるべきだろう。

2009年3月26日、週刊現代の「大相撲の八百長」報道に対する名誉毀損による損害賠償請求訴訟で、日本相撲協会および力士側勝訴の判決が言い渡された。この相撲協会という「公益法人」が訴訟で求めた請求額は、6億1,600万円というどうみても恫喝目的としか思えない金額だが、判決の4,290万円の賠償金というのも、今までにない高額だ。もちろん、大組織であればあるだけ経済的損害が大きくなるだろうから、6億円という損害の「計算」は可能だろうが(つまり、「恫喝目的ではない」という「理由付け」は可能だろうが)、「公益法人」であることも考えれば、むしろ「内部の浄化に役立つので報道してくれてありがとう、報道は公益にかなうもの」という見方もありえる。

以下に毎日jpの記事より一部を引用。

「相撲八百長報道:講談社に4290万円賠償命令 東京地裁

 横綱朝青龍ら力士30人と日本相撲協会が、八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷付けられたとして、発行元の講談社や執筆者のフリーライター、武田頼政氏らに計約6億1600万円の賠償などを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。中村也寸志裁判長は「記事が真実との証拠はない」と述べ、総額4290万円の支払いと記事を取り消す広告の掲載を命じた。名誉棄損訴訟の賠償額としては過去最高とみられる。」

この判決の4,290万円は置いておいても、原告の相撲協会が請求した「6億円」という金額は、週刊現代という決して大きな資産を持っているとは思えない出版社に対しては、報道に対する萎縮効果・恫喝効果は十分過ぎるだろう。週刊現代は、今後、有力なタレコミがあっても、もう2度と大相撲の八百長の記事を書こうとは思わないだろう(相撲協会の思惑どおり)。

こういうことをやっていると、出版社は「萎縮」して、活発な報道ができなくなり、ひいては報道による国民の知る権利の実現も難しくなり、民主主義への脅威となる可能性があると思う(国民の知る権利が確保されないで十分な情報を知らされないまま民主主義が行われると容易に衆愚政治に堕してしまうことから、国民の知る権利は「民主主義の基礎」と言われている)。

以前も、「オリコン訴訟」といって、オリコンチャートの信憑性に関して疑問を呈するコメントを月刊誌「サイゾー」で述べた個人のジャーナリスト(烏賀陽弘道 氏)に対して、オリコンが5千万円という高額の損害賠償を請求して、「恫喝訴訟」として問題となった(参考「ウィキペディア」)。こういうことが許されるなら、資産を持たない個人ジャーナリストや小出版社は、自己破産を恐れて、雑誌等での不正の告発などができなくなってしまう。

パテントトロールの「恫喝訴訟」を阻止しようという手段としては、おそらく民法の「権利濫用」の法理が想定されているのだろうと思うが、特許庁なども、狭い知財の世界のみを見ているだけでなく、もっとより広い世界まで議論の裾野を広げて、民主主義やジャーナリズムにとって極めて大切な上記のような個人ジャーナリストや小出版社への「恫喝訴訟」の問題をも含めて、例えば法務省や日弁連などと連携するなどして、より広い視点で「恫喝訴訟」に対する「権利濫用法理」の有効性などについて議論をしていって欲しい(ってまあ、職務の分掌があるので難しいんだろうけど)。

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2009年3月21日 (土)

米国での集団訴訟とベルヌ条約の効力を組み合せたグーグルの知財戦略

2009/2/26付けで、「グーグルブック検索に関する米国集団訴訟の和解が日本の著作権者にも影響する」という記事がいろんなサイトで掲載されていた(例えば、この「知財情報局」の記事)。以下に、この記事を一部引用しておく。

「 書籍全文をスキャンしてデータベース化し、内容を検索できるようにしたサービス「グーグルブック検索」をめぐって、米国の作家協会と出版社協会などが米グーグルを著作権侵害で訴えていた集団訴訟が昨年10月に和解の合意に達し、今夏にも出される連邦裁判所の認可を待って発効する。その効力が日本の著作者にも及ぶとする法定通知が「グーグルブック検索和解」の専用サイトに掲載され、また2月24日のいくつかの新聞に掲載されて波紋を呼んでいる。

  この和解合意の対象は2009年1月5日以前に出版・公表された書籍で、和解が発効すると、同社は、(1) 著作権保護のために設立される非営利機関の費用3450万ドル(約32億円)を提供する。(2) 無断でデジタル化された書籍などの著作権者に補償金として総額4500万ドル(約42億円)以上を支払う。(3) そのかわり、同社は、絶版などで米国内で流通していない書籍のデータベース化を継続し、データベースアクセス権の販売や、広告掲載などの権利を取得する。(4) 対象書籍に関する同社の収益の63%は著作権者などに配分する。などのことが決められている。

  著作権者は、今回の和解合意に対して、(1) 同意せず、同社を訴える権利を保持する場合には、5月5日までに和解管理組織に書面で除外を申請する必要がある。・・・(以下略)」

これについて、あるブログ(社内弁理士のチャレンジングクレーム)の2009/2/25付けエントリ「Googleと集団訴訟(クラスアクション)とベルヌ条約」をみて、印象に残ったので、メモしておきたい。

このエントリでは、この和解について、次のような見方を述べている。

「・・・このGoogleの和解はクラスアクションという「取引コスト」の低減と、ベルヌ条約により世界163カ国の著作権を一気に捕捉するという戦略を組み合わせて「対価請求権化」と「取引コスト」の低減を大スケールで達成しようというものといえる。」

米国の制度は詳しくないが、米国の集団訴訟では、それによる和解や判決の効力は、その集団訴訟に参加していない人にも及ぶらしい(例外として、オプトアウトの方法で自分には効力が及ばないようにすることはできるらしい)。また、ベルヌ条約によれば、加盟163カ国のいずれかの国で著作権が成立すれば、全ての加盟国で同じ内容の著作権がそれぞれ成立することになる。

この米国での集団訴訟の効力とベルヌ条約の効力とを組み合わせることにより、グーグルは、米国で成立している全ての書籍に関する著作権(ベルヌ条約に加盟している外国に国籍または住所を持つ著作者が所有する米国での著作権をも含む)を、一網打尽に和解の網に掛けることができる(後は、オプトアウトにより集団訴訟の効力が及ぶのを拒否した著作者・著作物を個別に除外すればよいだけ)。そういう意味で、集団訴訟やベルヌ条約の効力をうまく利用し尽したグローバルでスケールのでかい戦略だということ。

これがグーグルの戦略だということは、グーグルは集団訴訟の被告になっている訳だが、米国の著作権者たちが自分を被告として集団訴訟をするように仕組んだということだろうか。まあ、そうなんだろう。

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マイクロソフトによるクロスライセンス契約の裏に隠されたLinux封じ込め戦略?

マイクロソフトは数年前から他社とのクロスライセンス契約を開始して既に数百社との契約にこぎつけている(最近ではブラザー工業など)が、その裏には隠されたLinux封じ込め戦略があると指摘している、あるブログ(社内弁理士のチャレンジングクレーム)の2009/3/10付けエントリ「MicrosoftとTomTomの訴訟とGPL違反」をみた。

このエントリは、「マイクロソフトが他社と積極的にクロスライセンス契約を推し進めている狙いは相手企業(ライセンシー)にGPL違反をもたらすような契約を締結してLinuxの頒布を制限すること」だと主張している。

すなわち、上記エントリの内容の一部を引用すると、次のとおりだ。

「GPLとはGNU General Public LicenseというOSSライセンスの最も有力なものの一つである。LinuxはGPLに基づいて頒布されている。(中略)Linuxを利用している企業はGPLのライセンシーである。

(中略)Samba(Linuxと同様に著名なOSS)の開発者Jeremy Allison氏(中略)は次のように言う。『この事件はクロスライセンスですべてうまくいくケースではない。TomTom(や他の企業)が特許クロスライセンスを締結すれば(Linuxカーネルが適用している)GPL v2の7条によってLinuxカーネルを頒布する権利を完全に失う。』

(中略)GPL v2の7条には『(中略)特許侵害あるいはその他の理由(特許関係に限らない)から、あなたに(裁判所命令や契約などにより)このライセンスの条件と矛盾する制約が課された場合(中略)もしこの契約書の下であなたに課せられた責任と他の関連する責任を同時に満たすような形で頒布できないならば、結果としてあなたは『プログラム』を頒布することが全くできない。例えば特許ライセンスが、あなたから直接間接を問わずコピーを受け取った人が誰でも『プログラム』を使用料無料で再頒布することを認めていない場合、あなたがその制約とこの契約書を両方とも満たすには『プログラム』の頒布を完全に中止するしかない(中略)』http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html

(中略)この条項から「特許ライセンスにより、GPLの条件と矛盾する制約を課せられた場合、頒布が全くできなくなる」ことが分かる。 GPLの条件とは例えば「複製・頒布するにはソースコードを開示しなければならない」という条件である(3条)。

(中略)結論としては「GPLの条件と矛盾する制約を課された状態でプログラムを頒布する」ことがGPL違反となる。

(中略)次にマイクロソフトの戦略について。マイクロソフトの狙いは特許クロスライセンス中にGPLの条件と矛盾する制約を入れることで、相手方がLinuxを頒布(販売)するとGPL違反になるように仕向けることだ。(中略)特許ライセンスに含まれるある種の制約は結果的にGPL違反をもたらす。マイクロソフトの狙いはライセンシーにGPL違反をもたらすような特許ライセンスの契約を締結することで、Linuxの頒布を制限し、Windowsの独占を維持することである。」

マイクロソフトがクロスライセンス契約を推進している目的の中で、リナックスの封じ込めがその全てではないにしても、その重要な狙いの一つなのだろう。そして、そのための仕込みは、2003年以降、既に数百社との契約にこぎつけている現在、十分な段階まで進んでいる。今までに同社とクロスライセンスをした企業の中には、この裏の狙いまでは気が付かなかったケースも多いと思われる。

私見だが、このような場合、パテントトロールに対して使おうと研究されている、権利濫用の法理(自らの特許権を公益に反する効果を狙って行使することは許されないという法理)を、マイクロソフトに対して使うことはできないだろうか?

リナックスは使用料無料であることから政府機関や後進国などで広く使われており公益に資するものと考えられるから、クロスライセンス契約をリナックスを封じ込めるため使うことは公益に反する目的で特許権を濫用することになる、したがって、マイクロソフトはクロスライセンス契約の中の条項を『GPLの条件と矛盾する制約』を課すような内容として解釈することはできないか又はそのように解せざるを得ない条項はその限りで部分無効(よって、このクロスライセンス契約の締結によって相手企業がGPL違反となることはない)、ということはできないだろうか?

追記(2009/4/9):

ブライナによる特許情報局からのメールマガジンによると、次のように、マイクロソフトとTomTomとの今回の訴訟を受けての和解契約では、「マイクロソフトの3件のファイル管理システム特許の適用範囲は、オープンソース契約である GPLv2に対するTomTomの義務を満足する」、つまり、『GPLの条件と矛盾する制約』は課されていないようだ。こういうことをわざわざ発表するということは、マイクロソフトのクロスライセンス契約の中に隠されてきたリナックス封止戦略が多くの企業に知られつつあるということだろう。

「特許侵害で争っていた米マイクロソフトとオランダのGPS端末メーカーTomTomは3月30日、両社が和解し、すべての訴訟を取り下げるとともにライセンス契約を結んだと発表した。

(中略)なお、和解契約では、マイクロソフトの3件のファイル管理システム特許の適用範囲は、オープンソース契約である GPLv2に対するTomTomの義務を満足するという。また、TomTomは今後2年以内に、マイクロソフトの2件のファイル管理システム特許( FAT LFN特許)を利用した機能を製品から取り除くことを約束し、それまでは、TomTomのエンドユーザーも契約の適用範囲に含まれるとしている。」

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カセットボンベで動く小型耕運機の発明

発明といっても、もう商品が販売されてそれなりにヒットしているらしいが、僕は知らなかった(日経ビジネス2009/3/23号90頁に載っていた)。

「カセットボンベ(液化ブタン)で動く小型耕運機」。

これが三菱農機やホンダから発売されてかなり売れているようだ。カセットボンベや小型耕耘機はホームセンターなどでも売っているらしい。

発想がすごいと思ったのは、農業のプロではなく、家庭菜園などの趣味のアマチュア向けの耕運機という「新たなニーズ・市場・顧客層」を発見して、それに合った商品を開発したということだ。

カセットボンベは従来のガソリンで動く耕運機と比べると燃費は半分らしいが、趣味だから燃費などのコストは余り気にならない、それよりも、家庭菜園を趣味にしている女性でも手軽に(カセットボンベを買ってきて装着するだけで)燃料の補給ができる、小型なので女性のように力がなくても操作できる、などの要素を目指したらしい。

「新たな市場を創造する」という点では、ウォークマン、iPod、ニンテンドーDS、Wii、脳トレなどに通じるものがある。

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パテントトロールの定義

現在、特許庁がパテントトロール対策(特許権の行使の濫用などへの対策)などを目的とする特許法改正を検討しているらしいが、パテントトロールを広くとると、大学、TLO、個人発明家なども含まれる。まあ、含まれても良いという考えもあるだろうが。

このパテントトロールの定義について、最近知った、米国でダメージ・エキスパートの仕事をされている日本人の方のブログ「米国知的財産日記」の中に、その定義が書かれていたので、以下に一部引用しておく。(※ダメージ・エキスパートとは・・・詳しくないが、米国の特許訴訟の法廷で、今回の特許侵害による損害賠償額はこれぐらいが妥当でしょうと証言する専門家。日本特許法105条の2の「計算鑑定人」に近いのかも)

「パテント・トロール、と呼ぶ場合、色々な意見もあると思いますが、私としては、以下の条件を「すべて」満たす人、と、考えています:
・自ら特許を製品化、事業で使用していない人
・一般企業に対して、自分が所有する特許の権利侵害裁判を提起する人
・権利侵害の事実を本当にしっかり調べることもしないで、「裁判をしかけたらビビってすぐ和解したがって、和解金をせしめることが出来るだろう。もしくは、公判までいっても、技術に疎い陪審員が自分達に有利な判決をしてくれるから、がっぽり賠償金をとれるだろう」と、考えて、とにかく訴訟を濫発する人

実は一番大事なのは3つめだと思います。正当な侵害根拠があって、裁判を起こしている人は、事業会社であれ、非事業会社であれ、それは特許の正当な権利行使であって、トロールだのなんだの、と、批判されるべきものではないと思います。アメリカでは、トロールというと、この3つ目の要素が必ず入ってくるように思います。逆に、この3つ目の要素を欠く場合は、単に権利行使会社、というだけで、トロールとは認識していない・・・方が多いと思います。」

このブログは、米国ではこのような定義が一般的だ(特に3つ目の要素が必要)と主張しているが、個人的にも妥当と思った。

特に「正当な侵害根拠があって、裁判を起こしている人は、事業会社であれ、非事業会社であれ、それは特許の正当な権利行使であって、トロールだのなんだの、と、批判されるべきものではないと思います」という部分はすごく納得でする。

米国では、成功報酬弁護士(訴訟で勝って賠償金が入った場合だけ報酬をもらうという弁護士)から「リスク・フリーで訴訟やりませんか?」と営業された個人発明家や中小企業が「じゃあ、やってもらおうか」と軽いノリでいい加減に訴訟を起こすことが多いらしい。また、パテントトロールが恫喝を目的として訴訟を提起することも多いらしい。こういう、軽いノリでどんどん訴訟を起こされたり、恫喝のようにどんどん訴訟を起こされたりすると、される方がたまったものではない。こういうのをパテントトロールとするのが上記の定義だ。うまい定義だと思った。

ただ、日本では、まだパテントトロールが恫喝目的で訴訟をしたという事例はほとんどないと思う。

恫喝のための裁判といえば、最近は、「大企業」が裁判を恫喝目的で悪用して個人を攻撃する例が目立っている。例えば、1-2年前に、「オリコン訴訟」といわれた事件。このケースでは、オリコンが自社に不利なことを書いたジャーナリスト個人を狙って多額の損害賠償(5千万円くらいだったか?)を提起して、恫喝訴訟として問題になった。最近の週刊誌などに対する名誉毀損を理由とする損害賠償の高額化の傾向も、原告が個人の場合は良いと思うが、原告が大企業や政治家など権力をもっている場合は報道の自由(国民の知る権利)との関係で問題と思う。

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2009年3月15日 (日)

番組再生時にCMのタイミングをユーザーが選べるHDDレコーダの発明

最近のHDDレコーダでは、番組録画時にCM部分だけカットして録画したり、番組再生時にCM部分だけスキップするような機能が付いているが、それだけでよいのかという問題はある(スポンサー側の事情も考える必要はある)。

他方で、最近の番組は、視聴者を引っ張るため、ちょうど盛り上がったところで長いCMを入れることが多いので嫌になる。

それで、これらの問題を解決するための日本ビクターの特許第4206603号(出願日:2000/4/17)の発明は、いったんはCMも含めて番組を録画しておくが、そのとき、番組本体の部分とCMの部分とを区別できるように記録しておく、そして、番組本体を再生しているときに、ユーザーが任意に選択したタイミング(例えばユーザーが番組本体の再生をいったんストップしたタイミング)でCMを再生できるようにした、というもの。

例えば、ユーザーがトイレに行きたいとか、ちょっと疲れたので休憩とかで、番組本体の再生をストップしたときに、CMが流れるようにできる。

この特許は、最近たまたま見つけたのだが、かなり天才的なヒラメキによる基本発明ではないかと思った。

以下に、この特許第4206603号の請求項1を引用しておきます。

【請求項1】
記録媒体上に記録され各番組毎の番組本編部分とコマーシャル部分とから成る番組信号を再生する番組信号再生装置であり、
前記記録媒体上から前記番組信号を再生する再生手段と、
前記再生手段にて前記番組信号における前記番組本編部分を再生中に、この再生を停止させるための停止指示が入力された場合、前記番組本編部分の再生を停止させるとともに、この再生を停止した前記番組本編部分を備える前記番組信号における前記コマーシャル部分の再生を開始させるよう前記再生手段を制御する再生制御手段と
を有することを特徴とする番組信号再生装置。

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セラミック粉で摩擦力を上げる制動装置の発明

日経ビジネス2009/3/16号の「営業運転、時速320km」の記事(137頁)に、JR東の新幹線500系に10年前から採用されている制動装置の技術が紹介されてて、なるほど! と思ったので、メモしておきたい。

2011年から東京~青森間を走る予定の新型の新幹線は時速320kmを予定しているらしいが、速く走るほど止まるまでの距離が長くなってしまう(安全性に問題がでる)のが課題だったらしい。

特に、鉄を素材とする車輪とレールとは、転がり抵抗を減らすために鏡面のように磨かれているため、急制動をかけて車輪が止まったとしてしも、氷の上を滑るように車両が進んでしまう恐れがある。

そこで、制動時だけ車輪とレールとの間の摩擦力を高める技術が発明されて実用化されている。それは、急制動をかけたときに車輪とレールとの間にセラミック粉を噴射して摩擦力を増やすというものだ。

もともとは、急勾配の路線を走る列車用に開発された技術らしい。確かに、急勾配などではズルズルと滑ってしまいそうで怖いと思うことがあるが、こういう技術が使われていたとは。

特許は誰かが取っているのだろうが、かなり基本的な発明だと思った。

自動車で雪道の道路を走るときでも使えそうだが、セラミック粉を撒き散らすため環境に問題もあるので、通常の道には使えないだろう。

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2009年3月 9日 (月)

特許侵害訴訟とゴールドラッシュ(ジーンズの発明)

米国でのゴールドラッシュの話を昔読んだことがある。あの当時は、米国のカリフォルニアに山師のような人たちが殺到したらしい(農民、労働者、商人、乞食や牧師までもが、一攫千金を夢見てカリフォルニアを目指したらしい)。しかし、ゴールドラッシュが終わったとき、その「プレーヤ」たちの中で、儲けた人はいなかった。儲けたのは、「プレーヤ」たちの周辺の「サポーター」の人たち、つまりプレーヤの人たちに飲食や衣服などを提供していた「サポート産業」の人たちだけだった。その中から、ジーンズのリーバイスなどの将来の大企業も生まれた(ジーンズは、当時、金を掘っていると従来のズボンではすぐ破れて困るということに着目したリーバイ・ストラウス(リーバイス創業者)が発明した。ウィキペディアより )。

米国では、今(1980年代から)の知財の状況はゴールドラッシュに少し近いという状況だと思う。個人発明家、ベンチャー、大学などの研究機関、パテントトロールなどの「プレーヤ」がかなり儲けている例は、いくつかマスコミに出ている。しかし、そのような儲かったという例はほんの一部に過ぎず、その影では、高額な特許訴訟費用などに耐え切れずに倒産するなど、儲からなかったという人たちの方がずっと多いと思う。一番確実に(ローリスクで)儲けているのは特許弁護士や知財の調査会社などの周辺の「サポート産業」だろう。その構図は、ゴールドラッシュと同じだ。

日本では、TVのバラエティ番組などで紹介される面白発明を除いては、個人発明家はほとんど活躍していない。中小企業や大学なども発明で大儲けしたというニュースは聞かない。そういう、ゴールドラッシュとは程遠い状況。知財専門弁護士などから構成される知財サポート産業も、米国のようには儲かっていないという状況ではないだろうか。まずは、かつてのゴールドラッシュのように、オレの(我が社の)発明・特許はすごいと「錯覚」して突進するようなプレーヤたちが必要なのではないだろうか。

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特許訴訟の提訴件数の日米比較

日経エレクトロニクス(2009/3/9号)の「特許で揺らぐ無線LAN」の記事中の48頁に米国での特許訴訟件数が掲載されていたので、メモしておきたい。

2007年9月期(2006/10/1~2007/9/30)の全米の地区裁判所が受任した知財関係訴訟全体の件数の合計は、1万783件。

2007年9月期(2006/10/1~2007/9/30)の全米の地区裁判所が受任した特許訴訟の件数の合計は、2,896件。

この特許訴訟のみの2,896件は、上記の特許を含む知財関係訴訟全体の件数である1万783件の中の約26.9%(ちなみに、著作権関係の訴訟は同約40.8%、商標関係の訴訟は同約32.3%)。

なお、この日経エレクトロニクスの記事によると、上記の全米の特許訴訟2,896件の中の12.4%の359件がテキサス州東部地裁に提起されているらしい(知財だけでなく全ての民事訴訟についてみると、全米の提起件数の25万7507件の中では、テキサス州東部地裁は全米の1%を占めるに過ぎないにも拘わらず! ちなみに、カリフォルニア州北部地区裁判所には、全米の地区裁判所が受けた特許訴訟2,896件の中の159件が提起されている)。

このようにテキサス州東部地裁に特許訴訟が集中している理由は、①特許権者が判決で勝つ確率が8割程度と非常に高いこと、②裁判所が特許訴訟に慣れているため審理期間が短いことなどから、特許権者の多くがこの地区での裁判を選ぶためだ(このような訴訟戦術は「フォーラム・ショッピング」と呼ばれている)。テキサス州東部地区において、特許訴訟のためにやってくる特許弁護士(金持ちが多い)や企業担当者への宿泊や飲食などのサービス産業など、特許訴訟がその経済活動に貢献している部分はかなり大きいらしい。

この特許訴訟件数2,896件は、特許侵害訴訟だけでなく審決取消訴訟も含まれているのかどうかは、この記事の中では、はっきりしない(米国でも、拒絶審決などに対する審決取消訴訟はある)。ただ、米国では、拒絶審決に対する取消訴訟は、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)への直接提訴が行われているらしい(ワシントンDCのコロンビア地区連邦地方裁判所への出訴も可能のようだがこちらは少ないらしい)。したがって、上記の2006/10/1~2007/9/30の期間に全米の地区裁判所が受けた特許訴訟件数の2,896件は、仮にその一部に審決取消訴訟も含んでいるとしても、そのほとんどが特許侵害訴訟と考えられる。

一方、日本では、このブログの2009/1/13の特許訴訟の提訴件数が減っている件(日経の記事より)でも述べたとおり、2007年の地裁レベルの特許侵害訴訟の提訴件数は156件となっている。これは「特許侵害訴訟」のみ。これとは別の特許関係の「審決取消訴訟」が日本で何件あるかだが、(詳しい件数は今調べている時間がないので)仮に300件とすると、日本での特許訴訟(侵害訴訟と審決取消訴訟との双方)の合計の件数は年間450件程度となるだろうか。

(※特許庁によると、実用新案・商標・意匠を含む全て?の審決取消訴訟は2007年で約430件とのことなので、特許のみの審決取消訴訟は多くても年300件かそれよりかなり低い件数と思われる。)

上記のとおり、米国の特許訴訟の件数は2,896件だから、日本の特許訴訟の件数(上記のように約450件程度と仮定する)は米国の約15%程度ということになる。この約15%というのは、米国の上記の2,896件が審決取消訴訟を含んでいると仮定したときの数字だ。もし含んでないと仮定すれば、米国の特許訴訟(特許侵害訴訟のみと仮定)の件数は2,896件に対して、日本の特許侵害訴訟の件数は156件だから、米国の約5%程度ということになる。

上記のように15%か5%かのいずれにせよ、特許出願件数は日米で大きな差はない(特許出願件数の正確な数字は今はみてないが、最近は米国の方が少し多いが、数年前までは日本の方が多かった)ことから考えて、日本の特許訴訟が「米国に比較して余りに少なすぎる」ということは明らかだ。

他方、米国が「異常に多すぎる」のだという見方もあり得る。米国では、特許弁護士の数が多い、訴訟1件当たりの特許弁護士の費用が数億円以上と高額になっており特許訴訟が一大産業化している、着手金ゼロで引き受ける成功報酬弁護士が存在するので訴訟提起のハードルが低い、パテントトロールが多い、3倍賠償など特許訴訟のインセンティブが働きやすい、ゴールドラッシュの歴史などに見られるように一獲千金のアメリカン・ドリームを夢見る人たち(そういう冒険家的な気質の人たち)が多い、などの特殊要因があるから。

日米の特許弁護士数の比較、日米の特許出願件数・特許登録件数の比較などもやってみたいが、今は時間がない。まあ、分析としては少し尻切れですが、この辺で。

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2009年3月 4日 (水)

風呂で壁に絵が描ける石鹸

2009/3/3付け朝日新聞に出てたのだが、バンダイが「風呂で壁に絵が描ける石鹸」(商品名は「サクラクレパスせっけん」)を3/5から発売するらしい。

子供が風呂で壁などに絵を描けて、お湯で洗い流せる、クレヨン状の石鹸、らしい。

特許出願は当然していると思うが、「クレヨンと石鹸の組み合わせ」による発明として、進歩性は認められるだろう。

僕も昔は、こういう「新たなニーズを発見・提案する」というタイプの発明は好きで、よく出願していたものだ。

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2009年3月 3日 (火)

これからは農業・医療・教育が成長産業

早稲田大学教授の榊原英資さんが2009/3/1付け日経新聞で「人々の関心がモノからカラダと脳に移ってきている。これからの成長産業は、少なくとも先進国では製造業ではなく、農業・医療・教育などだろう。これは巨大な構造転換だ。日本で今まで規制が強く『社会主義』的だったこれらの分野を自由化して成長産業に育てていくこと」が大切だと述べていた。

第二次産業である製造業から医療・教育などの第三次産業へというのはずっと以前から言われていたが、第一次産業の農業というのは意外な感じがした。

だが、「科学技術」というように、現代の発明は、まず「科学」が道を開いて、その成果を人間のために応用するものとして「新しい技術=発明」が生まれるようになっている(近代以前では、「科学技術」は無く、科学よりも技術=発明の方がずっと先を走っていた。医療などは科学とは関係のない技術だけのものだった。例えば、中国4千年の歴史と言われる漢方薬や針灸の技術など。西欧中世の錬金術なども同じ)。

20世紀はアインシュタインなどが活躍した物理の時代だった。21世紀は、バイオの時代だといわれているし、脳科学の時代でもあるだろう。

だから、バイオ科学の成果を応用することにより、農業と医療の技術革新がなされて大きな産業になるのだろう。また、脳科学の成果を応用することにより、老人を含めた大人のための教育産業が大発展するのだろうと思う。

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