カテゴリー「日常生活の発明」の2件の記事

2008年5月 7日 (水)

素人発明家の記事をみて

http://mainichi.jp/life/housing/news/20080506ddm013100012000c.html

毎日jpの記事「素人発明家:不便が発明の秘訣 生活感覚を生かし試作して」からの引用です。

「おいしいみそ汁が飲みたい・・・みそ容器に泡立て器状の器具を差し込むだけで簡単に適量を取り出せる「みそ汁上手」(1575円)。発明した東京都調布市の無職、中川仁さん(69)のアイデアの原点は、16年前の単身赴任生活だった。本格的な自炊は初めて。赴任地・大分県の豊かな食材を使い、みそ汁を作ってみたが、みその量が定まらず上手に作れなかった。定年退職後、テレビ番組で、料理研究家が泡立て器でみそを溶く姿にヒントを得て、試作品を作り始め、03年5月に特許を取得。岐阜県の企業と契約した。昨年9月までの3年間で、通信販売を中心に約9万個が売れ、月十数万円の収入がある。中川さんは「ひらめきが徐々に形になる過程にわくわくする。発明のコツは不便と感じたことを解決する気持ち」と話す。」

この中川さんの特許をIPDLで調べてみました。特許3438883号で、その特許クレームは次のとおりです。

【請求項1】取っ手(1)に計量目盛板(7)を設けその表面を自由に移動する目盛指示(2)は接続棒(3)を介して計量板(4)に接続され、この計量板(4)は泡だて器状針金枠(6)で囲まれた中に針金と交叉する形で取り付けられ上下自由に移動出来る、計量板(4)の下方と針金枠(6)とで囲む空間部分を味噌に置き換える事により味噌が計量出来、計量板(4)はみそ汁の必要量に合わせて設定出来る事を特徴とした計量目盛付き味噌溶き具。

P3438883_4

このクレームの内容も分かり難いですが、要は、上の図のようにして、味噌を計量しながら取り出せるようにした、というもののようです。

また、上記の記事からの引用です。

「川崎市宮前区の主婦、松本奈緒美さん(40)が発明したのは掃除道具「ペン先す~ぴぃ」(840円)。掃除機の吸引パイプの連結部分に、ボアが付いた「す~ぴぃ」をテープで巻きつけるだけ。柔らかな本体が狭いすき間に入り込み、ほこりをふき取りながらごみを吸引する。何回でも洗って使える。企画書を約70社に送ったが、不採用の返事ばかり。このうち改善点を添え書きしてくれた1社に、改良品を勝手に郵送したのが縁で契約し、3年前に特許を取得した。商品化まで5年かかったが、05年の発売以来、10万個売れた。「商品化のため企業を説得するのは大変だし、一蹴(いっしゅう)されることもあるが、めげないのが秘訣(ひけつ)」と松本さん。浮かんだアイデアは必ず当日試作し、これまで100種類以上作ったが、製作費は月500円程度。「お金をかけないのが主婦の発明の極意」とアドバイスする。」

この松本さんの特許もIPDLで調べてみました。その特許クレームは次のようなものです。

【請求項1】
吸引掃除機本体に接続された吸引ホースに取り付けられる吸引掃除機用ノズルであって、弾性を有するシート材からなり、先端部が山型形状をなすシート状本体と、前記シート状本体裏面の山型形状部分の周縁部に沿って設けられた柔軟性部材と、前記シート状本体の底辺部に設けられシート状本体を前記吸引ホースに固定するための固定手段とで構成され、前記固定手段によって前記吸引ホース先端に取り付けられた状態でシート状本体はホースの外形に沿って湾曲され、前記山型形状部分はホース先端開口部より突出しホース開口部と連続した長円状吸引口を形成するように構成されていることを特徴とする吸引掃除機用ノズル。

P3691337_6

上の図は、この特許の図2ですが、ノズルの先端部分を図のような鳥のくちばしのような形状にして、その周辺にナイロンパイル(柔軟性手段)をつけていることが特徴のようです。左の図では、符号の10が吸引掃除機用ノズルです。

どちらも、きちんと特許を取得されて収益を挙げられているということで、お手本になる方たちだと思います。

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2008年4月20日 (日)

日常生活の発明(ベッドの発明など)

発明を広い意味で捉えよう、という話です。つまり、発明は、企業の研究所や工場だけで生まれるものではないし、理系の世界だけの話ではないと考えています。

僕は、最近、自分専用のベッドを発明?しました。今までのベッドは普通のスプリング式のマットでしたが、買って数年すると、腰のあたりが凹んでしまい、寝てると腰が痛くなりました。このスプリング式のマットは、体積が大きいし重いし捨てるのも大変です。価格も高いです。もともと、畳に布団の方が好きなので、これと同じような形のベッドに改良してやろう、と思いました。

それで、今のベッドの枠は、マットを外すと下のベニア板が薄くて弱いので、ホームセンターで1cmくらいの厚いベニア板を横70cm、縦65cmくらいに切ってもらい、それを3個、買いました。布団と同じ大きさの板一枚だけにすると持ち運ぶのが大変なので、3つの板に分けたのです。それをベッドの上に並べて敷いて、次に、布団ではなく、布団の下に敷くスポンジ製の3つ折り式のマットを敷いて、その上にシーツを掛けて寝るようにしました。これはすごく快適でした。なぜマットのみで布団を敷かなかったかというと、布団は重いし干したりのメンテナンスが面倒なのですが、マットなら軽いし簡単だからです。

それで、快適に寝てたのですが、数ヶ月くらいして、また腰が痛くなりました。スポンジ式のマットでも、腰の当たりが凹んで弾力がなくなったのです。このマットは、4cmくらいの厚さしかないのも原因かなと思いました。それで、今度は、もう少し上等なマットを買おうと思いました。いろいろ探しましたら、上半分が低反発ウレタンフォームで下半分がスポンジで、全体の厚さは8cmくらいというのがあったので、それを買いました。ソフランという会社のもので、定価は1.5万円でしたが、ちょうどダイエーがその商品の値引きにプラス店舗全体で2割引の日だったので、1万円ちよっとでした。全部が低反発ウレタンフォームのマットも売ってましたが、重すぎるし3つ折りにできませんので、捨てるときに困ります。こちらのものは、わりと軽いし、3つ折りできます。これで寝てみたら、大変快適で、今も続いています。

それから、別の発明?ですが、遠隔の母親とのホットライン専用にPHSを使っていました(最近、ドコモでも家族通話無料が可能になったので、このPHSも役割を終えようとしています)。このPHSはカマボコの板のような形で、各隅と各辺が尖っていて、手で握ると違和感があったり、ズボンのポケットに入れてると隅の尖った部分でポケットの生地が破れたりしてました。それで、ヤスリで、各隅と各辺の尖ったところを全部、削って丸くしました。プラスチック製なので、10分くらいで、簡単に削れました。すると、手にとっても馴染みやすくなり、ポケットに入れてても生地が破れたりしなくなりました。

まあ、こういうのも、発明と言ってもよいのでは、と思います。

20080426b

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