芥川賞作家・田中真弥さんの受賞会見をみて(「自分を解き放つこと」が発明の条件)
芥川賞作家・田中真弥さんのことが話題になっている。
高校卒業以来、実家で母親に食わせてもらいながら、働かず、携帯電話もパソコンも持たず、手書きで小説を書き続けて、ついに芥川賞までやり遂げた。それも、下関という田舎町で。
おそらく下関には、小説家仲間は居なかったろう(本人は「友達はいない」と言っていた)。孤独の中でやり遂げたのだろう。7~8年くらい前からは小さい賞を受賞して編集者も付いたらしいが、それまでは孤独の中で、どういう気持ちで続けていたんだろうか。
石原都知事を揶揄した受賞会見も炎上中だ。空気読むのとは真逆の会見だったが、それが話題になっているのは、周囲の空気を読む習慣に、多くの人が倦んでいるからだろう。
今、大阪市の橋下市長が論戦相手を完膚なきままに(空気を読んで手心を加えることなく)叩きのめすのをテレビで見て、それを多くの人が喝采しているのも、これと同じ心情からだと思う。
僕は、田中真弥さんの会見を見て、発明家のことを考えた。
発明家にも、空気を読まないというか空気を読めない人が多い。
「自分を解き放つこと」がパイオニア発明を生むための基本的な条件ではないだろうか(応用的な発明、例えば、最適な数値範囲のデータを実験を繰り返して求めていく発明などには、必要ではない)。
自分を解き放って自由に翼を広げないと、突発的なアイデアや発想は生まれない。
周囲の空気を読んで萎縮したままでは、魂を揺さぶる小説なんか書けないし、本質的なアイデアも生まれてくるはずがないのだ。
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